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自動車を持つために(第三回全日本自動車ショウ)

2007年01月11日 | おすすめ
ヤマダ自動車の書庫に第三回東京モーターショウのカタログがありました。

うちの会社にある最古の自動車ショウのカタログです。

1956年昭和31年に開催された時のものです。

先代の社長が観にいったときのものでしょう。

このカタログ読めば読むほど面白いです。

東京自動車ショーのホームページに掲載されている入場者数は万人。これだけの人数が自動車に興味を持っていたと言うのは、戦後10年で廃墟の中から復活しつつある日本人の力強さすら感じます。

カタログでまず紹介されているのは

タイトルにある「自動車を持つために」という記事です。

まず、昭和31年当時の日本人の年収を知っておくと面白いでしょう。

国家公務員の初任給が9000円弱、製造業の中小企業の高卒初任給が約5000円だった頃のお話です。

車両工場渡し価格(販売価格はもっと高い)

ルノー・スタンダード 740000円
ダットサン・セダン  750000円
プリンスセダン    875000円
オースチン      999000円
トヨペットクラウン  1200000円

乗用車として上記の車などが紹介されています。

実に国家公務員の初任給の(月収比)80倍以上の価格です。現在の初任給が20万円だとしても1600万円の価値があると言うことでしょうか・・。今で言う自動車取得税に当たると思われる(厳密に言うと異なるのかもしれませんが)物品税は15%~50%と実に3倍から10倍です。

本当の庶民の感覚で言うととてもとてもな贅沢品ではなかったかと思います。

それでも入場者数約60万人というのはその後のモータリゼーションを予感させる数字でしょう。

当時の国民車(と言う言葉は始めて知りました)に対する期待も非常に大きかったように思います。軽自動車として400ccクラスの自動車を25万円~30万円で販売できるよう通産省は国と企業とで研究を重ねていたようです。

スズライトセダン 約46万円
フライングフェザー約35万円

などが紹介されていますがやはり初任給比の40倍近い価格です。

わかりやすく言うと、大卒後にいきなりセルシオの新車を買うようなものでしょうか。

購入費については最後に割賦で購入した場合のモデルケースが記載されています100万円の車に対して30万円の頭金を入れて、70万円を割賦手数料日歩5銭(約年利18%)で計算し、7ヶ月の月賦にすると(ここで少々わかりにくいのはカタログ内で月賦期間が7ヶ月になっていることです)月額87932円になると言うことですが・・・払えませんね。お恥ずかしい話、今の私でも月9万円近い月賦を払う能力はありません。

しかしながら、車にはそれだけの価値があり、仕事もしてくれたと言うことでしょう。今でも車は決して安い買い物ではありません、が買えない事はありません。なんとなく車に乗っています、けれども当時の皆が車を持つのが夢だった頃のその夢を着実に庶民に広げていった国産車メーカーの物造りに対する研究と努力には誇りをもってこれからも頑張ってもらいたいとおもいます。

ヨーロッパやアフリカ、南米、北米・・世界で日本車をありがたがらない国は日本ぐらいではないでしょうか?当時の状況であるならば、輸入車に対する思いと言うのはわかります、そして物作り対する考え方の違いなど様々な理由がありますが、いまだに渡来物と言うだけの理由だけで輸入車に弱いのはなぜでしょう・・。たまには日本車も良いですよ。

まとめられず申し訳ありませんが、そんな時代もあった事をお伝えしたかったのです。読んでくださってありがとうございました。

次回数字の羅列になるかもしれませんが30年当時の車を取り巻く環境について抜粋したいと思います。


----自動車価格などは第三回全日本自動車ショウカタログより抜粋しています------   


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