権威におもねる人間は、権威を恐れる。
彼らは同時に、権威を恐れない人間を恐れる。
そうして、自分たちと同類ではないことを持って、
権威を恐れない人間を排撃しようとする。
だがそれでもなお打ち砕かれない人間を、彼らは賞賛する。
なぜか。
彼らは、そうした人間こそをリーダーとして求めているからだ。
現状を打破する力、未来を創造する力は、
権威におもねる人間にも、権威を誇示したがる人間にもない。
その力は、権威を断固として恐れない人間だけに許された資質だ。
権威を恐れない人間だけが持つ権威を、
人間存在としての権威、生命的権威とでも呼ぼう。
一人立ちて、なおほがらか。
それが本物の権威だ。
さて君は、
どうあろうとするのか。
人間は動物だから、利己的な本能がある。
自分が幸せになろうとすることは良い。
だがそれゆえに、自然界の掟すら無視する奴は虫けらにも劣る。
まして、他者に不幸や悲惨を押し付ける奴はアメーバにも劣る。
人間が人間たるゆえんは、他者の幸福を考えることにある。
人間の、地球の未来をイメージし、その実現のために行動することにある。
そうした人間こそを、リーダーと呼ぶ。
未来の創造者であろうとするかしないかは君の勝手だが、
未来の創造者でない人間は置いて行かれる。
まして未来の破壊者になる人間には滅亡があるばかりだ。
さて君は、
どうあろうとするのか。