第１１３話 ジキル博士とハイド氏

 ジキル博士とハイド氏について考えてみましょう。

自分が善人だと思っていたジキル博士が　自分の中にハイド氏のような悪人の人格を発見して悩みます。（薬を飲んで変身したという設定ではありますが　別人になったというより隠れていた自分の一部が現れたようです。）

博士は悪人でいることの快楽に抗し難い自分を発見するのですが　何度もハイド氏になることを繰り返しているうちに　ついに元のジキル博士に戻れなくなってしうのです・・・。

本来の自分だと思っているジキル博士という人格に戻るには　ハイド氏を抹殺する以外になく　それには自分を殺すしかない　と悟った博士は自殺することによりハイド氏を抹殺する・・・というわけです。

人生もある意味でこれとよく似た部分があります。それが自分だとは思いたくない人格・性格を自分の中に発見し悩むようになることです。それが人生のいわゆる「設定」というものです。

ですので　どんなことであれ　自分が望まない状態にあると思うとき 知っておくべきことは　そういう状態を認め許すために生きているんだなと気が付けばよいということのようです。
変えるとか抹殺するのではなく　許すことによって解決するという逆説的な仕組み・真理を学ぶのです。

実際　自我意識がこんな自分じゃなかったんだけどな～とか　こんな人生っていやだな～と思っている　まさにその状態を体験するために　わざわざ地球までやって来ているのです。
それに気が付かない場合は　自分は運が悪いのだ　正しく生きてこなかったから　こんな人生になってしまったと思いがちです。

しかし実はそれが魂の目的です。そんなこととは思わない人が　まだまだ多いのではないでしょうか。
確かにお釈迦様の言うように人生の四苦八苦は認めるが　この世で正しく生きれば　問題のない平穏な人生を歩めるはずだと　まだ多くの人が考えているのではないでしょうか。

その上に　人間は成長していくために　波動が必ずしも高くない自我意識というものを与えられて　それを使っていつも　すべてについて　良いとか悪いとか惨めとか　イチイチ評価判断をしていて　拒否反応し逆らってしまいます。そして深刻になります。

自我意識の目標は自分が成長することですが　それには
自我意識が　それを受け入れることが自分の成長に役立つと気づいて　否定的に思える人生体験を　前向きに受け入れるかどうかにかかっています。それを気付かせようとするのが魂です。　

もともと魂は　どんな体験に対しても　良いとか悪いとか一切の価値判断をしないで受け入れる性質（成長しているから）であることを知って　自我意識もそのマネができるよう　魂に近づくよう決めれば　魂はハッピー！　大成功！と喜ぶはずです。（魂というものに気が付こうが付くまいが　とにかくそうしてみることです）
win-winの関係。それが成長ということです・・・。　

また自分が　なんであれ問題を抱えているなら　そのことを直接解決しようとは思う必要はなく「体験」した時点で私たちの「この世の任務」は半分以上完了していることを知るべきです。そして後にさらに体験を増やし　遂に「それが自分だ」といずれ「受け入れたとき」すべてが完了です。

とにかくそれまでは　次の体験にどんどん進んで　さらに視点の異なるいろいろな体験を重ねるうちに　いろいろな自分が本当に受け入れられるようになっていることに　いずれ気付くのです。　

（続く）