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読書日記

好きな本とアレについてつらつら

のっぺらシリーズ

2014年08月12日 | BOOK

霜島さんの時代物。小躍りしつつ大事に大事に置物に。なぜって、そりゃ夏の長い休みにゆったりしっかり読みたいからさ。
ええ、そうですとも。堪能しました。またまた江戸縛りにあって宮部さんあたり掘り返してますが、やはり江戸ものはイイ。
時代物とはいえ、霜島さんお得意のあやかしたちがたんと出てくるコワかわいいお話です。
だいたい、主人公からしてあやしかだしな。しかし千さんいいよ。カッコイイよ。かわいいぱぱだよ。そりゃ小町娘の初音さんも惚れるわな。
1巻読んでていちばんの疑問だった食べ物問題にも、早速2巻で答えがもらえましたし、2巻は後半の桜の話が夏休みにぴったりの怖さでうふふでした。ちょうお買い得あーんど食べごろでした。
個人的にはやはり霜島さんのえがくじーさんばーさんが大好きで、またもや兵衛さまと艶さま(ばーさんなんて言うと足蹴にされそうだが)にときめきまくりでした。ぜひぜひいつかお二人の馴れ初めをしっかりお話にして読ませていただきたい。

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天の梯―みをつくし料理帖―

2014年08月09日 | BOOK

終わってしまいました。
終わってしまいましたねぇ。
まあ、でも、心晴れやかな終末でしたよ。まさに雲外蒼天。
いつもより心もちゆっくりめのペースで、一言一言をかみしめるように読みました。ここまで苦しみ惑いながらも歩んてきた澪ちゃんの来し方を思い起こしつつ、のっけから涙腺ゆるめっぱなしで。
摂津屋さんたち旦那衆の心配りがまたニクイ。三方そろって手を引くなんて、あさひ太夫の旦那方はみんな粋ですわ。さすが最高レベルの旦那衆。淡路屋再建にもさらっとつきあってくれちゃって。オトコだわー。そしてそしてその旦那方をというか摂津屋さんを味方にしたのは紛れもなく又さんで、う……又さんには存命でいてほしかったですやはり。そして澪ちゃんと二人大阪で腕を振るってほしかった。
つーかさ、澪ちゃんが源斉センセと所帯もつとしたら、やっぱり野江ちゃんだけあぶれるのはカワイソだと思うのねー。しかも彼女は前身を気にして、そうやすやすと夫婦になったりしないと思うのねー。又さんがいたら…て思っても仕方ないと思うのねーアツミーさんからこの口調伝染ったー。
何にせよ一言だけ難を言わせてもらえば、アタシ的には河童の生まれ変わり医師は要るんだけど寸止めでよかったです。大阪医塾はまだしも夫婦約束はイラナイ。
ああ、そうそう、そういえば小松原様大活躍。そりゃ絶対出てくるとは思ってましたけど、再会はやはりイラネでした私。名前だけでいいって。それともお元気そうでとほろりとしなきゃいかんのか。つかそんなことにページ割くなら、種市さんとのお別れをもっとしっかりしみじみと書いてほしかったわー。ここが一番の涙腺決壊点でした。もうもう。
八朔からのもろもろを思い出し、号泣。だってさー、何よりもまず種市さんいてこその澪ちゃんだったんだよう。種市さんがお店を任せてくれ、焼けてしまった時も、問題起きた時も、ひたすらに澪ちゃんと澪ちゃんの才能を信じ、つる屋を任せてくれたからこその絶品料理の数々だったんだよう。
このシリーズで誰がカッコイイって、まず男は種市さん、女はりうさんがダントツだと思います。又さんは特別枠。
あと、采女とのガチンコがなくて少々肩透かし。いえ、まあいいんですけど。なんつーか、彼奴がぎゃふん言ってる描写なしに退場してしまったので、振り上げた拳の行き先がない感じです。逃走中だそうですので、ふろくで再起はかってたりしたら面白いんですが。
何はともあれ、きちんと幕をひいてくれてよかったです。ああ面白かった。番外編が出るらしいので、そちらも楽しみに待ちたいと思います。

しかし、今巻何にいちばん驚愕したかって、一柳消滅だったわ…一兆庵……。最後の最後にそそけ立ちましたアタクシ。や、柳吾さんがいいならいいんだけどさ。

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三匹のおっさん

2014年07月31日 | BOOK

久しぶりに有川さん読みました。つーか久しぶりにまともに本読んだ。わずかな棚の置物から発掘して、しめしめこれでにじぅななじかんもたせようと目論見、つらつらと合間に読みましたが、合間に読める六話構成で、お得でありました。
還暦を迎えたおにーさまたち(おっさんとかじいさんとか呼べる年齢ではない私自身)が、ご町内の悪をこらしめる、現代版勧善懲悪時代劇であります。剣術の清さん、柔術の重さん、そして頭脳派則さんの3人、どの方も魅力的でよいです。おにーさまたちだっていろいろ悩みは抱えていて、家庭内のあーだこーだも話の種にはなってくるのですが、そのあたりもリアルで身近で一般ウケする一因となっているのでしょうな。取り上げるネタも旬のものというか現代日本のどこの地域でも抱えてる悩み事で、身につまされます。
まあそんなとかく重くなりがちな話を、有川さんの筆致でおもろく軽妙に痛快に書いているわけですが、脇の登場人物にもずいぶん助けられてるんでしょうなぁ。
無論3匹のサブ的位置にあるユウキくんやサナエちゃんは言うに及ばず、清さん奥さんや重さん息子などのできる脇もいいです。あー、おもしろかった。

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おこぼれ姫と円卓の騎士

2014年07月22日 | BOOK

久しぶりに大人買いしたです。つーか、近所の本屋でガサガサ買えてほんとによかった。ここんとこ本屋どころかスーパーにすら行けてない現状で、過労死どころか人間として最低限の生活保障があやうくなってきて、可能であれば上司を呪い殺してしまいそうな心境です。どこぞのウィンナーだけで飢えをしのいだダレカサンを思い起こして踏みとどまりましたが。
出た当初から存在だけは目にしてたんですが、1巻のあらすじ紹介がどうも私は好かんかったらしく、順調に巻を重ねているのを横目に見つつスルーしてました。いや、でも読んだら結構当たりでした。
ご存じのとおり私は貴種が己が責務を自覚しているのが大前提の人なので、自覚しまくって、さらに貪欲に上を目指すレティは大好物であります。ぶっちゃけデュークいらねくらいの勢いで。
そしてまた周りがいい。逆ハーととってもいいですが、自分の側近を才覚いっぽんで集めてくのも見応えがあります。お気に入りはアストリッド。彼が汚れ仕事せずに仕えられる喜びを、レティには理想論だろうが甘ちゃんだろうが大事にしていっていただきたい。やはり王は臣下の想定を超えて無茶やってこその王。フォローは円卓どもがやればいいです。
あと、基本的に人死にが最小限なのも好感です。災害にせよお家騒動にせよ、泣くのは民衆ですからね。
そういうこと考えてくと、なんとなく雪乃さん彷彿とさせてくれる作柄でした。久しぶりに姫モノでヒューマニズム前面。とっしょりは微笑ましく9冊を読ませていただきました。満足。

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旅猫リポート

2014年05月26日 | BOOK

生きてます。むちゃくちゃ忙しいですが、仕事はちゃんと行ってます。つか仕事しかしてねー。この2カ月。
ああああああ早くまつりが来ればいい。
そんなわけで帰って食うフロ寝るつー生活してるので、まっっっっっったく本とたわむれられていません。本屋に行けてない。当然本棚は既読のみとなり、はて今月の新刊てば買ったっけかというていたらく。わー、スリルだわー。

そんな中でなんでコレ、という感じですが、癒されたかったのだよ。ニャンに。
ニャン視点で描かれるロードストーリーですが、切なくて甘酸っぱくて、コレれっきとした恋愛ものだよなぁとしみじみ本を閉じました。
いえ、男女の絡みなんざほとんどないのですがね。でもナナとつれあいのやりとりなんかはもう。そうとしか読めない。いえ種族だけじゃなくて性別も問題ですかそうですかでもナナとサトルのらぶらぶ日記ですそうとしか読めませんでしたごめんなさいよ。
サトルの旧友とのエピソードがちりばめられて長い一本のお話になってるんですが、どのお話も有川氏らしい根っこが重たいお話で、楽しく読ませてもらいながらじんわりとイタかったです。しばらく沈んでたくらい。特にノリコさんのがきたな。
あと佐藤さんへのオマージュなのか、絵が村上さんだったり、コロボックルが出てきたりと、誰も知らないちいさな国を彷彿とさせる数々の仕込みにクるものがありました。ちびっこ時代にどんだけ夢中になったことか。ああそういえば、絵本出してるんですよね。機会があったら読んでみたいです。
しかし有川作品は男女モノでなくても要注意だわー。猫と男子であんだけ甘いなんて予想外でした。

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薔薇は花降る都で咲き初める(シリーズ)

2014年05月06日 | BOOK

うわー、久しぶりの少女小説ですなぁ。
読んではいるのですが、今一つ満足につながるというほどのものでもなく…むにゃ。
これはその中では比較的よかったです。2冊目が出たしね。小田さん前作の看護婦ものも私としては楽しみだったのですが…。いやもー、出しっぱなしはやめようよどこのへんしぅぶも。残念感がはんぱないですよ。もったいないもったいない。
中世イタリアイメージの世界が舞台ですが、きらびやかなルネサンスにはあんま関心なかったので、はあそうっすかてうなずきながら読みました。うーん、弱いのだよな。リアーナでも感じたとおり、あの辺りの復古あんど懐古主義とかぜんっぜんキョーミなく学生生活を終えてしまったので、ものすごく弱いです。
んでもさすがにボルジア家くらいはサガで読んでましたし、伝家の宝刀「破門」についても少しくらいは知っているので、さほど困らず読めたのが勝因です。
作者さまは兄ちゃんと教皇様の黒っぷりを嘆いてますが、まさにそのとおり。あそこまで傍若無人だといっそ見事。ワタクシのいじめっこがうずうずして仕方ありませんでした。特にぱぱ。ヴィアンカさん奪われた当時の絶望の様子を克明に読みたかった。さぞかし荒れたんでしょうなあ。うふふ。そしてそれが自分が可哀そうでいうのがまたもうなんともはや救いようなくて楽しいです。だいたい出家するかふつう。カイショなさすぎ。
おにーちゃんも殻が閉じてる感じで、早く引っ張り出してみたくてうずうずします。これ続くんですよね。であればぜひとも幼少時のまんま大きくなった駄々っ子にーちゃんを、ぴしぴしとルクレイツァじゃないや、マリアンジェラがしつけていく様を見せていただきたいです。

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冬天の昴

2014年04月23日 | BOOK

小暮さまシリーズだいごだーん。…って、ちゃんと弥勒シリーズという名前は知ってますけどね。はい。
なんつーか、こっちのが私的には「らしい」んですよねぇ。
男ばっかり3人組で事件解決に臨む、もしかしたら殺伐とした時代ミステリなのかもしれませんが、私的には相変わらずたまらんです。この3人。ぶーふーうーかっつーの。
前回期待した通り、今回は小暮さま出張ってくださいましたが、相変わらずのえすっぷりに絶好調の悪魔的頭脳。うーむ、小暮さまを窮地に追いやるのは至難ということですね。まあ、小暮さまも、清ちゃんと伊佐さんが自分のためにがんばるのなんて死んでも見たくないだろうし、諦めます。
今回は事件そのものが3人に直接因縁があるわけではなかったので、比較的冷静に読めました。お仙さんとかはいろいろ複雑だったでしょうが、おうのさんにしろお登世さんにしろ、オナゴは強く在らねばと実感させてくれる話でした。お家や体面のために命落とす男衆を傍目に、雄々しく強かに江戸のまちを生き抜いていってほしいものです。
しかし、小暮さまのいじめっこぶりは今回も冴えわたっていました。笠木くんなんかはいいように転がされてて、言いくるめられてるとこなんか、いやーアクマだわぁと感心しきり。森蔵のとこなんかも小暮さまらしい人ぷりに心が震えました。
南雲さまとのとこは、かけらも情をもってないわりにこちらがきゅんとする言動してくれますしね。ほんとに、困ったおヒトです。お仙さんや清ちゃんのどえむっぷりが解らないでもない自分がちょっとイヤ(笑)。
でも、今回のベストは伊佐さんですな。伊佐さんが二人に茶ぁぶっかけるシーンがたまりません。それでこそオヤジ!グッジョブであります。若造二人が何いきがってんだと大喝。素晴らしいです。今作でイチバンときめきましたさ。
次回作はどうなるのか、すでに楽しみです。

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ローウェル骨董店の事件簿

2014年04月17日 | BOOK

や、久しぶりになんかガイコクのお話読んだわー、て感じです。ここ最近ずっと国内のお話ばかりだったので。
いいですな、カタカナ。むろん感じもこよなく愛してますが、時々ドレスやイヴニングコートに憧れるのですよ。
そんななか、作者様お得意? の英国もの堪能いたしました。
二十世紀に入りたて、一次大戦直後という、めちゃくちゃ暗鬱なご時世の倫敦が舞台の、これまたお得意の警察ものミステリです。骨董店てタイトルですが、あんま骨董に主眼をおいてはいませんよね。ふっつーに刑事さんがメインはってます。
たぶん、検視官弟と骨董店店主兄がメインでお話を進めていこう、というねらいのもと始められたんでしょうが、私の中では童顔刑事と苦み走ったいいオトコ警部の捜査場面が多すぎて、はて兄弟ものだったかしらね、と首をひねりたくなる印象。
ま、おもしろいからいいんですけどね。
本格ミステリとして読むには軽いし、かといってラノベ的なものでもなく、まあ、装丁通りのご本ですなぁ。おそらく桑原さんのレリックシリーズあたりと同系列。
あと、現在2巻まで出ていますが、ミステリと同時に、二冊を通して描かれているのは戦争、しかも近代兵器を多用した戦争の悲惨さです。戦地からの帰還者弟と、徴兵拒んで逮捕されたあにさんとの苦しいすれ違いや、戦争にまつわる惨いエピソードとか散りばめられていて、つくづく戦争はアカンと思いを新たにします。殺戮が正義になってはいかん。
お互いに傷を抱えた兄弟ですが、抱えた傷ごとそれでも新しく生きることを始めようとしていて、そのあたりは二冊を経て、進んできた感が強いです。私はあんまミステリ好む方じゃないんですが、兄弟のその後をもう少しだけ見届けようかという気になりました。
できれば人死あんまなしにして、んで、骨董をもちっと扱ってくれると、もっと好物になるんですけどねぇ。

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冬虫夏草

2014年03月31日 | BOOK

まさか出るとはと感激の家守奇譚続き。嬉しくてココロ踊りました。
でも例によって図書館で辛抱。すんません。
安定の綿貫氏の淡々とした生活ぶりに癒されます。しかし…そんな好きかイワナ。終始イワナが頭の中にいましたよ今回。たぶんお作の中で一番使われた言葉なんじゃないのイワナ。
名相方のゴローが行方知れずになってのオハナシなわけですが、行方知れずになったというのに、私もさして心配することなく、淡々と読み進めてしまいました。いえ、それこそゴローの人徳ならぬ犬徳だと思います。ゴローに限ってそんな、というなんか妙な安心感というか。
惜しむらくは読んだ時期でした。秋の鈴鹿を舞台に繰り広げられるお話なので、アケビにしろむかごにしろ、秋の風情を愛しむにはちと時機を逸してしまいました。でもこれは純粋に自業自得。反省。
河童ちゃんやら赤竜やら、愛らしい異形たちも出てくるそばで、朴訥に蕎麦ごちそうしてくれたりする、自然と調和して住まうおじいちゃまおばあちゃまが素敵でした。
いいよなぁ。イワナのおやど。そしてそれを当たり前に話す住人。
あと、妊婦さんなのに、お仕事がんばってしまう菊さんとか、幼馴染のサトちゃんとかも、本当に以前の日本に当たり前にいた人たちもよかったです。今や河童と同じくらい絶滅危惧種の人たち。菊ちゃんはほんとに気の毒だったけれど、あれが百年前は日常だったのだよねぇ。古き良き日本のお嫁サンは素晴らしい人たちです。
最後綿貫氏は、村田サン同様、神様やその他の方々に導かれ、無事にゴローと再会でき、心温まりシアワセに本を閉じました。途中、ゴローの生存を危惧させる記述もあり、なんか最後は現実感も希薄で、もしかしてこの世ならぬとこでの再会か、と一瞬思ってしまいましたが、いやいや、ちゃんと再会して、そして二人は隣のおかみさんの待つ、疎水の流れ込む懐かしき我が家へと戻ったのだと結論しています。

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僕と先生

2014年03月27日 | BOOK

まあ、安定の路線なのでしょなぁ。隼人くんと二葉センセの日常謎解きもの。
二人がチョコ買いに行ったりバーベキューしたりしてるのはおもしろいですが、なんつーか、他のお作に比べて終わりの見えてこない感がなんとも。
坂木さんの成長ものという枠組みが、比較的緩やかな部類だからでしょうか、ミステリを純粋に楽しむのだとしたらこちらのがいいかもしれません。
扱ってらっさるテーマ自体は、重たいもの含んでいるのですが、二葉せんせが就職からも社会からも遠いとこにいるせいか、傍観的立場を抜け出せなくて、比較的痛くないです。
で、今回ミス研の皆々様が出張ってらして、なんだかずいぶんにぎやかになった気がします。いえ、柏原さんもレムさんもいいのですがね。無論山田君も。
厄介なのはレディ・バードとやらでしょうな。
怪盗じたい私はどんないい奴でも好きくないので(義賊だろうと盗人は盗人で育ったヒトですから)、彼女の存在自体許せん気持ちが強いわけですよ。なので、できれば彼女が改心云々を主軸にした話なんて見たくないし、かと言って彼女がこのまま窃盗を続けるのもいただけないわけでして、ほんと厄介て気持ちです。
つーか、こっち出すくらいだったらアンちゃん出してほしいわぁ。寡作な人なので切実。

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美雪晴れ―みをつくし料理帖―

2014年03月23日 | BOOK

ものすごい勢いでたたまれ始めた前巻から予感はあったのでしょうが、あと一冊に、ほへーとなっているうちに終わってしまった一冊でした。いっそいつものごとく二冊通しで読めばよかった。
んでも、今回は今回でけじめがいろいろついた巻なのでしょうな。お芳さんおめでと。つーか、今回はお芳さんの回。
そしてそして、河童の生まれ変わり医師がちゃっかり出番を増やしてて苦笑です。え、増えてますよね。出番。私だけか、そう思うの。なんつーか、澪ちゃんの根っこのいちばん大事なとこに住み着いた感があったんですが。まあー、いいか。らぶはあからさまはいらんので。それっくらいで。
あとあと、やはり鼈甲珠でしょうな。問題は。摂津屋あんど翁屋あきんどこんびが大活躍。おっさん二人で澪ちゃんの独立の道を助けていってる感じがなんともはや。一柳の柳吾さんといい、おっさんにウケがいい。
ただ、いまのまんまでは心願叶えるのにべらぼうな手間がかかってしまうと思うのですが。そしてそして敵役采女、こちらもおっさんがこのまんま放置はないと思うので、次回でがちんこでしょうかね。
うわ、そしたらなんか困ったときに小松原さま颯爽と登場しそうでいやだわー。おいしいとこどりはヤメテくれ。
どっちかってーと、わたくし昆布のご隠居様が懐から印籠パターンを望みます。ご隠居様はちょいちょい出てきていい味出してますので。
あとなー、澪ちゃんつる屋を後にして、果たしてどうするのやら。独立してもいいけど、やっぱ吉原でつる屋二号店を出して、あっちこっち両方の、リーズナブルかつおいしい、高級感満載でおいしい、二つ道を究めていただきたいところです。
なんにせよ、あと一冊。ああー、また読む本がなくなっていく…。

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ばけもの好む中将2

2014年03月17日 | BOOK

安定の瀬川さん平安モノ。
今回も面白かったです。相変わらず怪異は出てこないのですが、あえてそれに挑む瀬川さんに拍手。一番こわいのは、人間だよねぇ。
今回は後半の中編がメインで、先の短編二つは前座という構え。まあいいですが、やはり一般書というよりはラノベな感じがしてしまいます。短編つないで大筋、という前巻みたいなツクリのが私はすきです。
伊勢の斎宮のコイバナが絡んでくるわけですが、まあぱぱは癒し系か学問オタクかの二択だろうなと読めてしまい、ちと残念。しかしそれ以外は、望んでいた十二人のおねー様たち次々お目見えで楽しかったです。一人ひとり個性が際立っていて魅力的。四番目の姉上も三番目の姉上も素敵でした。
初草ちゃんとも着実に仲が進展していて、微笑ましかったですし、気にしてた十番目の姉上がやんごとなき国母サマの隠密らしいことも分かって大満足。あとは梨壺の更衣さまにお子ができれば万々歳。
弘徽殿の女御をワルく書いてますし、どうやら中将様、おとーさまとは仲たがいしてるっぽいですから、時の権力者右大臣ばーさすで政争バナシも盛り込んでくれるとワクドキできて嬉しいです。華やかな宮廷絵巻は、やはり血なまぐさい権謀術数あってこそのきらめきですから(人としてはどうなコメントすいません)。
ああ、それから解説の方も言ってらっしゃいましたが、おそらく牛車のカーチェイスは、数ある平安モノの中でも、後にも先にもこのご本だけではないでしょうか。チョーかっこよかったです!牛さん。

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雪月花黙示録

2014年03月09日 | BOOK

ちょーうド派手な表紙とうってかわって、カバーとると実にシック。ダークグレーにして読みましたとも。リビングで。
あの目の覚めるような色づかいは帝国主義の象徴?だとしたら、すでに装丁からして結末を黙示してたわけね。なんつーか、ド直球。
お話は、今の資本主義至上を加速化させた帝国主義という地域と、古き良き日本を選び取ったミヤコと呼ばれる地域のいざこざです。簡単に言うとそんもんでは。いやまあ、どっちがと決断迫られてもアタシは困るんですが。
人物的には主人公である蘇芳、萌木、紫風の三人が、帝国主義によるミヤコ侵食をくいとめようと奮闘するお話といえばいいんでしょうか。
一口で言ってしまうと三人の活劇です。愛刀片手に跳梁するクセモノどもを成敗。うち女の子が二人ですのに激強。しかも美少女と美青年ときてるからまた。
イメージはC洋灯さんで。あの人たちの描いた学園ものとモロかぶってしまったらしく、終始Cらんぷさんの絵を思い浮かべつつ読みました。なんのこっちゃてなりそうなスケールの説明も、だから涼しくスルー。C洋灯さんの話であればアリだよなというわけわかんなさで、目をつぶってしまえるデス。楽しければいい。それに、ヒトサマが言われるほど私は最後に?はつかんかったです。少なくとも夜底よりはよほど理解に苦しまんかった。ちゃんと片付いてたし。
最後の記述まで活劇的で、これマンガかアニメに起こしたら楽しいだろうなぁと思って本を閉じました。そしてそういう話が出たら、きっと読んでみると思います。だって絵の方が目の保養も倍増。
何にせよアタマ空っぽにして読める娯楽小説でありました。年度末のクタクタの脳みそに束の間の安らぎでした。

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船を編む

2014年02月28日 | BOOK

今さらかよ、と思われそうですが、そうです今さらなんです。本屋大賞とっちゃったから、偏屈なワタシは「ならみんなが気にしなくなったら読もう」と。
今までのんびり寝かしときました。
さすがの三浦さんお仕事小説で、辞書編纂の情熱と苦労がなみなみと溢れていて面白かったです。
まじめくんという愛すべき主人公がおもしろくしているのは言うに及ばずですが、他のご本同様、愛すべき脇たちが魅力的でした。
西岡さんの俗物っぽさがお話のハードルを私自身の高さまで下げてくれ、荒木さんの一本気が昭和のオヤジ満載でこれぞ、というウザカッコだし、何より松本先生の生き様がすばらしい。他にも製紙会社の方々の奮闘とか、まじめくん下宿先のおばあちゃまだとか、とにかく味わい深いおヒトいっぱいでした。
私としてはかぐやさんチトいらね感があって。それってばなあなあや風強吹でもうっすら感じたものですが、なんつーか、おまけ扱いの恋愛事情ならアタシのなかではイラネんでしょうなあ。悪いなあかぐやさん。
後はひたすら言葉というものにあそこまで真摯に対峙する姿に圧倒されっぱなしでした。
言葉づかい、というか言葉の使い方の移り変わりは、私自身職業のせいもあってかわりかし気にする方で、テレビのアナウンサさんが発した一言に「ん?」と引っかかってしまうことも以前はありました。しかし、日本人の知らない日本語マンガとかで、言葉の趨勢を知って、移り変わるも廃れるもまたよし、と思い始めていました。
そんな移り変わりはかなくなってゆく言葉たちに、限りない哀惜をもちつつ、新しい言葉も盛り込みつつ、編纂に臨む人々には、頭の下がる心地がします。
三浦さんがエッセイなどで言葉の使い方についてちらほら話題にしてらっさるのは見かけていましたが、まじめさんを描くということは、三浦さん自身がまじめさんみたいに常日頃感じてらっさることなのかなあと感慨深く本を閉じました。
私自身、初めて手にした辞書だけは、ぼろぼろになった今でも捨てられずとってあります。
また重宝するんだよなー。今の辞書に載ってない言葉とかあるから。ちなみに父が祖父から譲り受けた、親子三代モノです。
そしてそしてタイトルのつけ方の秀逸さに地にひれ伏す思いです。ああああなんて羨ましいセンス。名づけ能力ってどこかに売ってないものでしょうかねぇ。

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上流階級 富久丸百貨店外商部

2014年02月16日 | BOOK

トッカンよりは、少なくとも楽しめて読めるお仕事小説でした。つーか、見るもの聞くモノ異次元な内容に、ひたすらほえーとなって終わった一冊。
が、がいしょうさんて、何それ食べられるモノ? な完璧庶民の私からすると異世界ものと大差ないっつーか。
百貨店の外商部に所属するバツイチ女性の奮戦記なわけですが、断言してもいい、シズオさんみたいに常日頃からお仕事のことばっか考えて生活してたら、あたしなら発狂する。完全オフになれる瞬間て大事だと思いますよ。
それは私だからともかくとして、内容は痛快です。カリスマ外商の葉鳥さんの後を引き継ぐべく、お得意さんを増やしたり、新たに顧客をつかもうとクリスマスイルミネーションパック作ったり、それこそわくわくしてシズオさんの奮戦を楽しみました。後に恋友ともなるライバルの若手ホープやら、カッコイイばっかりの元夫やら、魅力的な男性には目もくれない。ひたすら任された大任を果たすべく、仮面ライダーベルトやらちょう有名パティシエ制作ケーキやら、助けてドラえもーんて叫びたくなるような無理難題を、ばっさばっさとさばいてく手腕が小気味良いです。
そして常に外商としての在り方を問い続けるシズオさんの生真面目さに共感。やはり仕事するイチ社会人として、常に自らの仕事のベストの在り方を模索し続けるニンゲンでありたいです私も。
五百万以上の時計や、ななひゃくまんえんのペルシャ絨毯だのがぽんぽん売れる世界に、親近感持つわけではないですがね。
好きだったのは乙女マスヤ。ええ子やん。しばらくは同居生活続いたんだろうから、鍋パーティーでもすればいいよ。女子だし。二人して空港で本命見送るとこが好きでした。かわいいのう。恋する乙女たちは。
続編とか出たら楽しみな一冊です。

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