星空自慢の宿 帯広八千代 YH Starry Sky Inn

日高山脈が綺麗に見える
北海道十勝 帯広 星空自慢の宿
大きな畑と森と空がいっぱいです。

アミ  夜明け ミシェル 2

2020年09月14日 22時14分00秒 | フィクション
ゆっくりと時が巻き戻る夢をみた
日本を出た時、そして・・
自分の未来を真面目に考える事もなく
その日その日を避けていたあの頃・・
・・・僕は人目に触れないよう、
人と比べられることの無いよう、
そして、、、、
良いところだけは持って行こうと・・
自分は嫌なやつ・・・・
・・・・・
どんなことでも
真面目にやっていれば・・・
世間は、
認めてくれるから・・・
しっかりやればいいよ
反論の仕様のないアイツの言葉
みんながを味方に付けたコイツの言葉、
あの頃、周囲にいた人たちの
顔があちこち現れ・
うなされるように僕は目が覚めた
けれど一番悪は、自分、。
・・・
人間を堕落に導くもっとも大きな悪魔は、
自分自身を嫌う心である。ゲーテ
・・
暑い光と風
そしてこの街独特のにおいが
外からの侵入者、猿が入って来ないようしつらえられた格子の付いた窓から
入って来ていた、
中庭を覗くと、木陰で涼む手持ち無沙汰の
管理人ジェッダと目が合い
この国の人たちがよくやるように
首を少し傾け目を瞑って簡単な挨拶をする
庭の隅に置かれている椅子にはゲルトが
少し疲れたのか?、テーブルの上に
編み針とパターンを置き、
植えられた花をみながら、
自分の時を止めている・・
・・アミは?
僕と先ほどまで葉書を書き
郵便局へ出かけて行ったようだ
・・
甘くて熱いチャイを飲みながら
アミは葉書を三通
元彼と元々彼となんでもない彼へ
書いたらしい・・
ハイ、今日の仕事は終わりねぇ〜
頑張ったって自分を褒めなきゃ!!
良いこといっぱい書いたわぁよ
ここに来て生きるってなに?とか、
子供たちの澄んだ目を見ると、
私の心は洗われるようですとか、、
・・それらしいことを書いといたと、アミ
僕は、、、?
僕は、、、
しばらくは現在のままで・・
できることをやってみようと思うと書き
きっと読んでもらえない相手へ送った。
198Q 年 3月q日、川の街にて、、
・・
アミが郵便局に寄り川に出て
少し水浴びし戻って来た、
今日は牛もドヤドヤと
あちこちで入水していたらしい・・
ここでは牛さんは神の使いだからねぇ〜
・・・と、アミ。・・・
そして帰りに、
日本人向けツアー会社のオフィイスへ
日本から葉書が届いていないか
寄って来てくれていた、僕たちは大使館や
領事館に葉書を送ってもらうよりも
手間が省けるのと探しやすさ日本語の
通ずるスタッフとの楽しい会話、出される
緑茶飲みたさとエアコンにあたる目的で
このオフィスを時々利用させて
もらっていた。
アミには元彼から、早く帰れと!
まだ愛してると書いてあったと
喜んでいる・・・僕には友人から
日本のアイドルのちょっと
艶かしい写真葉書が一通、言葉は無し、
久しぶりに母国の面影を感じハッとし、
アミにふぇーっと大声で笑われ
ジェッタとゲルトに睨まれた
クワイェットタイムを打ち壊すのは
アジアンとイタリアンって
だいたい決まっている・・そんな事を
ミシェルからいつだか?聞いたが
外れてはいないと思う、・・
・・・・
屋上を見上げると、今日もミシェルの
洗濯物はかかって無いようだ、減らない
洗剤、少しづつ汚れの玉が大きくなる
シャツ、開かれないゲーテ、そして・・
髭剃り跡の美しい頬のミシェル・・
・・

ほどほどに愛しなさい。
長続きする恋はそういう恋だよ。

  シェイクスピア -

ある日、
ミシェルの熱い時が突然
終わりを告げたようだ・・
強い雨がこの街に降った日
彼は少し下を向きながら迷路のような
この街の路地を彷徨い歩き、川を見つめ
荼毘する紫煙を眺め、長い時をかけ
ここに戻って来た・・僕に笑いかけ
ハーィと一言、
元気か?良い一日だったか?と僕、
それには少し疲れた笑顔をこちらに向け
小さなウィンクで応えを寄越し・・
ミシェルは洗濯洗剤の入ったフィルムケースを見つめ、、残り三回と呟き
汚れの輪が大きくなったシャツを持ち
洗濯板のある洗面所へ向かって行った
・・・

初恋は、男の一生を左右する。

 アンドレ・モロワ 


格言、情景の描写以外
登場する人物などは
全てフィクションです
🙇‍♂️

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