詰将棋劇場blog

平井康雄の詰将棋など、あれこれ

「怒濤・改訂版」曲詰「ヒ」修正図・完成

2021-06-21 10:23:50 | 詰将棋
 お待たせしました!!!

 曲詰「ヒ」の修正図ですが、途中何度も挫折しそうになりましたが、風・有吉両氏のご協力のもと、どうにか新たな修正図を得ることができました。

             

 基本構造は前回のC案をベースにして、63桂を追加して、その上でまさかまさかの「自陣と金」がポイントでした。

 作意手順はほぼ同じなので省略します。

 マギレについて、
・初手より、64銀打、44玉、53銀生、34玉、14飛、24歩合、44銀成、25玉、15金以下一見危なそうですが、ギリギリ逃れています。
 (47銀の配置だと上記が詰み、24金合でもピッタリ詰みます。24桂合できれば逃れなのですが売り切れです。)

・初手より、56銀打、同成桂、77角には66金合で逃れ。(したがって自陣と金が必要でした。)
 63桂がなければ、その後、56銀、同銀生、67桂、44玉、53角成、同玉以下で詰みます。


 字形で縦棒が少し伸びましたが、これくらいなら十分許容範囲と思われます。

 「怒濤・新版」購入者には正誤表で対応させていただきます。
 申し訳ありませんでした。

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「怒濤・改訂版」曲詰「ヒ」修正図

2021-06-16 23:55:18 | 詰将棋
 前回紹介した、曲詰「ヒ」の修正図ですが、余詰が発生していて、大変失礼いたしました。

 有吉氏と連絡取りながら、再修正することができないか考えてみました。
 2手目同玉の変化を作意以内で詰めねばならないので、選択肢はそう多くはないようです。そんな中で有力な案がいくつか出てきましたが、その代表例を3案示します。

 A案

  2手目同玉は53角成、同玉、45桂、44玉、
  54金、34玉、35金、23玉、33金、12玉、
  22金打以下。

B案

  2手目同玉は53角成、同玉、45桂、44玉、
  54金、34玉、23銀、25玉、14銀生、16玉、
  26金、25飛以下。

C案

  2手目同玉は53角成、34玉(同玉は54金以下)、
  54飛以下。


 いずれも、柿木は作意を解答し、短時間設定の余詰検索はクリアできるのですが・・・・・、
 長時間設定の余詰検索をクリアできませんでした。

 特にC案は3000秒設定の余詰検索でもクリアしたので、大いに期待を持たせたのですが、6000秒設定で陥落。
  <補充>上記の情報は正確ではありません。実は、6000秒設定で陥落したのは88成桂ではなく77桂の図でした。88成桂の図では、時間制限下では余詰を検出できませんでした。しかし、初手56銀打に対して同銀や44玉は詰むのが確認済みなので、同成桂の一手。この局面から考えさせると、時間がかかりますが、88角以下詰むと解答が出るので、余詰があることは間違いないと判定できます。

 つまり3題とも、初手56銀打以下、変化多岐ですが、逃れはないようです。
 やはり、持駒:金3枚は強力過ぎるようですが、2手目同玉の変化を詰めるためにはこれ以上弱くできないのでどうにもなりません。
  <補充>C案で持駒:金2銀香でも作意は成立するのですが、簡単に余詰(46銀打、同と、56香以下)です。金2銀歩では不詰です

 結果的に、作意を生かした修正案をどうしても見つけることができませんでした。

 結局は、「頭2手を省くしかない」というのが結論です。

 まことに残念です。
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「怒濤・改訂版」完成

2021-06-07 21:14:49 | 詰将棋
 6月27日に発売予定だった「怒濤・改訂版」ですが、予定より早くに完成したようです。つみき書店から我が家に完成版が送られてきました。
 内容はPDF版で確認していた通りですが、思っていたよりもずっと綺麗な装丁で、ちょっと感激しました。
 つみき書店に直接予約されていた方々には数日中に発送されるそうです。ご期待ください。

 前回紹介した「二人三脚」については、原図にどんな欠陥があって、それをどうやって修正できたのか、詳しく解説しています。以前、詰パラ誌上に載せた記事をさらに詳しく書き換えたものです。

 そして今回は作品紹介の第二弾。曲詰「ヒ」を紹介させていただきます。
 短大で2.85の高得点を獲得した作品です。
  


  詰パラ短大(1982.3)
  初手56歩以下余詰あり
  画像クリックで棋譜再現ウインドウが開きます


 とにかく初手が強烈な印象です。同玉の変化は53角成、同玉、45桂以下で見事に捕まっており、最初にここを塞いでおくのが何より肝要だったわけです。その後は不動玉のまま、細かいアヤを含んだ手順で鮮やかに詰上がります。

 作者には数作の曲詰が遺されていますが、そのほとんどが創棋会などでのイベント用強制創作だったのに対し、本局だけは、そんなのとは関係なく、長年に渡って素材を温め続けていた作品でした。私も作者が実際に推敲している現場を何度も目撃しています。推敲に推敲を重ねた結果、初手44銀の挿入を発見したことで完成としたようです。

 ところが、「怒濤」編纂の事前検討で柿木に余詰検討をさせたところ、結構長時間の検討後、初手56歩以下余詰の宣告をされてしまいました。相当難解複雑な手順でしたが、成立するのは間違いないようです。そこで、作意を生かした修正案がないものか、散々考えぬきましたが、結局上手い方法は見当たらず、頭2手省くしかない、というのが最終結論でした。これは、私としても相当ショックなことでした。
 ショックの余り、頭2手省いた図に存在価値を見いだせなくなり、解説文を書く気力もなくしてしまったので、本編入り作品から除外して、「拾遺集」に中に組み込むという、何とも酷な対応を取ってしまいました。
 頭2手省けば価値が半減されることはやむを得ないとしても、それ以降の手順まで価値なしと切って捨ててしまったのは、あまりにも横暴だったと深く反省させられることになりました。

 「改訂新版」では2手省いた図で本編入りさせて、改めて解説文も付けておりました。ところが・・・・・

 校閲をお願いしていた有吉弘敏氏から、原作意を生かした修正案の提示をいただいたのです。
 それを見ると、ちゃんと初手44銀が実現されており、しかも、露骨な質駒77桂の解消までされているではないですか・・・・。

 あまりの見事な出来映えに絶句させられました。並みの作家と天下の看寿賞作家の作図力の違いをマジマジと見せつけられた思いです。

 どうやってこれを修正したのか、もちろん気になりますよね!!
 是非購入して確認してください。

お詫び(急告)

 修正図はこれでしたが・・・・・・

 

 購読者からの指摘があり、この図でも56歩以下の余詰があったようです。

 有吉氏によると、氏のPCでは余詰が検出されなかったそうですが、私のPCで十分な時間設定をしておけば検出可能だったことも判明しました。
 私も風氏も200秒検索にはかけたようなのですが、どちらかが念のための1000秒検索をかけておきさえすれば検出できていたはずなのに、二人とも怠ってしまったのは運の尽きでした。

 更なる修正の可能性を探っていますが、やはりどうやっても余詰は消えそうにありません。
 結局、「2手省くしかない」が結論となりそうです。

 ともかく、慎重な最終確認を怠ったのは私の責任です。
 誠に申し訳ありませんでした。
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「怒濤」改訂新版 発売決定

2021-05-11 18:34:34 | 詰将棋
 風みどり氏のブログで公表された通り、山本昭一作品集「怒濤」の改訂新版が6月27日(山本氏の命日)に発売されます。

  アマゾン予約サイト

 2003年発行の旧版は和綴じ豪華版で63題3000円と少々割高でしたが、今回のは安価な普及版で86題1500円と相当割安でお買い得になっております。出題数が飛躍的に増えたのは、前回安易に修正不能と即断してしまった作品を修正し直したり、ミニコミ誌「詰将棋の詩」から新たに再発掘・修正して収載したことによります。したがって前回購入いただいた方でも十分に満足いただける内容になっているはずです。
 新たに山本氏の娘さんからも寄稿いただき、イラスト類は全て娘さんのものを使用しております。

 目玉作品の一つが「二人三脚」修正図と言えます。

   
  「二人三脚」(原図)
   余詰(63手目36角以下)あり
   画像クリックで手順再現ウインドウが開きます。


 前回は例外的に不完全のまま本編に収載しましたが、その後、実は修正できることが判明しました。
 2012年パラ誌上に89手案を提示しまたが、今回はそれを更に逆算して、原作と同じ97手案として収載してあります。
 序奏はかなり難解で重厚な手順になったので、ここだけを抽出して別収束をつけた中編作品を数作創作してみましたが、その1作が5月号デパートの作品です。少し無理を言って、今月号で収載していただいたものです。全体の構図が何となく似ていますね。
 89手案とデパート4番の前半の手順を組み合わせたものが、「二人三脚」修正図の最終案となるわけですが、それがどんなものか気になる方は、是非購入して確認してください。
 詰棋界の方なら、つみき書店に直接注文していただいて大丈夫ですが、アマゾンプライム会員の方なら、アマゾンで買った方が送料無料になる理屈にはなります。

 なお、前回の「詰備会オンライン」の記事中で、「事情のある作品」と思わせぶりに書いたのは、デパート4番の姉妹作のことでした。前半ほぼ同じ手順で収束が全然違う作品でして、他に作品が揃わなければ採用するつもりだったのですが、その必要はなくなった、というわけです。この作品については、いずれ機会をみて公表させていただきます。

 とにかく、「怒濤」改訂新版をよろしくお願いいたします。

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詰備会オンライン

2021-05-04 18:39:46 | 詰将棋
 本日、詰備会オンラインを開催しました。

 前回体調不良で欠席された小林さんが、今回は問題なく仕切ってくださったので、私は楽なものでした。

 作品展の方は一時ピンチ状態でしたが、作品募集に答えてくれた、吉松氏と山路氏のおかげで無事開催できることになりました。
 自作も用意していたのですが、事情があって採用見送りになりました。と言うか、事情のある作品は選ばなくてもよくなりました。

 後半は何故かチェスプロブレムの話題が中心になってしまったので、私はほとんど眺めるだけでした。
 その後は終わるタイミングが難しくて、そのままフェードアウトさせていただきました。

 参加者一覧(把握できた限りで姓のみとします。):平井、小林、津久井、馬屋原、則内、上谷、斎籐、来嶋、須川、山路、藤原・・・・
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