アタッカンテに関して、今日はインザーギが2点目を上げたが、それ以外は特に目立っ た動きもなかったように思える。
これは、後述するが、カフーのセンタリングの精度 が低いため、インザーギにボールが集まらなかったためであると思う。また、トマソ ンは途中交代したが、彼も特に効果的に動いていたようには思えず、二人とも可も無 く不可も無くだったかと思う。また途中交代で入ったシェフチェンコもそんなに絡め た訳ではなく、放ったシュートは4-5本くらいだったかと思うが、ゴールマウスを捕ら えたものは一本もなかったように記憶している。
前半と後半でカカの動きが見違えるほど変わったのには驚いた。前半、カカはホント にボールに絡む回数が少なく、見事なまでに沈んでいた。たまに絡んだとしても、ミ スパスが非常に多く、寧ろミランの攻撃を自ら潰していたように思われるくらいであ った。しかし、後半開始早々カカがネットを揺らしたシュートはとても華麗なものだ った。攻めあがっていたミランのシュートをサンプドリアのディフェンダーが跳ね返 した。そのボールをピルロが飛び上がらんばかりに足を上げ、それをすぐ後ろにいた セードルフにパス。反す刀でセードルフは走りこんだピルロに1-2でパス。そのボール を即、ディフェンスラインの左裏に走りこんだカカにパスを出し、カカは右足のイン フロントでカーブを掛け綺麗な弧を描きながらゴールした。恐らくハーフタイム中に 何か指示があったのだろうが、その後も上がり目のポジションを取ったカカは前半の ピルロ同様にとても効果的な動きを続け、ミランの攻めの形を作り続けた。残念なが らカカが上げた得点が今日のミランの最終的な得点だったが、〝攻撃は最大の防御な り〟と言うのを文字通り実践した形で、サンプドリアには殆ど攻める時間を与えなか ったと思われる。
一方、攻撃で良くなかったのは、カフーだと思われる。ショートを除き、前半だけで センタリングを7-8本上げたと思うが、ピタリ味方に合わせられたのは1-2本だけだっ たかと思う。意味不明のミスパスも見受けられ、また本来右サイドバックであること からディフェンスの役割を担う必要があるかと思われるが、それすら担っていなかっ た。個人的には余り好きではないタイプである。
また同じくサイドのパンカロであるが、これもまた全体的に良くなかったように思え る。いや、確かに、攻め上がる回数はとても多かった。ミランが常に攻め上がる時間 帯を作ったのはパンカロが左から何度も攻め上がったためであるが、余りセンタリン グが上手くない。。これは致命的だと思う。2点目の得点シーンこそパンカロからのセ ンタリングだったと思うが、実際それだけだったと思う。どうしても、ペナルティー アークを越すようなボールが多かったりした感が否めない。パンカロもまたセンタリ ングの距離感を掴むのが下手な選手だと思う。正直、守備面に関しても、去年横浜で 見たトヨタカップの時の失点は、パンカロのポジショニングミスだったかと思うが、 僕個人としてはパンカロは外すべきだと思っている。いや、こればかりはアンチェロ ッティーの采配なので何とも言えないのであるが、、、パンカロはガゼッタデルスポ ルトが付けるような点数の付け方をする際に、評価が分かれてしまう選手ではないか と思う。僕なら低い点数を付けてしまう。。
また、ジーダであるが、失点はジーダが押さえに行った際に立ち上がるのが遅れた為 に奪われたのではないかと思っている。前半、サンプドリアのシュートを体を張って 止めたのであるが、このシーン、左から右のゴールエリアの角辺りで受けたパスを足 で止めた。左ポストの方を狙ってシュートを放ったのであるが、左ポストを背に右に ジャンプしたもののボールは左で仕方なく足で止めた感が否めない。飛ぶ方向が逆で はないか?通常、ゴールキーパーの基本的な動き方として、ニアを消すセービングが 求められたのではないかと思う。つまり、右ではなく、左に飛ぶべきだったのではな いかと思う。しかし、それ以外は比較的良かったかと思う。ジーダは試合前の練習が ホントに手の届きそうなところでやっていたのであるが、じっくり見れた。その際、 アップ一つ取ってもとても良い動きをしていたため、若干僕の試合開始前の期待値が 上がっていたのは否めない。
最後に、柳沢が後半20分に出場してきたが、酷かったと思う。いや、これは彼だけが 悪いのではなく、監督の使い方の間違いだと思う。フォワード登録なのかも知れない が、完全にポジションはMFである。それは全く彼の本職ではない訳であり、このまま では彼は今シーズンで日本帰国であろう。ボールの受け方、コースの取り方、ボール が無い時の待ち方、ディフェンスを引き連れるなどのスペースの作り方は全く酷いも ので、彼本来のアタッカンテとしての特性は全くと言って良いほど消されていた。GK のアントニオーリは、ボールをキャッチした後、ボールを蹴ってフィードすることは 殆どなかったと思うのだが、柳沢にパスを出したのは終ぞ一回だけであった。味方か らあたかも無視されているのでは、と思うくらいだったのだが、これは柳沢の待ち方 が悪過ぎたためだと思う。ミラニスタとしては今日柳沢に得点などされようものなら 暫く気分が悪いものだが、日本代表をこよなく愛す自分としては、柳沢の不調は寂し いものである。。
来週10日にはチャンピオンズリーグの2回戦がサンシーロであるのだが、大学院が忙し く恐らく行けそうにない。また来週は僕の記憶ではデッレアルピでユベントスとの事 実上の最終決戦があるのだが、これも流石に観には行けないので、観戦記は当分先に なるかも知れない。。ご容赦頂きたい。その代わり、ショートでミラノ生活や他のサ ッカー情報を伝えていければと思っている。今後も読者の期待に沿えるコラムを書い ていきたい。