◆書く/読む/喋る/考える◆

言葉の仕組みを暴きだす。ふるい言葉を葬り去り、あたらしい言葉を発見し、構成する。生涯の願いだ。

『プロのドライバーから聞いた高速道路で追突されない方法』

2014-09-08 03:07:26 | タクドラ日記
偶然こんな記事に出会ったので、補足のつもりでメモしておく。こっちも「プロ」と呼ばれる人種(でしかないタクドラ)なので、なおさら。

 ※『プロのドライバーから聞いた高速道路で追突されない方法』
  

この記事では、前方が見えない道なら減速するのが基本だと述べられている。そう、それが基本なのだ、高速道路にかぎらず。たとえば東京にはタイコ橋が多い。道が盛り上がっていて、向こうが見えないタイプの橋だ。こんな道路を走るときは、たとえ直線コースでも向こうが見えるまで減速しているのが基本だ。向こうになにが落ちているかわからない。倒れた自転車と一緒に人も倒れている場合がある。とくに東京みたいに人と車が多い場所なら、「だいじょうぶだろ」って軽い考えは捨てたほうがいい。最悪の場合を想定してるほうが、むしろ現実的なくらいだ。嘘だと思うかい?

向こうが見えない道路は減速する――これが基本中の基本だ。

ところが、その前にやっておくことがある。まず急ブレーキを踏むかもしれない先行車から車間距離を空けておく。何もなさげに先行車が走り抜けたら、まずソコは安全なのだ。問題は自分が先頭で走ってる場合。

質問するけど、
「向こうが見えない道路は減速」したとして、実際にその向こうに人が倒れていたらどうする? 急ブレーキを踏む? それで間に合う? それともムチャクチャ減速しておく? 後続車が追突しない? ハンドルで逃げる?

こんな場合、じつは急ブレーキを踏んでハンドルで逃げる以外に方法がない(注1)。逃げるためには、左車線を走っていたら右側に、右車線を走っていたら左側に、最低1台分のスペースを見つけておく必要がある。ところが東京じゃ右車線も左車線もぎっしり車が詰め込まれたように走ってる。車間距離を空けようとすると、すかさず横から割り込んでくる。東京の交通事情がどんなに危険一杯かわかるというものだ。

しかし時間帯やタイミングによって車間距離が取れたり、左右のスペースが確保できる場合もある。そんな場合には、ぜひ試みてくれ。というより、左右のフェンダミラー(ドアミラー)を眺めるクセがついたら、それだけでも事故率は減る。

(注1)普通のブレーキは急ブレーキを踏んだらタイヤがロックして車は直進し、ハンドルは効かない。この点、ABS搭載車は急ブレーキを踏みながらハンドルも使える。ただ雪道では役に立たない。

生存のご報告など

2013-11-24 16:30:45 | タクドラ日記
しばらくブログを顧みなかったあいだに、gooもちょっと変わったみたい。設定してたテンプレも反映されなくなってるし。まあ、昔からgooには気難しいところもありました。

しかし、おれも数独の報告なんて、難しいことを始めたものだ。やってみて分かったけど、すごく面倒くさい。面倒くさいから、しばらく放置してると、どうやって解いたか分からなくなる。だったら問題を紙に写して、もう一回、はじめから解きなおせば、ってなるんだけど、放置した問題が上級問題なので、そうやすやすとは解けない。<(⊙⊙)>オイオイ!

こんな循環で、長い間、放置しつづけました。数少ない読者のみなさま、申し訳ございません。とりあえず、生きてます。


数独、悪戦苦闘(3)

2013-09-23 19:53:26 | タクドラ日記
 つぎの上級問題を解きました。そのなかでも難しめのを選びましたが、お蔭で数独の新しい解き方にいろいろ気がつきました。

(1)問題
  
 ※「ポケット数独8上級編」(ソフトバンク・クリエイティブ)、問題102(p109)


(2)解き方1
 基本の解法「進入禁止」では、ほとんど数字がうまっていきません。我慢して埋めれるだけ埋めました。ザッとした解法では、これだけ(次図、黒字)しか埋まりません。しかし同じブロック内で、「ココまたはココ」みたいな二者択一の可能性はいくつか見つかります。これは、この後もっと詳しく調べる必要を示していますので、途中で何度も同じ検討を繰りかえさないようにと、空欄のマスに小さな添え字を書き入れました。それが次図。ただ、「ココとココとココ」みたいな3つの可能性には添え字を省略しました。



 この図で左下のブロックにおける空欄のマス(2,2)と(3,2)には、添え字3と5がペアを作っています。この意味は何かと考えてみました。数字「3」と「5」は、たしかにここにしか入りません。とすると、同じブロック内のことですから、たとえば一方に「3」が入れば他方に「5」が入るほかありません。この添え字のペアは、そのような特別のペアなのです。このペアをアンド・オアのペアという意味で、3/5とチェックしておくことにしました。
 じつは、(4,6)(4,9)(5,6)(5,9)の4個の添え字2にも、よく似たことが起こっています。数字「2」の位置がひとつ決まると、他の「2」のマスも決まります。ですが、特別な記号は使いませんでした。




<書きかけ>

数独、悪戦苦闘(2)解法1

2013-09-03 01:51:34 | タクドラ日記

【3】解法

盤面のマス位置を表すため、ユークリッドのX軸・Y軸を導入します。盤面を第一象限に置き、各マスを(x,y)と表します。下の例では、盤面左上のブロックにある数字3と2のマスは、それぞれ(1,9)、(3,9)です。同様に盤面右下のブロックにある数字5のマスは、(9,3)と表します。

1.まず数字の順序から、「1」に注目しました。使った解法の99%は「進入禁止」です。

 「進入禁止」を説明します。

上の問題図のうち、下部のブロックに属してる2個の数字「1」、すなわち(4,3)と(9,2)に注目しますと、それらが属してるブロック内とともに、ピンクで囲んだマスの全部は、他に数字「1」が入れない「進入禁止」区域になります。この考えを利用して、(1,3)と(7,8)の「1」(赤字)が確定しました。

問題に与えられた「1」と自分で確定した「1」を使って、「進入禁止」を繰り返し利用しますと、9個のブロックすべてに「1」が確定し、「1」は終了しました。
 ※青字の「1」はそれまで自分で確定した「1」を、赤字の「1」は新しく確定したもの。



2.「進入禁止」をくりかえし使って、数字を埋めるだけ埋めていきます。その場合、各ブロックごとに考えていくのがわかりやすかったです。まず「2」では成果なしですが、「3」以降には有効です。途中、「5」の位置を求める場面で、次のようなケースに遭遇します。真ん中ブロックの空欄、すなわちブロックに残された空欄のマス(5,4)には「5」が入ることはわかりやすい。



3.こうして数字を埋めていきますと、最後の「9」でちょっと首をひねりました。次のような場面です。ここまで順調に「進入禁止」は役立ちましたが、「9」では2個のマスが候補として見つかるだけで、位置が確定しません。ところが以下の盤面で奇妙なことが起こっていました。(8.2)の数字「9」に縦方向の「進入禁止」地帯を適応しますと、右上のブロック、数字「8」の上下2個のマスが「9」の位置候補になっています。どっちにしろ「9」が入るのだから、この位置候補はひとまとめで下側に「進入禁止」地帯を作ります。こうして(7.6)のマスには「9」が入るとわかります。
これ以上は「9」も無理です。では、次にやることは?もちろん、この問題では「進入禁止」です。解き始めとは数字の環境が変わっていますから、また「1」から順に見ていきました。



4.ついに解答にたどりつきました。



5.反省:この問題では、「進入禁止」がほとんど唯一の解法手順でした。なので、「進入禁止」は数独の基本的解法だとわかりますし、それだけで解けるこの問題は「基本問題」中の「基本問題」だとわかります。

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数独、悪戦苦闘(1)

2013-08-29 08:34:12 | タクドラ日記
たまに数独の問題を取り上げます。その悪戦苦闘の軌跡を!!(ー_ー)オオーン・・・

まず、数独の紹介。
1.歴史
 ※参照:WikipediaWeblio辞書数独とナンプレの歴史
数独は、数字で空欄をうめていくゲームのひとつです。そのようなゲームの歴史は古く、18世紀のスイスに「ペンシルパズル」として見られるそうです。いまのような形に完成されたのは米国、1979年のことだったとか。新聞か雑誌のオマケだったみたいです。

2.数独の例(初級~中級)
 ※Wikipediaより。
数独では、以下のような正方形の盤面が問題として出されます。盤面は9×9=81個のマスから構成され、そのマスには1-9のうち、いくつかの数字があらかじめ与えられています。それらの数字が解答の手がかりです。


3.ルール
 ※参照:Wikipedia
要は、残りの空欄(マス)に1-9の数字を当てはめるゲームですが、簡単な制約条件があります。
 ・縦列、横列に同じ数字を使わない。
 ・盤面を区切る合計3×3=9個のブロック内では、同じ数字を使わない。
たとえば、次の赤い数字「2」の配列は違反を犯しています。この違反に気がつかないでゲームをつづけると、繰り返される違反に嫌でも気づくか、空欄(マス)をうめる数字がなくなってゲーム・オバーになります。



 →数独、悪戦苦闘(2)へ

 ※ご参考までに、上の問題例の解答。
  初級問題のうち、むずかしいほう(笑)。





風立ちぬ

2013-08-12 02:25:37 | タクドラ日記
 内田樹先生もすなる『風立ちぬ』の感想文といふものを、こちらもしてみむとてするなり。鑑賞後の印象がずいぶん違うのは、ひとりひとり違うはずの「取りつく島」(内田ブログ)のためである。

 のどかな田園風景のなかで育った堀越少年は、飛行機を操縦して、風のなかを鳥のように自由に空を飛ぶ。それが夢だった。やがて少年は東京帝国大学に学び、機械メーカーに就職して、戦闘機の開発・設計にたずさわる。ときは昭和、日本が太平洋戦争に突入していった時代。その途上、堀越青年は菜穂子と結婚する。彼女とは学生時代に知り合った。そう、あのときも風が吹いていた。それが二人の出会いを運命づけたのだ。

 ※『ノルウエイの森』(村上春樹)の直子も菜穂子と同じく高原の療養所で暮らした。

 やがて、結核を患っていた菜穂子を失う。基地に立ち、自分が設計を主導したゼロ戦は「一機も帰ってきませんでした」と語る堀越二郎の足元に、風が吹いてきた。

 ときと運命のなかで、人は切なく生きていく。生きなければならない、それが運命ならば。さあ、今こそ私たちも口ずさむときだ。
「風立ちぬ、いざ生きめやも」

橋下氏の慰安婦発言撤回求める 新座市議会が決議

2013-06-04 21:12:23 | タクドラ日記
この動きがもっと広がればいい。

「橋下氏の慰安婦発言撤回求める 新座市議会が決議」
 埼玉新聞
 決議は(1)橋下発言は全女性への冒涜(ぼうとく)(2)慰安婦制度が必要だという持論を繰り返している(3)戦争遂行のためには女性の性を利用するのは当たり前など、女性を道具のごとく扱う人権感覚は公職に携わるものとしてふさわしくない―などと指摘。「猛省を促し、発言の撤回と謝罪を求める」としている。

 同議会の超党派の女性議員7人が提出。全議員26人のうち、みんなの党所属の2議員ら男性議員3人が退席して採決に加わらず、議長を除く22人が賛成した。





日本の政治とアベノミクス

2013-04-01 10:38:41 | タクドラ日記
2009年の政権交代選挙(総選挙)による民主党の圧勝は、日本の政治を変えたか。
あれ以来、どの政党も国民に希望と夢を熱く語るようになった。

そのうえ崩壊した民主党政権は、次のことを国民に教えた。
語った希望と夢の多くは実行されず、過去の政治に立ち戻るばかりだと。

アベノミクスの行く末は?

グーグル・リーダーの終了

2013-03-14 15:16:03 | タクドラ日記
 グーグルは、2005年に公開したGoogle Readerを7月1日に終了すると発表した。いま筆者が使っているグーブログも、数年前に自社独自のリーダーを廃止した。だからどうなんと思われる方もいらっしゃるだろうが、自分が集めた膨大なブックマークが一挙に失われるとしたら、どうだろう。ウエブで金儲けしていないし、命もかけてないが、親しみあるウエブ情報が脳内から削除される経験は、通常の態度では受け止めにくい。

 グーグル・リーダーにしてもグー・リーダーにしても、従来「ブックマーク」「お気に入り」と呼ばれてきたウエブ情報の集積ソグトの一種である。一般に「RSSリーダー」と呼ばれ、個々のウエブが特種なXML言語によって作成した情報の要約(RSS)を読み込む能力を持っている。

 ※XML言語=データ内容をネット用に再構成するHTML言語の親戚。
 ※RSS=Rich Site Summary。ウエブの要約を記述したXML言語。

 従来のブックマーク式に比べると、RSSリーダーは画期的な機能を持っている。ブックマーク式では、一個一個のウエブにアクセスして、個々のウエブ・データを読み込んだものだが、RSSリーダーでは集積したウエブの要約が一挙に読み込まれ、自分のPC画面に表示される。データ更新の有無まで知らせてくれる。

 ところが、このRSSリーダーにも欠点がある。

 1.ごく少数、XMLを使わないブログがあり、そこは読めない。
 2.ブログを使わない多くのHP形式は、XMLに対応していない。

 そして、今回のようなリーダー・サービスの廃止である。

 万能に近いから頼る。頼るから、廃止はデータの全面消去に等しい。救済策はあるのだが、優れたサービスをうたって客とデータを集め、ある日、そのサービスを一挙に廃止するのは、オレオレ詐欺にも匹敵するんじゃないのか!

 ※他のRSSリーダー
 ・RSSリーダーを比較して紹介

 他に、IEにもリーダー・サービスがあるらしい。ご参考まで。

ちいさな乗客

2013-03-05 13:44:04 | タクドラ日記
 深夜2時ごろ、マンションの陰から小さな人が手をあげたんだ。そうなると脊髄的に停車するわけよ、タクシーって。目が病気になるくらいグワッと広域的に視線を走査させてる。ネズミが足あげただけで止まる。手をあげたホームレスを乗せて、無賃乗車を喰らった話はあっちこっちで聞く。

 ドアを開けると、ピンクのダウンジャケットを着た8歳くらいの女の子だった。
 「新宿駅まで急いで行って、お願い!」
 室内灯の明かりに浮かんだ女の子の顔をみて、ほんとうに急いでいるのがわかった。
 でも、ひとつ大事なことがある。
 「お嬢ちゃん、運転はお任せ。だけど、おカネ持ってます?」
 「あっちでママが待ってる。ママが払うわ」
 「オケ、信じる。高速に乗るよ?」
 「そのほうが速い?」
 「トリモチ、焼きモチ、あんころモチ!」
 「なにそれ?」
 「もちろんってこと」
 「ははは、面白い運転手さん」

 高速道路をかっ飛ばした。
 おれはカーブが連続する高速道路を見つめている。
 女の子は後ろのシートに貼りついている。

 新宿まで1/3くらい走ったころだ。後部座席から、子犬が鼻を鳴らすような声が聞こえる。クンクン・・・・・。その声は、やがて泣き声に変わった。ママが大切にしている花瓶でも割っちゃったか。夜が淋しくて眠れなかったか。でも、この泣き声は・・・・・。
 なにかを反省する声じゃない。なにかを求めるわけでもない。とにかく、一刻も早く新宿駅へ。トラックを追い越した。カーブで乗用車を追い抜いた。追い抜いた車のライトはバックミラーのなかで小さくなっていく。覆面じゃない。

 後部座席の泣き声がつづいている。突然だった。

 おれの目から涙があふれだした。制服の袖口でふいても、つぎつぎあふれだす。喉から嗚咽までこみ上げてきた。ぜんぜん前が見えない。あわてて減速。
「お嬢ちゃん、ゴメン。そんなに泣かれちゃ、おじさんも悲しくなる。涙で前がみえなくて、運転できなくなっちゃう。ちょとだけ我慢してて!」
 泣き声が子犬の鼻に変わった。その鼻をかんで、静かになった。おれはアクセルを踏み込んだ。

 女の子が話しかけてきた。
「運転手さん、ゴメンなさい」
「ありがとう。もうすぐだからね」
「パパがね」
「パパより、おじさんの運転は荒いだろ。大丈夫?」
「うん、大丈夫。パパがね、死んだらしいの」

 さっきママから、パパが死んだと連絡があったらしい。自宅に待機していた女の子は、急いでおれのタクシーを拾った。そんな事情だったと聞いた。新宿駅に着くと、女の子のママが待っていた。その目も泣きはらしたように充血していたと思う。暗かったので、はっきり見えたわけじゃない。

 帰りも同じ高速を使った。死因はなにか、遺体の安置場所は、そんな疑問に胸は焦がれたけど、興味本位で訊けることじゃない。女の子のパパは死んだ。あの子の泣き声が蘇えってくる。ピンクのジャンパーに包まれた小さな人間の背なかに、知らずにすむはずだった死の影が覆いかぶさる。

 あの日を忘れないうちに、書いておく。

<了>


『コラテラル』

2013-02-10 06:39:36 | タクドラ日記
 WOWOの『コラテラル』をみた。その導入部分がすごい。出庫まえ点検するタクシーが車庫にひしめいている。主人公の運転する一台のタクシーが出庫していく。そこには「000・・・」と表示された料金メーターが赤く灯っている。客との会話もリアルでいい。つい涙ぐんだ。

 暗殺請負人を乗せたところから、物語は通常のタクシー世界を離れ、運転手を巻き込んだアクションが始まる。 主演が行動派のトム・クルーズ、個性派のジェイミー・フォックスなので見せる部分も多いのだが、それにしても、本邦のタクシー物語は小説もふくめて酷すぎる。

 運転手に、「タクシーは12年やってるが、腰掛だ。ほかにやりたいことがあるんだ」
といわせる。社会の底辺に生きる運転手とタクシーを見つめる視線に優しさを感じる。本邦の物語とは大きく異なる点だ。■



茂木健一郎さんの「軍隊と、国の繁栄」

2012-11-25 07:05:32 | タクドラ日記
またまた茂木氏の引用です。迫りくる総選挙にたいする問題意識が率直に述べられ、賢者のみなさんには、ぜひとも参考にしていただきたい一文。拡散を意図して。


(引用はじめ)
しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!
kenichiromogi 2012/11/25 05:24:14


連続ツイート第785回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、「分析系」ツイートです。


自民党が、憲法改正案で、「国防軍」を明記した。どの国にも、Department of Defenseは存在するし、militaryもある。だから、この草案自体は国際的な常識に沿ったものと言える。とりわけ賛成もしないが、突出しているとも思わない。気になるのは、他のことだ。


  ※Department of Defense;国防総省(DOD)。ここでは国家の安全を担当する部門でしょう。
  ※military;軍隊、軍事力。


日本の発展のための、どんなヴィジョンを描くか。自民党に限らず、この点にこそ注目する。そして、ここは是非とも押さえておくべき点だと思うのだけれども、明治維新の後に日本が辿った「富国強兵」のように、軍事力を整備して「普通の国」になることは、今や日本の発展には直結しない。


主権国家として、領土を守ることは基本である。一方、領土問題は、お互いに自分が正しいと信じる「認知的失敗」(cognitive failure)の典型例。軍事力は、抑止力にはなっても、紛争解決の最終的な手段にはなり得ない。領土問題が顕在化することのマイナスの方が大きい。


  ※認知的失敗;「どちらも自分が正しいと信じる、認知的失敗はなぜ起こるのか」を参照。


明治以降の日本の「富国強兵」で軍事力を強化することと、日本の発展が軌を一にしたのは、当時が帝国主義の下、列強が植民地獲得競争を繰り広げていた時代だったから。すなわち、軍事の強化は、資源や市場を獲得するという「経済行為」の側面もあった。その時代はとっくに過ぎている。


人間は、存在の不安に直面すると、保守化する傾向がある(mortality salience)。日本が不調だと、伝統的な価値観に回帰したり、愛国心に訴える動きが必ず出てくる。しかし、時代は変わりグローバルなネットワークを通した結びつきを強化する以外に、繁栄の方程式はない。


  ※mortality salience;阿修羅記事より「死の顕現化」[死を思い浮かべること」
  ※M's Labo

貧すれば鈍する。鈍すれば貧する。今後の日本の発展にとって必要なのは、グローバルに異質な他者とも結び合い、「かけ算」を通して付加価値の生成を行うopen dynamic systemとしての国のあり方。すべての道は、日本に通じる。そのためには開いておかねばならない。


  ※一般に、外部に開かれた動的システム?

近代日本の悲劇は、「普通の国」に追いつこうとし、追いついたと思ったら、世界はもっと先に行っていた、という点にあった。富国強兵で列強のマネをしたら、世界はもっと先に行っていた。今、軍隊を持つ「普通の国」になろうとしても、世界の文法自体が先に行ってしまっている。


自衛隊を「国防軍」とする憲法改正自体は、先にも述べたように突出しているとは思わない。より深刻なのは、今日のグローバル化した世界で、ネットワークを通して付加価値を生み出すという現代のethosを理解し、ヴィジョンを打ち立てる政党があまり見当たらない点にある。


  ※ethos;社会集団・民族を支配する倫理的な心的態度。pathosに対立。


グーグル、ユーチューブ、ヤフーは外国生まれのアメリカへの移民によって創業された。スティーヴ・ジョブズの父親はシリア人。現代の国家運営は、サッカーのクラブチームに似ている。世界中からタレントをかき集める。そんな時代の気分を正しくつかんだ政党に、投票したい。


以上、連続ツイート第785回「軍隊と、国の繁栄」でした。
(引用おわり)


茂木健一郎氏の「鳩山由紀夫さん、ありがとうございました」

2012-11-21 10:01:40 | タクドラ日記
たびたび茂木健一郎氏のツイッターまとめですが、なかなか示唆に富んだ一文でもあります。多くの良心的な人々に拡散したい意図をもって引用させていただきます。

  ※出典:togetter
  ※ブログ用に編集済み

(引用)
しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

連続ツイート第782回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日引退を表明された鳩山由紀夫さんへの感謝の念を込めて。

政治というものは、政策や意見の違いがあるものである。当然、論争の時は激突する。しかし、それが終われば、人間としての温かみに戻る。争った対立候補に祝福の電話をかけ、引退する政敵には感謝とねぎらいの言葉を伝える。これが、人間としての本道というべきものだろう。

鳩山由紀夫さん、あなたは、スタンフォード大学でPh.Dを取得した科学者です。「政治を科学する」というスローガンで、出馬されました。今思えば、なんと先見の明のある言葉だったことでしょう。政治が扱う、経済や福祉や外交などの諸条件を「科学する」必要は、ますます増しています

日本は長年の自由民主党による政権が続いていました。政権交代こそが民主主義の血肉。その意味では、一人前の民主主義の国とは言えなかった。2009年の総選挙。鳩山由紀夫さんは、民主党を率いて、戦後初めての本格的な政権交代を実現させました。その功績は、憲政史上に燦然と輝きます。

内閣総理大臣となった鳩山由紀夫さんは、沖縄の普天間基地の移転について、「最低でも県外」を目指したいと表明された。過大な負担を強いられてきた沖縄の人たちにとって、初めて自分たちの親身になってくれた首相と認識された。それが、鳩山由紀夫さん、あなたでした。

普天間基地を県外に移転するというヴィジョンは叶わなかった。しかし、鳩山由紀夫さんが、首相として、沖縄の負担を減じようと心から思って努力されたことを、沖縄の人たちは感謝していると聞いています。実際、鳩山さんが首相を辞められた後に沖縄入りした時は、批判よりも歓迎が多かった。

首相を辞められた後も、鳩山由紀夫さんは、人と人を「つなぐ」友愛の精神を貫かれました。たとえば、首相官邸前に、脱原発を求める人たちが集まっていた時、鳩山さんは官邸前から官邸内へと自ら歩いて「つなごう」とした。ノーベル平和賞を受けたEUの元となった「友愛」を実践された。

  ※2012年のノーベル平和賞はEUが受賞

鳩山由紀夫さんは、元首相としての立場を活かし、外交の場でも活躍されました。核開発の疑惑が指摘され、欧米諸国から制裁を受けるイランを訪問し、平和的な対話の道を開かれようとした。映画監督キアロスタミを生み出した文化の国イランが、一方的な悪者であるはずはありません。

  ※アッバス・キアロスタミ
  ※イラン政府、アカデミー賞をボイコットへ

緊張が高まっている東アジアを巡っても、「東アジア共同体」の構想を述べられた。かつて、ヨーロッパでもドイツとフランスなどは本当に仲が悪かった。それがEUになっている。現代において、紛争を解決する手段としての「戦争」には意味がない。鳩山由紀夫さんのヴィジョンは人類史的です。

2009年のマニフェストによって政権の付託を受けた民主党がその道から外れようとした時、鳩山由紀夫さんは筋を通された。世間からは誤解されることもあったとは言え、鳩山さんは最後まで、プリンシプルを貫かれた。これからは、議員という立場を離れて日本と世界のためにご尽力下さい。

以上、連続ツイート第782回「鳩山由紀夫さん、ありがとうございました」でした。鳩山由紀夫さん、長い間、本当にお疲れ様でした。日本と世界のためにあなたが努力して下さったこと、決して忘れません。

茂木健一郎さんの小沢一郎さん起訴に関するツイート

2012-11-15 16:08:10 | タクドラ日記
以下に引用するのは、いまから約2年前( 2011/01/31ごろ)に茂木健一郎氏によってtwitterに投稿されたものである。なんと、驚くのは、そこに再現されるものが2年後の現在とまったく相似形、というよりほぼ合同であることだ。この2年間で、日本の民主主義はほとんど何も変わっていない。この驚愕する事実を茂木氏を通してお知らせしたい。

  ※Togetterから引用
  ※ブログ用に編集済み

(引用開始)
いや~ん、バ菅~! 菅首相はぶら下がり取材に応じ、小沢元代表の強制起訴を「残念だ」とした上で、なおも小沢氏が国会で説明する必要があるとの考えを示しました。

今日は夜も仕事でテレビのニュースを観る暇ないけど、だいたいどういう感じが予想できる。そこで、茂木健一郎の、ズバリ予想、今晩のニュース、行ってみよ~!

今晩のニュースは、どうせこう->アナウンサー(重々しく)今回、小沢氏が強制起訴されたことで、政治とカネの問題が、改めてクローズアップされることになりました。今後、小沢氏の離党や議員辞職を求める声が強まりそうです。(ここまでで10分浪費)

今晩のニュースは、どうせこう->ここで、街の声を聞いてみましょう。「小沢氏が強制起訴されたことについてどう思いますか?」「もごもごもご」「政治家たちにこの声が届くといいですね。」(さらに5分浪費)

今晩のニュースは、どうせこう->続いて、エジプトです。日本人観光客のみなさんが、空港で足止めになっています。無政府状態、心配ですねえ。次に、サッカーの話題です。(ここまで、1分)

ああ、せっかくニュースの内容予想したのに、見られなくて残念だ。でも、ネットがあるからいいか。さあ、仕事、仕事。桑原茂一さ~ん!

小沢一郎さんの「強制起訴」に関するニュースを見ていると、日本はやはり「集団発狂」しているとしか思えないなあ。あっそうか、日本というよりも、日本のメディアか。ジャーナリストがいないからね。 http://bit.ly/hman4k

けじめをつけるのは自分たちの方だと思うよ。ほんと、ひどいファシズムだなあ。国連人権委員会の人に英訳読んでもらったらいいよ。 http://bit.ly/iibfKe

あのさ、日本の新聞の政治部の人は、記者を、欧米のジャーナリズムの大学院とかに年間何人か留学させたらどうだろう? 今から体質変えて置かないと、ほんとうに、心ある人たちに見捨てられるよ。

日本の新聞ってさ、記者たちが匿名で記事を書き散らす点において、彼らが忌み嫌っている匿名掲示板と何も変わらないじゃないか。批判の対象者は身体を張っているのに、自分たちは匿名。卑怯なやつらだなあ。

朝から憂鬱。「強制起訴」が、法の精神に照らしてどのような意味を持つのか、適正手続きとは何か、プリンシプルに照らして自省するそぶりさえ見せず、ヒステリックに「空気」をつくる「愚者たち」がマスメディアに居座っている。これじゃ、戦前と何も変わらない。

希望は、ものを考えている人もいるということ。絶望は、道理に従わず空気に従う「愚者たち」が日本の教育制度の中で量産され、彼らが「エリート」としてマスメディアを牛耳ること。ネッの言論を強化し、「愚者たち」が日本を乗っ取る現状を変えねば、この国は本当に危うい。

世の中に「愚者」がいるのはかまわないが、彼らがマスコミという「限られたリソース」を支配しているのは国難とも言える状況。一番不気味なのは、「異論」が代表されていないということ。みんなが同じ「空気」をがなり立てるだけなら、テレビなんて一局でいいし、新聞も一紙でいい。

なんだ、今朝の「天声人語」は? 「強制起訴された氏は検察嫌いの上、素人の検審が新聞やテレビに流されたと思っているのだろう。」「ああ犬も食わない権力劇である。」。。知性ゼロ。底意地の悪さ全開。幼稚園レベル。

告発した「市民団体」や、検審に参加した「市民」を、「市民」と一般名詞で書くのやめないか。少なくとも前者については、どこの誰がどんなバックグランドで告発したのか、明らかにすべきだろう。「市民」という言葉で、偽りの無謬性、匿名の卑劣が醸成される。

有田芳生さんのブログに引用されている言葉が、今回の事態の本質をついている。「ひとを罰しようという衝動の強い人間たちには、なべて信頼を置くな!」(ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』)

今朝の朝日新聞、若宮啓文氏のコラム「小沢氏の強制起訴」。ロジックなし。ヴィジョンなし。曖昧。意味不明。その左頁の「エジプト鳴動」についての4つの読み応えある論考との対照が眩しく、痛々しい。若宮氏個人の資質というよりも、日本の政治を語る文法の劣化だろう。求む政治部全取っ替え。

日本の新聞の社説がいかに「気持ち悪い」かは、英訳で読んでみるとよくわかる。うわーって感じ。ネイティヴで、翻訳の仕事している人たちは、意味不明の文言の英訳をやらされるので、大いに不満が溜まっている様子。 http://bit.ly/eQaWSo
(引用終わり)