モンゴル人の信仰

　宗教を麻薬と同じとし、禁止していた社会主義が崩壊し、無宗教だったモンゴル人は信心深い民族へと…

　先ずはモンゴルの宗教の歴史を見てみます。
　モンゴルの古来の宗教はシャマニズムです。ずっと昔から（匈奴の時代？）チンギスハーンの時代まで天を崇拝するシャマニズムを信じていました。シャマニズムは神道に似ていると言われます。
　13世紀の終わりごろから仏教が普及し始めます。16世紀になって、モンゴル帝国が滅び、清がモンゴルを支配した時から、モンゴル人をおとなしくするために仏教を使ったといわれています。モンゴル人もそれに見事にはまって（こんな言い方は怒られるかな）一家で一人は（男子）お坊さんがいたぐらいです。実際、お坊さんになるというのは教育を受けるということでもありましたが、お坊さんは結婚できないから人口が増えず、武器も持てないからいざという時に戦いに出る人も減るわけですよね。1920年代の統計で成人男性の約50％がお坊さんだったぐらいです。
　1921年の革命以来、モンゴルは社会主義になり、宗教を禁止しました。信じすぎることがなくなってよかった面もあるかなと思いますが、宗教を根っこから排除するという名の下に、沢山のお坊さんが殺され、寺院が壊され、沢山の尊い命＝知識、素晴らしい文化遺産がなくなってしまいました。1930年代のことです。
　そして、今民主主義になって、宗教も自由になってから、寺院も沢山できて、お坊さんも多くなりました。私の両親始め、年配の人は信仰深いです。若い人は、人にもよりますが、私なんか、大きい試験のときだけ仏様に祈りました。「どうか優しい問題が出ますように」（それよりちゃんと勉強しろって話ですよね）　
　写真は去年10月にできた仏陀の像です。仏様にと祈る人に失礼ですが、すごく下手に見えます。私としてはこんな大きいの作るお金あるんだったらもっと違うものに使ってくれ、といいたくなりますが…ウランバートルからそんなに遠くないそうですから、行ってみれば面白いと思いますよ。モンゴルの文化がわかると思います。
　しかし、モンゴルの宗教は仏教だけではなく、前も書きました、モンゴルの西に住むカザフ族はイスラム教、そして最近一部の人はキリスト教を信じ、そして昔からのシャマニズムは北のフブスグル県などの地方に残っています。
　全体的に言えば、モンゴル人にとって天の崇拝はいつもありました。モンゴル人は天の子孫であり、モンゴルは永遠の青空の国であると信じています。