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医療費削減の話2

2021-10-01 12:51:00 | 科学技術
 医療費削減を劇的に減少させたかったら定期健康診断をやめれば良い。
 定期健康診断は早期発見早期治療を目的に実施されている。
 しかし,医療というのは,前にも書いたが対照実験が出来ないので,早期発見早期治療が本当に正しいのかはわからない。感覚的には怪我をしたら早めに治療することに越したことは無い。外部的に引き起こされる怪我については,それで正しいだろうと当然に思われる。
 しかし,内科的なものについては,本当にそうなのかは疑問が残る。例えば「がん」は同じ人をステージⅠに手術した場合,ステージⅡの場合,ⅢやⅣの場合と分けることは出来ない。
 手術の方法も外科的に摘出する方法や放射線を当てる方法,今は音波の方法も研究されている。どの時点のどの施術がその人にとってベストなのかは,本当のところはわからない。
 もちろん医者は早期発見が一番良いのだというが,それを証明するのは難しい。
 今日本では全国がん登録といって「がん」になり病院で何らかの治療を受ける人たちの情報を集めている。全国で「がん」の治療をする人の情報が集まっている。
 そのうち統計的に何らかの情報が出てくるであろうとは思うが,統計を恣意的に解釈することが無いとも限らない。
 例えば最近この情報を元に日経新聞が治療成績の良い病院と悪い病院の差が2倍ぐらいあると報道した。週刊現代がさらに後追いで深掘りして取材していたが,実際の話を聞くと治療成績の良い病院は状態の良い患者だけを手術して悪い患者は転院させているところが多いという話だった。
 状態の悪い患者は,治療成績の悪い病院が引き受けていて,そこは主に緩和ケアを中心に治療をしているため,どうしても治療成績が悪くなるという話だった。
 場合によっては地域の最後の砦となっている病院でもあるようだ。
 表面的な統計だけでは実際のことはわからないことも多いので統計を取るのは良いが恣意的な解釈はやめていただきたい。
 定期健康診断を受けたために,病状を”発見”されて,良い治療をして生活の質を下げてしまったという話も良く聞く。実際は治療しなかった方が良かったのでは無いかと後悔している話もよく聞く。回復具合は本人の体力などの影響するのだからある一定の年齢に達したら出来るだけ手術は避けた方が良いのでは無いかと思う。80歳の人間が手術して,寿命が5年延びたとして,その間管につながれっぱなしであるなら,それは本当に正しいことなのかよく考えるべきであろう。
 もちろん健康診断をしたい人もいるだろうから,それは実費を払ってすれば良い。しかし,健康保険料を使ってまで定期健康診断をする必要は無いのでは無いかと思う。