柔道日誌

柔道に出会って十数年。
経験した事、技の説明、その他柔道に関する事など書いています。
質問なども受け付けています♪

組み手 その4

2010年11月07日 23時40分48秒 | 立ち技
組み手について質問がきましたので書かせていただきます。

柔道をする上で必ず必要となってくることが組み手です。
審判規定改正により直接足を取ることが出来なくなったルールにおいて、
その技術向上は避けられないものとなりましたね。

今回の質問の内容は「喧嘩四つで有利な(内側から)釣り手を取る方法」についてです。

喧嘩四つ組み手の場合、身長に差があるかパワーに自信がある場合を除き多くの選手が釣り手を相手の釣り手の内側から取ります。
これは、
・相手の釣り手を制して技を掛けさせないため
・自分の技を掛けやすく強力にするため
に必要なことです。

そのためにも相手の釣り手の内側から自分の釣り手を取るということは非常に重要なことになってきます。
しかし、それは相手にとっても同じことで後手に回ってしまうと相手も必死に有利な方を持っていようと必死になります。
また、ある程度の技術・力量のある選手ならば一度優位な組み手になってしまえばそれを手放すということは審判が「待て」を宣告するまではほとんどないでしょう。
そこで、喧嘩四つ組み手で相手より有利な釣り手を取る方法が必要になってきます。

喧嘩四つ組み手で有利な釣り手を持つ方法は色々あると思いますが、私が主に使っていた3つの方法を書きます。

◎先手に回った場合
その1 引き手で相手の釣り手側の袖を取って引きつける
読んで字の如くです。
喧嘩四つ組み手の場合、セオリー通りならばお互いが釣り手を取ろうとします。
そのため、相手の釣り手を持つ方の腕が自然と自分に近づいてきます。
そこで、相手の釣り手側の袖をとり、自分の方へ引き寄せてきてから釣り手を取ります。
この際、相手の腕を自分の引き手の腰の方へ引くようにすると相手の体が自分の前で横向きのような状態になりますのですかさず釣り手をとります。

その2 相手の釣り手を叩き落として釣り手を取る
これは上記したようなセオリー通りに「釣り手から取る」という方法ではなく、喧嘩四つ組み手でも敢えて引き手から取るという方法です。
まず、お互いに引き手が取れるような方向(引き手の方向)へ回り込み、引き手を取ります。
この際、相手を制しつつ一定の間合いが得られるという面から袖口あたりが望ましいですが、お互いに引き手を持った状態でも大丈夫です。
すると、今度は自然と有利な釣り手を取ろうという攻防に移ります。
ここで私は釣り手を顔の位置と同じくらいの高さにし、背中の方へやや下げます。
後は、相手が釣り手を取ろうと出してきた手を叩き落として釣り手を取ります。
この時に本気で相手の手を叩いてしまうと審判から「反則」をいただく可能性がありますのでご注意ください。
勿論、本当に叩くのではなくて「指先で相手の手の甲を跳ねるようにする」という表現が正しいですね。
実際、私がこの方法で審判から反則を宣告されたことはありませんし、「グー」で殴っているわけではないので、審判も恐らくは「組み手を取る一連の動作」と判断していると思われます。

◎後手に回った場合
先に有利な釣り手を取られてしまった場合、後手に回った状態で新たに内側から釣り手を取る方法です。
まず、相手の釣り手の上から自分も釣り手を取り、相手の体を引き寄せます。
この時に相手の襟よりも肩のあたりが良いでしょう。
その後、自分の襟を取っている相手の釣り手袖口を取り、下方へ引くようにして自分の方へ引き寄せながら、近づいてきた相手の脇の下から釣り手を差し込んで襟を取ります。
この動作のポイントは一連の動作を素早く行うことが重要ですので、何度も練習した方がいいですね。

以上が、私が実践してきた方法です。
ちなみに、「先手その1」の方法ではそのまま小外掛けと一本背負い、
「先手その2」では大内刈りと大外刈り、
後手に回った方法では襟を持って行う逆の一本背負いへと連絡変化することが出来ますので、
組んでからの速攻技を練習しておくのも良いかもしれません。

それでは、また何かありましたら書きたいと思います。

組手 その3

2008年12月20日 23時43分15秒 | 立ち技
組手に関する質問が来ていましたので、今回はそれについて書きたいと思います。
ですが、組手に関する記事は以前にも2つほど書いていますので、今回は「組手の外し方」について書きたいと思います。

小学生や中学生の試合を見ていると、よく腕を振り回して組手を外そうとしている選手がいます。
確かに、これらも「組手を外す」という行為には間違いではないのですが、無駄な動きが多く、さらにはモーションが大きいために返って隙が出来てしまい、相手にとってより優位な組み手にされやすい場合があります。

では、どうしたらよいのか?
引き手の場合は、持たれている袖を内側から外側へ向けて切るというのが一般的です。
ただ、少々コツのようなものがあります。
それは、相手の手首を返すということです。
単に腕を回すだけでは引き手は切れません。
ですが、返した腕をさらに内側へと捻るようにすると、相手の手首から先が捻り上げられるような形になるため、引き手を切ることが出来ます。
この方法は、相手が自分の袖口に近い場所を引き手として持っている場合が特に有効で、そのまま手首を捻り上げるようにすることができます。



抑え込まれないコツ

2008年08月07日 01時13分30秒 | 寝技
今日は先日質問が来ました「抑え込まれないコツ」について書きたいと思います。

寝技に入られないための防御姿勢と言うといくつかありますが、大抵が以下の通りです。
 ① うつ伏せ
 ② カメ
 ③ 引き込み

この3つの内、③引き込みは寝技稽古の時に上級者が行う腰を畳に着け、上半身と足を上げた状態のことで、攻防一体の状態と考えてよいでしょう。
しかし、うつ伏せの状態やカメの状態は完全な防御姿勢で反撃が出来ないかと言われると、それは「No」です。
実際に私は試合でうつ伏せ状態やカメの状態から相手に反撃し、抑え込むという行為を何度も行いました。
ですが、今回は「抑え込まれないコツ」ということに重点を置いて、そして、特に自分がうつ伏せ状態の場合について書きたいと思います。


1.基本の形(うつ伏せ状態)
 ・脇をきちんと絞める。
 ・顎の下で腕をクロスし、その間に顎を入れて首を竦める。
 ・両手の親指を襟の中へ入れる。
 ・丹田周辺(下腹部から股間にかけて)を畳へ密着させる。
 ・肩幅よりも軽く足を広げる。
 ・足を横にして土踏まずの部分を畳に向ける。
 ・頭は上げずに背筋を伸ばし、体重を丹田に集中させる。

これが基本の形となります。
脇を占めなければ相手の腕が侵入し、自分で襟を確保しなければ絞め技がきます。
また、これらの動作は相手の攻め方によって変わりますので、それは以下を参照下さい。


2.応用
①持ち上げ(帯を持って持ち上げようとする場合)
この場合は単純に相手に持ち上げられないようにすることが大事です。
そのため、基本の形は崩さずに相手が持ち上げようとするタイミングに合わせて体を反るようにして全体重を帯が締めてある場所へと掛けます。
ただ体重を掛けている場合と違い、一瞬のタイミングで一点に集中させると自分の体重以上に相手は重みを感じるため、持ち上げることを断念させることが狙いです。

②仏壇返し(肘、膝などを持って片側へ返そうとする場合)
この場合は2パターンあり、相手が自分の手前に返す場合と反対側へ返す場合があります。
それらを防ぐ形としては以下の動作を行います。
・相手が手にしている側の肘と膝へ体重を掛ける。
・相手が手にしている側の足を基本の形よりも開く。
・相手が手にしているのとは反対側の膝を曲げて畳に密着させ、前腕(肘~手首)も少し開いて畳に密着させ、同時に畳を突っ張る。
単に相手が掴んでいる胴着の方へ体重を掛けるのではなく、腕や足を使って突っ張りに使ったり、足を開いて相手の力が伝わるのを弱めたりすると効果的です。
しかし、基本の形が崩れているため相手が急に胴着を離した場合や反対側へ持ち替えた場合は即座に基本の形へ戻るか、それまでとは真逆の態勢にならないといけません。
また、肘を開いているのでその中へ腕を入れて関節技や絞め技を狙ってくる選手がいますので、それらにも十分注意するようにしてください。

③俵返し(帯を取って肘で背骨を押し、手前の膝を持って頭の方へ強引に返そうとする場合)
この形はあまり行う選手はいないと思いますが一応書いておきます。
この返し方は相手も咄嗟の反応が遅れてしまう場合が多いため、②仏壇返しと同じ態勢で腕のみは完全に伸ばして突っ張ってしまえばまず返されることはないでしょう。
しかし、腕が完全に伸びてしまっているので上記のように絞め技や腕取りには十分注意が必要です。

④三角返し(片足のみ膝立ちで首を挟み、腕をとって返そうとする場合)
おそらく、現在一番メジャーな返し方だと思いますがこれも防御方法を知っていれば問題はありません。
・脇を締める。
・完全に首を挟まれないよう竦めている。
・相手の畳についている膝を両手で掴む。
・足を大きく開いて丹田へ体重を集中する。
上記の状態を保ちつつ、相手が腕を取って倒れながらひっくり返そうとした瞬間に掴んでいた膝を前へと押し出します。
すると、首がすっぽ抜けてしまい相手は勢いのまま後ろへ倒れてしまいます。
単純ですが相手に「上手く極まっている」と思わせるためフリが必要で、タイミングも重要になってきます。

以上、4点について「抑え込まれないコツ」について書かせていただきました。
何分「私なりの防御方法」ですので分かり難い場面があるかと思いますがどうぞ御容赦下さい。
また、他にも「このような返され方をしたが対処法はあるのか?」というご質問がありましたらお気軽にコメントをお寄せ下さい。

内股すかし

2008年05月10日 01時30分31秒 | 返し技

今日は『内股透かし』についてです。
内股透かしが返し技という部類に入るかどうかは私にも判断出来ませんが、今回は便宜的に返し技のカテゴリーに分類しました。

この技は文字通り相手が内股を掛けようと跳ね上げてくる足を
透かして倒す技です。
その方法には私が知る限り大別して以下2つのパターンがあり、
説明をしたいと思います。
(今回は自分が右組、相手が左組の「喧嘩四つ組み手」の場合です)

1 相手が跳ね上げてくる足と同じ軌道で自分の足を上げて躱す方法
 ① 釣り手を畳み、相手と密着した状態となる。
 ② 相手が内股に入る力に逆らわず、上半身を前傾にするのと
   同時に相手の跳ね上げる足と同じ軌道で右足を跳ね上げる。
 ③ 引き手を引いて相手のバランスを崩し圧し掛かるようにして倒す。

全日本選手権で高井選手が井上選手を最後に倒したタイプの内股透かしです。
一般的なもので、多くの選手が使う内股透かしだと思います。
しかし、④の相手のバランスを崩して倒す行為が不十分だった場合、同時に倒れ込むことになりますので、シドニーオリンピックの篠原選手のように内股で投げられたと見做される場合があるので注意が必要です。

2 相手が足を跳ね上げる直前に自分の足をスライドさせて躱す方法
 ① 釣り手を畳み、相手密着した状態にする。
 ② 相手が内股を掛けるために足を移動させるのに合わせて右足を
   左へスライドさせて跳ね上げる足を躱す。
 ③ 体落しの要領で右足を低く出し、相手の右足を引っ掛けて倒す。

体落しのような形になるために1のような失敗がありません。
しかし、②~③の間を素早く行う必要があるため立ち技の上手い選手向けで、体の大きな(腰周りの太い)選手には少々難しい技です。


私も試合や練習でも内股透かしは何度か使用したことのある技です。
これを覚えていると内股を使う選手にとっては脅威の一つとなるので、非常に有効なものだといえるでしょう。
しかし、相四つ組み手の場合だと非常に行い難い技です。
勿論、成功する確率もあります。
しかし、組み手が違うため体勢が股関節の稼動域を小さくしてしまうためで、失敗する確率が高くなるので注意が必要です。

大外刈り崩し→ 支え釣り込み足

2008年04月16日 23時22分23秒 | テクニック

現役時代に私が使っていたテクニック…、というのは少しおこがましいのですが、
よく使っていた技の一つです。

大外刈りはどの道場でも一通り教える技の一つであるため、この技を使う選手も多くいます。
そのためによく相手が掛かったのかもしれません。

○足捌き

① 相手の左足(軸足)が前方出る。
② 自分の右足を右前方へ出し、相手の右足(刈り足)を防ぐ。
③ 大外刈りが出来ないため、相手の左足(軸足)が下がる。
④ 自分の右足を前方へ出し相手の左足を刈る。

○組み手 右相四つ組み手の場合
上記②の時、右手(釣り手)を畳んで下方へ落とし相手の体が密着するのを防ぐのと同時にバランスを崩します。
 ポイント
 ・手首から肘にかけての部分を相手の体へぶつける。
 ・下方に釣り手を落とすことで、相手の体重バランスを崩す。
上記③の時、相手の左足(軸足)が戻るので、それに合わせて腕を広げる。
 ポイント
 ・腕は戻しても自分の上半身はやや前屈みになったままにする。
上記④の時、腰の捻りとともに上半身を伸ばしながら右方向へ回転させる。
右手(釣り手)は肩の高さにし、体の捻りとともに後方へ引く。
左手(引き手)は相手の右手(釣り手)の肘より上の部分を体の捻りとあわせながら上方へ上げるようにして押す。
 ポイント
 ・上半身の捻る時は相手と密着するくらい接近をする。

相手の上半身と左足(軸足)が戻った後、如何に早く相手の足を刈れるかということがこの技のポイントとなります。
また、この技は相手が左足に重心を掛けている場合でも有効です。
皆さんも機会がありましたら試してみて下さい。

大外刈りの指導

2008年03月30日 01時51分48秒 | 立ち技
指導の最中に大外刈りの打ち込みを見ていると、上半身を先に曲げてしまったまま打ち込みをしている子供が時々います。

恐らく、これは指導者の方が
「大外刈りは胸をぶつける感じでやれ」
という言葉を聞き、自分なりに胸をぶつけようとしている結果だと思います。

しかし、この状態では顔の方が前へ出てしまっているため、実際には胸の当たりというものはそれほど大きくはなく、逆に全く当たっていない場合もあります。

このような子供がいたらそれがクセになってしまう前に直してあげることが必要になります。

ですが、すでにクセのようになってしまっていくら指導してもその時だけのことになってしまった場合には「壁打ち込み」はどうでしょうか?

柔道を経験した環境により呼称は変わると思いますが、これは所謂「壁を利用した打ち込み」のことです。
当道場の壁の一部には帯やタイヤチューブなどを巻きつけるための太い木の柱が横に据え付けられています。
ここに手を掛けたり、帯を巻きつけたりして一人で打ち込みを行うことを「壁打ち込み」と呼んでいます。

それでは、何故大外刈りで上半身を曲げてしまう子供に壁打ち込みをさせるのかといいますと……
壁を前にして大外刈りを行う時、きちんと上半身が伸びていれば壁へ胸から腹にかけてが当たります。
しかし、もし上半身が曲がっていた場合はどうなるでしょうか?
そうです。
頭から壁にぶつかってしまうのです。
それは小学生の子供が見ても一目瞭然です。
このような状況ではいくら上半身が曲がってしまっている子供でも顔を上げて体を伸ばすしかありません。
勿論、これをやればすぐに上半身を曲げてしまう大外刈りを克服出来るとは言い切れませんが、上半身を曲げないようにするという意識は芽生えてきます。
このように意識から変えていくことがクセを直す第一歩かもしれません。

ちなみに、この方法は大内刈りで上半身を曲げてしまう場合にも有効です。

もう一つ……
上半身を曲げてしまうのを矯正する方法があります。
もっとも、こちらはあまりオススメは出来ないので、参考までに記します。
その方法とは胴着と体の間に硬い棒状のもの(木刀など)を入れることです。
勿論、帯を締めただけでは固定できませんから、胸の辺りでもいいのでもう一箇所帯で固定します。
(私と同年代以上の方の場合には授業中に寝ていて背中に物差しを差し込まれている状態をご想像していただければよいかと……)
この状態ならば背筋が伸びている状態なので壁打ち込みに近い状況に出来ます。
ただ、動いているうちに胴着が乱れてしまい、結局はあまり意味の無い状態になってしまいます……

久しぶりの更新となってしまいましたが、これからは適宜更新していきたいと思いますので、このようなブログでよろしければどうぞご参考になさって下さい。
また、質問などもお受けいたしますので、お気軽にお寄せ下さい。

残念

2007年08月28日 02時37分17秒 | 柔道一般
皆様、お久し振りです。
久し振り、本当に久し振りの更新となりました。

もうほとんど放置状態のブログにもかかわらず
毎日来て下っていた方々に感謝いたしたいと思います。

さて、久し振りの更新で何を書くのかと言いますと、
今回は先ほどニュースで知ったことを書きたいと思います。

そのニュースで知ったこととは……
野村忠宏、世界選手権大会出場辞退!

多彩な技と天性のセンスを持つ野村選手の魅力に私自身魅了されており、
今回のニュースは非常に残念でした。
右膝前十字靭帯断裂の回復が遅れているためと、
北京五輪を見据えての判断だとのことです。

確かに、あと一年を残したこの時期での更なる故障は絶望でしょう。
そのために大事をとったと考えるべきですね。
そして、一番悔しいのは野村選手自身だと思います。

ですので、今後の野村選手に期待しつつ、
今回は野村選手の変わりに出場する江種選手に
精一杯の声援をテレビの前から送りたいと思います!

寝技のポイント

2007年03月01日 23時45分43秒 | 寝技
月刊誌のような更新ですが、久し振りの更新となりました。

本日は「寝技のポイント」について書きたいと思います。

柔道の練習時間は大体2時間から2時間半。
その間に基礎練習から全て教えるとなると、
確かに時間は少ないです。

そのため、最近では寝技の練習をお座なりにしてしまう
傾向の道場や学校があります。

ですが、寝技の場合、立ち技と違うところは
・センスは必要無い
・学習により向上する
・要点を押さえることで十分
といったことが上げられます。

そのため、多くの時間を費やさなくとも
より確実に「一本」が取れる可能性があります。

そのためには何が重要かといいますと、
「面よりも『点』で押さえる」ことです。

よく、小学生や初心者のの選手を見ていると
横四方固めや縦四方固めで相手の体へ覆い被さるようにして
押さえ込みを仕掛けているのを見ます。
このような押さえ込みが所謂「面で押さえ込む」というものです。

しかし、寝技上級者の場合、このような押さえ込みはしません。

何故か?
理由は簡単です。
1.相手へ掛かる体重が分散してしまい、
  効果的な押さえ込みが出来ない。

2.上になっているためにバランスが悪く、
  相手に返されたり、逃げられる場合が多い。

3.相手の四肢が極められていない場合が多く、
  付け入る隙を与えることがある。
と、以上の3つが主な理由です。

皆さんも、練習や仕合で折角寝技で押さえ込んだのに、
逃げられたり返されたりする場合は、
上記のような状態になってはいませんか?

さて、それでは寝技上級者の場合、どのようにして押さえるのか?
要点は上記した「点で押さえる」ということです。

人間の体は構造上、ある場所を押さえ付けることで
動けなくなってしまう場所があります。
それは、首、肩、腰の三箇所です。

寝技で押さえ込む場合、理想的には上記の3点を
押さえることが出来ればまさに「完璧」となるでしょう。

しかし、形によっては袈裟固めなど出来ないものもあります。
そのため、押さえ込みでは上記3点のうち、2点を押さえることにより、
相手の動きをほぼ完全に封じ、押さえ込むことが出来るのです。

例1 横四方固め(3点を押さえる)
首=肘の内側で挟む
肩=鎖骨から胸で潰す
腰=股の間へ入れた腕を押し付ける

例2 袈裟固め(2点を押さえる)
首=肘の内側で挟む
肩=脇の下や胸部側方を押し付ける

例3 上四方固め(2点を押さえる)
首=相手の頭を左右どちらかへ押し付ける
肩=胸部、もしくは胸部から腹部にかけての場所で潰す

以上のように、主な寝技を上げましたが、
この他にも、以前投稿した記事のうち
「首固め(変形縦四方固め)」も
押さえるポイントのうち、2点を押さえています。

このように、寝技はポイントを抑えることにより、
自分よりも技がキレる選手相手を相手にした場合でも、
勝利を収めることが出来ます。

そのためには、普段からの稽古できちんと
寝技のポイントを抑えることを
反復練習することが必要です。

仕合結果

2007年02月17日 01時07分23秒 | 柔道一般
久し振りの更新となってしまいました……

先日、我が街主催の大会がありましたので、
今日はそのことを書きたいと思います。

2月11日
以前にも書きましたが、その日は周辺地域で行なわれる
一番大きな柔剣道大会が我が街で行なわれました。

柔道は小学生が
1・2年、3・4年、5・6年に別れ、
5・6年の部だけは50kg以上と以下に分かれます。

続いて中学生は
団体・個人ともに男子は1年生、2年生、女子の3つに別れます。

最後に一般ですが、これは小学生同様に全て個人戦となり、
一般女子、男子無段、男子有段の3階級です。

この中で我が柔道クラブは
1・2年生で優勝。
3・4年生で準優勝。
一般男子無段で優勝。
一般男子有段で3位。
と、4名が入賞しました!

また、中学生には少年柔道出身の生徒もおり、
団体女子Bチームが準優勝。
同 男子2年優勝。
個人女子優勝、準優勝、3位2名
同 男子準優勝、3位
という好成績をおさめ、その内女子1名と男子2名が
少年柔道出身者ということで、私のように
審判そっちのけで中学の仕合を覗きにきていた
少年柔道の師範達が安堵していました。

また、女子は個人戦制覇という偉業を成し遂げ、
顧問の先生が準決勝から安心した表情をさせていたのが
印象的でしたね。

少年柔道はこの後は秋までは大きな大会は無く、
道場内で行なわれる仕合があるのみです。
そのため、練習日が少なくなりますが、
6年生の多くが中学へ進学したのちも
柔道を行なうようなので、師範一同喜んでいました。

また、少年柔道出身者で久し振りに顔を見せに来る者もおり、
その子達の頑張りようも仕合で見ることが出来ました。

私も来年は一般男子有段の部で出場しないかと
師範の方たちに言われていますが……
眼が本気なのがチョット怖いですね……

さて、上記したように少年柔道では暫く仕合が遠のきますが、
中学生は3月の近代柔道杯へ出場予定とのことです。
全国の空気を味わい大いに暴れてきて欲しいです!
また、私も時間を見つけては練習に行き、
最後の大会を一つでも勝てるように
指導していきたいと思います。

そして、いつか地元へ戻ってきた時には
今度は私と同じ指導者としても活躍して欲しいですね(^^)

小内巻き込み

2007年01月31日 23時53分24秒 | 立ち技
久し振りに技の解説を行ないたいと思いますが……
今回紹介する技「小内巻き込み」は以前紹介した
柔道漫画「帯をギュッとね!」の中に登場する技です。

私も練習や試合で幾度か挑戦しましたが、
立ち技のセンスが無いためか
滅多に成功はしませんでした。

この技はタイミングが重要で、
小学生には難しい技かもしれませんので、
中学生以上の選手向きと思われます。



右相四つ組手での動きでご説明します。
①図のように、①で攻め手が左足を前方に出します。
(注:相手の右足より後ろへは行かないように気をつける)
この時、同時に引き手を引き、自分の脇腹を擦るようにして、
引き付け、同時に上半身もやや前傾姿勢となります。

②釣り手の拳を巻き込むようにしながら相手の左胸に密着させ、
自分の右足を相手の右足に絡めます。
この時、大外刈りや大内刈りのように相手の膝(ふくらはぎ)から下、
へ絡むように気をつけて下さい。



足を絡んだ後、その動かし方で技が変化します。

①の方向へ足を引いた場合
相手は足を前方へ引かれてしまい、後方へ倒れます。

②の方向へ足を引いた場合
相手の体が半回転し、内股で投げられたようになって倒れます。

足を絡めてからの変化によって
相手がどのように倒れるか変化しますが
どちらにしても有効ポイント以上の
技の効果が得られます。
ですが、最初にも書いたように、
技のタイミングが非常に難しいため、
一定以上の技術が必要な技です。

試合練習

2007年01月19日 00時04分24秒 | 柔道一般
今日は少年柔道の稽古日でした。
試合が2月11日にあるため、
最後に試合練習を2回行いましたので、
その結果(高学年の部)を書きたいと思います。

1回戦
赤            白  
K君   技 ― ×  Sさん
(支え釣り込み足)

OH君  ○ ― ×  OY君

Mさん  △ ― △  Kさん

HT君  △ ― △  Tさん

一回戦目は2-0で赤の勝ちでした。
実力的にはHT君とTさんが道場での2トップで、
その下にMさんとKさんがいます。
それ以下となりますと、
低学年の子(3年生)で強い子が2人いるので、
その子が上位に食い込んできます。


2回戦
赤            白
OH君 ○ ― ×  Sさん
(大外刈り)

K君  △ ― △  OY君

HT君 技 ― ×  Kさん
(内股→大内刈り)

Mさん × ― ○  Tさん
        (大外刈り)

2回戦は2-1で赤の勝利でした。
赤チームは取れる選手で取ることが出来たのが
勝因と言えるでしょう。
最後の試合、Mさんも善戦しましたが、
やはりTさんにはまだまだ実力が及ばないようです。

総評
久し振りの試合練習ということもあり、
やや緊張した様子がありました。
しかし、全体的にはよく技を掛けていたので
試合でもこの傾向が出れば
判定に持ち込まれた場合は有利に展開するでしょう。
しかし、決め手が無いのもまた事実。
大会までの短い期間でどれだけ成長できるかが
ポイントになってくるでしょう。

おまけ
反則行為をした選手がいました。
その選手には試合後に実演を交えて指導をしました。
反則行為を教える時間を作る道場はあまりありません。
そして、知らなければ反則行為を試合で行なう選手は多々います。
練習中、反則行為をする選手がいたら
その都度注意をするようにしましょう。
そうすることによって、
それが反則行為であることを知らせ、
試合の時に無用なポイントを取られることが防げます。
小さなことかもしれませんが、
自分や相手を怪我させないためにも、
反則行為の指導は指導者がしっかりと行なうようにして下さい。

稽古始

2007年01月16日 21時26分59秒 | 柔道一般
1月11日。
当道場の稽古初めでした。

本来は8日に稽古始の予定でしたが、
その前に近隣の高校が主催する寒稽古などにも参加したため、
11日からの稽古初めとなりました。

下の写真はその時のものでは無く
15日に撮影をしたものです。


これは「寝技の反復練習」をしている写真です。
名前の通り、内容は寝技の反復練習なのですが、
袈裟固め→崩れ袈裟固め→横四方固め→
縦四方固め→横四方固め→上四方固め
という順番で行ないます。

この時、上半身が離れないように注意をしながら
連続した流れるような動作で次の固め技へ移行するのが、
練習のポイントです。

この練習は、寝技で逃げられそうになった場合や
相手の体が大きくで体勢が不十分だった場合、
次の寝技に移行するための練習で、
最終的にきちんとした形へ持っていくための練習でもあります。


これは乱取りの様子です。
この日は中学生の練習が無かったらしく、
1年生1人、2年生4人、3年生1人の
計6人が参加してくれました。

しかも、そのうちの5名が少年柔道出身者です。
3年生は今日(17日)が推薦入試試験の日なんですが……
気分転換のためでしょうか、練習に参加していました……

2年生の4人は日曜日に試合があったらしいのですが、
個人戦では優勝者が出たものの、
団体戦では優勝を逃したたしく、
その悔しさのためか参加人数が多かったもようです。

1年生は去年の3月に少年柔道を卒業した子です。
久し振りに練習に参加してくれましたが、
やはり中学に入ってほとんど毎日練習をしているせいか、
小学生を手玉にとっていました。

昨日は特に練習に参加する練習生も多く、
指導者の方達に加えて中学生が6名も来てくれたので、
道場はまさに「芋洗い」状態でした。
嬉しい事ではあるのですが、
昨日は私が監督代行をしていたので、
怪我人が出ないようにとヒヤヒヤしていました……

おめでとうございます。

2007年01月01日 01時34分02秒 | その他
あけましておめでとうございます。

昨年、柔道が好きでそれをブログにしてみようという
単純な思いつきで開設した当「柔道日誌」ですが、
多くの方のコメントをいただき、大変感謝の一年でした。

今年は時間がありましたら小さなことでも記事にして
更新をしていきたいと思います。

また、私がこれまでに培った技術や
見聞きした技術などがありましたら
これからも日々書き込んでいきたいと思います。
そして、こんな私でよろしければ柔道の相談も
受け付けております。
勿論、技術的にも精神的にも未熟な私ですが、
一人で考え込むよりは多くの意見を聞いた方が
何かと事が進みやすいこともありますので、
そういった時のご参考になればと思います。

差し当たっては新年の稽古開始日である1月11日を
無事迎えることと、2月11日に予定している試合の
準備をすることです。

昨日の記事に書きましたが伝統ある大会の名称が
変わってしまう節目の大会になるかもしれませんので、
何か一つでも記念になることが出来るように頑張りたいと
考えています。

それでは、また今年もよろしくお願い致します。

大晦日

2006年12月31日 17時40分06秒 | その他
大晦日です。
道場の練習はすでに終わり、新年は少し遅めの1月11日から
練習が開始されると首脳部?の方々からお達しがありました。

少年柔道の一年を振り返ってみると色々な事を思い出させられますが、
怪我をした練習生もいましたが概ね無事に一年を過ごすことが
出来ました。

今年一年で大分成長した子もいますが、
あまり成長が見られない子もいます。

来年2月には46回目となる大きな大会があります。
伝統ある大会ですが、町村合併などにより、
今年度を最後に大会名を変更してしまうとのことです。

私も中学・高校時代だけではなく社会人になってからも出場した
思い出の大会です。
大会自体が無くなるというわけではありませんが、
名称が変わってしまうというのは、
やはり寂しいものを感じてなりませんね。

しかし、これも時代の流れというものなのかもしれませんし、
より大きな大会へと発展させることも視野に入っているため、
最後となるかもしれない大会を成功させたいと思います。

もっとも、私は審判係りなので誤審が無いように
気をつけなくてはいけませんし、練習生のいる手前
自分で試合をする時よりも緊張してしまうかもしれませんね。

あまり纏まりの無い文章でしたが、
今年一年私のブログに来ていただいた方達に感謝いたします。
それでは皆さん、よいお年を。

合同練習

2006年12月24日 00時02分21秒 | 柔道一般
先日の少年柔道は近くの道場と合同練習を行いました。

練習生の数としてはうちの道場の方が多いですが、
大会の上位入賞者は練習に来た道場の方が上です。

そのため、うちの道場生はチャレンジャー的な立場なのですが……
やはり、慣れない相手と練習をする時には消極的になってしまうのか、
自分よりも強い相手に向かっていこうという気持ちが
現れていませんでした。

そればかりか、自分よりも弱い相手を見つけては
その練習生とばかり練習する生徒もいました。

無理やり柔道をやらせようとは私は考えていません。
ですが、楽をして勝てるほど柔道は甘くありません。
それを練習生に学んで欲しいですね。

とはいっても、それを説明しても小学生では判るべくもありません。
かと言って、気持ちが入れずに練習しては怪我のもとです。

道場によっては「勝つ」ことのみを目的とした柔道を
教えているところもあります。
ですが、うちの道場では「勝つ」ことよりもまずは礼儀。
そして技術です。

子供達に柔道の楽しさを教えるには勝つことも一つの方法だと
私も思います。
ですが、それでは体ばかりが成長しても心の成長が促されません。

そのためにも、うちの道場ではまずは礼儀を教えます。
ですが、やはり理想と現実というのは違いますね。
勿論、まだ指導者側になって数年と経っていない自分には
とても難しいことなんでしょうが、
それでも子供達の気持ちが少しでも変わるようにするには、
指導者として努力するしかないんでしょうね。

ん~……、指導者というのも大変ですね……