詰将棋劇場blog

平井康雄の詰将棋など、あれこれ

「怒濤・改訂版」曲詰「ヒ」修正図・再検討

2021-06-24 09:17:32 | 詰将棋
 申し訳ありません。

 前回、完成とした「ヒ」の修正図ですが、再検討の必要が生じてしまいました。余詰や不詰が発生したわけではないのですが、問題なのは「まさかまさかの自陣と金」の部分です。再検討の結果、これが無用な裏技だったようでして、普通に47金配置で成立していそうと思われるのです。

  



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 初手56銀打のマギレに対して、同銀生の応手をうっかりしていました。
 こうなったのは前々回のC案の余詰検索でやたらと時間ばかりかかって効率が悪かったことがそもそもの原因でした。その際、2手目同銀の変化は、同銀、44玉、53角成以下、豊富な持駒では絶望的に詰むので、この時点で同銀の変化は完全に意識から排除した上で、3手目からの局面以降でPC検討を進めることにしておりました。
 余詰検索の効率を上げるためにはやむを得ぬ措置でしたが、63桂を追加すれば同銀生の応手が復活する可能性が出てくるのを見落としていたわけで、その点はお詫びするしかありません。
 もし、同銀生で詰まないのであれば、47金の配置で問題ないことになりそうです。

 「47と」でも「47金」でも作意手順自体には影響ないので、マギレを検討する必要があります。

・初手64銀打は44玉、53銀生、34玉、14飛に合駒ですが、飛角金桂が売り切れで銀香合は詰むので24歩合の一択。その後、44銀成、25玉、15金以下、一見危なそうですが、ギリギリ逃れています。ここは同じです。

・初手56銀打に同成桂は77角に金合ができず詰み。従って同銀生ですが、以下同銀、44玉、53角成、同玉でA図。

・初手56金打には同成桂とできそうですが、77角、66金合に64銀打、44玉、53銀生、34玉、14飛、24歩合に25桂以下詰んでしまいます。したがって、この場合も同銀生としかできません。
 以下、44銀、同玉、53角成、同玉・・・・・。持駒:飛金金ではわずかに詰まないようです。
 もう一つ、56同銀、44玉、53角成、同玉でB図。

 
    A図    B図



 結局、A図・B図が詰むか詰まないかの問題に帰着するようです。
 これのPC検討がなかなか困難です。広い局面に豊富な持駒で選択肢が限りなくあるので、いくら時間をかけても答を出してくれません。現時点ではほぼ大丈夫の結論に近づいていますが、100%の確信は持てないのが現状です。

 しかし、いつまでもサスペンド状態に置くわけにはいかないので、A図B図は詰まないものとして、この案で最終決定とさせていただきたいと思います。

 今回の件では、いろいろご迷惑をかけて申し訳ありませんでした。

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2 コメント

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Unknown (名無し)
2021-07-03 17:23:14
実戦形ではないので、率直に言って自陣小駒成駒は全く気にしません。
橋本氏の「イオニゼーション」のように、自陣小駒成駒を容易に無くせる状況ならともかく、検討に多大なCPUリソースと長時間を掛けてまで、何が何でも自陣小駒成駒を排除しなければならないとは思えません。
(手順や難易度が大幅に変わるのであれば話は別ですが)
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Unknown (平井)
2021-07-13 18:45:19
自陣と金の意味は、初手56銀or金を同成桂と取って、77角に66金合で逃れる予定でしたが、56金、同成桂、77角、66金合以下は64銀打以下詰むことが判明しました。したがって初手56金は同銀生と取るしかないので、わざわざ自陣と金を使う意味がなくなってしまました。
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