魂の双子のロルカとダリは1922年衝撃的に出会った
二人は同じものを背負っていた
死の恐怖と同性を愛すること
ロルカはダリに 互いが背骨になるよう求め続ける
背骨は 理解し承認し生きる構成要素となるもの
だが二人は 放たれた矢のように刺激しあいながらも
実のところ 背を合わせようとはしていなかった
7年後 ダリはガラを見つけてしまう
そして生きる者へと自分を再構成する
片割れのままのロルカは フラフラとあてどもなくさまよい続け
骸骨のような空洞な目のうえに
好みのマスクをつけたりはずしたりしながら
少しずつ
生きることから遠ざかっていくしかなかった
さらに7年後 内乱の中でダリは強く生きながらえたが
背骨を持たず 生きるための翼を持たないロルカは
成功とまばゆい賞賛をあびながら
時代の象徴として死んでいった
ひとり 黒い馬にのり 月を見上げながら・・・