モンゴルのいろいろ by нэг モンゴル人

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「私のみにくい娘」

2009-03-11 22:08:21 | 日本人とモンゴル人
 日本に来て間もないころ、モンゴル人に通訳を頼まれ、彼女の夫と子供のビザ申請のために入国管理局へついていきました。事務員に一通り説明したところ、「お父さんは…」と質問されました。誤解されたのかなと思って「いや、お父さんじゃなく、彼女の夫が…」と私は説明しようとすると、モンゴル人の彼女は日本語少しわかる人だったので「お父さんって、うちの旦那のことを言ってるんだと思うよ」と言ってくれました。

 夫婦でも子供が生まれるとお互い「お父さん」「お母さん」になることを知っていたのに、こんなにも簡単にはまってしまうなんて“日本に来たばかりでも普通に喋れるもん!”と自惚れていた私には恥ずかしく悔しい経験だった。

 なんでここまで日本人は人を呼ぶときでなるべく間接的な呼び方を用いたがるのか不思議です。

 日本人夫婦は「あなた」から子供が生まれると「お父さん」「お母さん」、「パパ」「ママ」、子供も同じく、長男、長女は弟、妹が生まれると「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」になって、自分の名前を読んでもらえなくなる。

 あと「家のバカが…」とか聞くし、身内にはよく言ってもらえることはあまりない。身内をほめることは自我自賛と同じなので慎むべきと思われているらしい。

 しかし、モンゴル人も同じなのだ。

 「私のみにくい娘」といわれれば、それは親から最大の愛と親しみを込めて呼ばれている証拠。

 妻が夫のことを「お父さん」とは呼ばないが、муу(悪い) муухай(みにくい)などという言葉は親しい意味合いをあらわすことがある。
「悪い友に最近会ってない、電話でもしよう」といったりする。「悪い」といえるのは自分と同じぐらい親しいから、ということでもあるかもしれない。

また、きれいなものを「きれい」といいすぎると祟れると考えかたもある。赤ん坊がかわいくても「かわいい」と言ってはならない。「かわいい」と聞けば、神にもらわれてしまうという昔からの考え方がある。「なんてみにくい子なんだろう」というのが「なんてかわいい!」という意味になるのだ。でも、これは上の「悪い友」「みにくい娘」とはちょっと違いますね。

 

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4 コメント

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Unknown (sys)
2009-03-15 02:39:52
お久しぶりです(こちらでは「初めまして」ですが)。

そうなんですよね、日本では名前ではなく肩書きで呼ばれることがとても多いように感じます(仕事でも、○○社の部長さん、だとか)。そして身内を外で褒めないのも仰る通りだと思います。これは、身内を低く扱うことで相手を敬う謙譲の意識の現れかなと考えていましたけれど、そういった文化の根っこには、褒めすぎると妬まれたり祟られたりするという考え方があったのかもしれませんね。
いろいろ気づかされるお話で面白かったです。
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Unknown (yanzaga)
2009-03-16 21:09:42
sysさん、お久しぶりです。お世話になっています。
ああ、そうですよね、謙虚さというところを忘れていました。モンゴル人の考え方でも謙虚さというのは一つの要素だと思いますね。
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mundag yumaa (bayarmaa)
2009-11-18 21:35:29
hicheeliihee hajuugaar zunduu yum bichsen baina shuu. mundag hudulmurch ohin bainaa. daraa tuhtai unshinaa. ih bayarlalaa.
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bayarlalaa (yanzaga)
2009-11-19 11:22:36
Bayarmaa, tegeerei, tuhtai unshaad, sanal shuumjee iruulbel bur ih bayarlah bn. :)
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