メチャメチャ可愛い年下の女の子から、 『私が彼を殺した』(東野圭吾)の真犯人がわからなくて困ってる、と泣きつかれました。
――うむ、任せなさい。
約束したものの、けっこー悪戦苦闘しましたァ。
そのメール。
これって逆チョコだな。
なんでも流行の先端をいくよ、おれは。
(1)東野圭吾のテスト ←時間かせぎメール
テスト・メール、いきました?
日曜日(2月15日)まで待ってください。
(2) 『私が彼を殺した』(東野圭吾)/その1
ゴメンなさい、遅くなりました。
作者が設定した犯人は駿河直之です。毒入りカプセルを仕込んだピルケースと、雪笹香織から預かったピルケースを、駿河直之は礼服のポケットのなかですり替えて、ボーイにわたしたのです。
以下は、その推理――。
最後のページで、加賀刑事は、ジグゾーパズルが完成した、あとは最後のピースをはめこむだけと言って、捜査の内容を話しだします。
「ここに写っている品物(美和子のバッグ、薬瓶、ピルケース)の中の一点には、身元不明の指紋が付いていたのです」(p431)
最後のピースが残っていたとは、重大な疑問が1個だけ残っていた、ということです。「身元不明の指紋が付いていた」が、その疑問でした。「付いていて当然の人物の指紋」だったのだと。この「人物」を警察は知っています。読者は、『袋綴じ解説』のなかで「穂高の前妻の指紋」(教授)だと知ります。
前妻の指紋だと警察がわかった理由は、捜査の途中で、警察が前妻に会いに行ったからです。そこでいろいろ話も聞けます。なので、穂高との日々を思いだす日用品は、すべて駿河直之あてに送り返したことも話したでしょう。どんな日用品? もちろん穂高とおそろいで購入した、もうひとつのピルケースも。いうまでもなく、「身元不明の指紋」(=前妻の指紋)が付いたピルケースを持てた被疑者は、駿河直之しかいません。
駿河は、前妻のピルケースに毒物入りのカプセルを仕込んだが、どこで本物とスリ替えたのか。それを推理できたのは、駿河の奇妙な行動(というか、筆者の奇妙な記述)を覚えていたからです。
「(あずかったピルケースの)蓋を閉め、ポケットに入れてから周囲を見回した。すぐそばをボーイが通りかかった」(p148)
――以上が、一読したときの基本的な推理。
しかし、これだけでは、作品の枝葉と、東野圭吾作品の特徴がわかりません。そこで二回目を読んでみました。できるだけ慎重にね(笑)。
(3) 『私が彼を殺した』(東野圭吾)/その2
まず、毒入りカプセルの行方が気になります。
はじまりは16日の金曜日、昼間に、浪岡準子が買った鼻炎薬でした(p258)。自分が住んでいた目白(?)のマンション(p100)から、4キロも離れた薬屋で買った(p258)のは、カプセル12錠入りの瓶です。
準子は、ひと瓶12錠のカプセルすべて、中身を硝酸ストリキニーネに詰め替えたんでしょう。はじめは瓶ごとスリ替えるつもりだったのですね、きっと効果的ですから。その瓶を紙袋に入れて穂高の家までいきましたが、彼女は合鍵を持っていません(p78)。自由勝手に侵入して、瓶ごとスリ替えるわけにいかない。穂高の家に侵入できたチャンスは、5月17日・土曜日の午前中に、横浜からボルボに乗って神林兄妹が穂高の家を訪問したときからでしょうか。そのとき、玄関が開けられました(p30)。
いずれにしても、瓶が入った紙箱に準子は近づけなかった。瓶入りの紙箱は二階の書斎、窓際に置いた机(p50)の一番上の引き出しにあった(p52)。瓶ごとのスリ替えはできませんでしたが、みんなが二階に上がっていたのを確認してから、準子は家の中に侵入します。そして、一階リビングボードの引き出しにあるピルケースに、毒入りのカプセルを2錠、こっそり忍ばせます。ところが、だれもいないはずの一階に神林貴弘がいた(p425)。彼に見られていたことに準子は気がつかなかった。そして、この2錠は貴弘が手に入れます(p413、p419-p421)。
こうして、準子の薬瓶に残っているカプセルは、9個になっています。仕掛けた2個、失敗した1個の三個を消費して。その後、1個は自殺用に使われますから、準子なきあと、紙袋のなかにあった瓶に残っていたのは、8個です。
8個のうち、雪笹と駿河が1個ずつ抜き取ったとすると、残りは6個ですが、瓶のなかに警察が発見したのは5個です(p426)。ですから駿河はあと1個、合計2錠を手に入れたのです。1個は脅迫用に使い、もう1個は、前妻のピルケースに仕込んで礼服のポケットに隠しました。行動とカプセルの数が合います。
じゃ、雪笹は? 彼女は、ピルケースを駿河に手渡すことだけに神経を集中させました。駿河を使って殺させるのです(p379)。では、なぜ彼女も1個盗んだのでしょうか。その理由を、彼女自身が告白しています。「なんとなく」だと(p374)。女性ってやつは・・・(笑)。
神林貴弘は、結局のところ、ピルケースに近づくチャンスはなかったのでした。
(以上)
いつもありがとう。笑顔へのお返し。
幸せになってと祈ってます。じゃ、また。
※返事は、まだない。
が、とろけるようなキス以外にないはずだ。
こんなに努力したんだからっ!
てわけで読者のみなさまも、じゃまたね!!
――うむ、任せなさい。
約束したものの、けっこー悪戦苦闘しましたァ。
そのメール。
これって逆チョコだな。
なんでも流行の先端をいくよ、おれは。
(1)東野圭吾のテスト ←時間かせぎメール
テスト・メール、いきました?
日曜日(2月15日)まで待ってください。
(2) 『私が彼を殺した』(東野圭吾)/その1
ゴメンなさい、遅くなりました。
作者が設定した犯人は駿河直之です。毒入りカプセルを仕込んだピルケースと、雪笹香織から預かったピルケースを、駿河直之は礼服のポケットのなかですり替えて、ボーイにわたしたのです。
以下は、その推理――。
最後のページで、加賀刑事は、ジグゾーパズルが完成した、あとは最後のピースをはめこむだけと言って、捜査の内容を話しだします。
「ここに写っている品物(美和子のバッグ、薬瓶、ピルケース)の中の一点には、身元不明の指紋が付いていたのです」(p431)
最後のピースが残っていたとは、重大な疑問が1個だけ残っていた、ということです。「身元不明の指紋が付いていた」が、その疑問でした。「付いていて当然の人物の指紋」だったのだと。この「人物」を警察は知っています。読者は、『袋綴じ解説』のなかで「穂高の前妻の指紋」(教授)だと知ります。
前妻の指紋だと警察がわかった理由は、捜査の途中で、警察が前妻に会いに行ったからです。そこでいろいろ話も聞けます。なので、穂高との日々を思いだす日用品は、すべて駿河直之あてに送り返したことも話したでしょう。どんな日用品? もちろん穂高とおそろいで購入した、もうひとつのピルケースも。いうまでもなく、「身元不明の指紋」(=前妻の指紋)が付いたピルケースを持てた被疑者は、駿河直之しかいません。
駿河は、前妻のピルケースに毒物入りのカプセルを仕込んだが、どこで本物とスリ替えたのか。それを推理できたのは、駿河の奇妙な行動(というか、筆者の奇妙な記述)を覚えていたからです。
「(あずかったピルケースの)蓋を閉め、ポケットに入れてから周囲を見回した。すぐそばをボーイが通りかかった」(p148)
――以上が、一読したときの基本的な推理。
しかし、これだけでは、作品の枝葉と、東野圭吾作品の特徴がわかりません。そこで二回目を読んでみました。できるだけ慎重にね(笑)。
(3) 『私が彼を殺した』(東野圭吾)/その2
まず、毒入りカプセルの行方が気になります。
はじまりは16日の金曜日、昼間に、浪岡準子が買った鼻炎薬でした(p258)。自分が住んでいた目白(?)のマンション(p100)から、4キロも離れた薬屋で買った(p258)のは、カプセル12錠入りの瓶です。
準子は、ひと瓶12錠のカプセルすべて、中身を硝酸ストリキニーネに詰め替えたんでしょう。はじめは瓶ごとスリ替えるつもりだったのですね、きっと効果的ですから。その瓶を紙袋に入れて穂高の家までいきましたが、彼女は合鍵を持っていません(p78)。自由勝手に侵入して、瓶ごとスリ替えるわけにいかない。穂高の家に侵入できたチャンスは、5月17日・土曜日の午前中に、横浜からボルボに乗って神林兄妹が穂高の家を訪問したときからでしょうか。そのとき、玄関が開けられました(p30)。
いずれにしても、瓶が入った紙箱に準子は近づけなかった。瓶入りの紙箱は二階の書斎、窓際に置いた机(p50)の一番上の引き出しにあった(p52)。瓶ごとのスリ替えはできませんでしたが、みんなが二階に上がっていたのを確認してから、準子は家の中に侵入します。そして、一階リビングボードの引き出しにあるピルケースに、毒入りのカプセルを2錠、こっそり忍ばせます。ところが、だれもいないはずの一階に神林貴弘がいた(p425)。彼に見られていたことに準子は気がつかなかった。そして、この2錠は貴弘が手に入れます(p413、p419-p421)。
こうして、準子の薬瓶に残っているカプセルは、9個になっています。仕掛けた2個、失敗した1個の三個を消費して。その後、1個は自殺用に使われますから、準子なきあと、紙袋のなかにあった瓶に残っていたのは、8個です。
8個のうち、雪笹と駿河が1個ずつ抜き取ったとすると、残りは6個ですが、瓶のなかに警察が発見したのは5個です(p426)。ですから駿河はあと1個、合計2錠を手に入れたのです。1個は脅迫用に使い、もう1個は、前妻のピルケースに仕込んで礼服のポケットに隠しました。行動とカプセルの数が合います。
じゃ、雪笹は? 彼女は、ピルケースを駿河に手渡すことだけに神経を集中させました。駿河を使って殺させるのです(p379)。では、なぜ彼女も1個盗んだのでしょうか。その理由を、彼女自身が告白しています。「なんとなく」だと(p374)。女性ってやつは・・・(笑)。
神林貴弘は、結局のところ、ピルケースに近づくチャンスはなかったのでした。
(以上)
いつもありがとう。笑顔へのお返し。
幸せになってと祈ってます。じゃ、また。
※返事は、まだない。
が、とろけるようなキス以外にないはずだ。
こんなに努力したんだからっ!
てわけで読者のみなさまも、じゃまたね!!
なんかすっきりしましたーありがとうございます(^w^)
おやすみなさい★
めちゃめちゃすっきりしました!
どのサイトより、納得できる解説でした^^
ありがとうございました♪
なんだかスッキリしました。
ありがとうございました。
ええ、どの男よりも良かったっすよ。
僕、男ですけど(;・∀・)
しぃなさんも、インフルに気をつけてください。
(あー、クソ!)