路傍の人

なぜかと　問う言葉は　

ほしくない

聞きたくない




説明のつかない不安が

黒雲のように　広がり始め

おたおたと　惑う心に

なんの　説明が出来ようか





本当のわけを訊きたくば

野に走り　山に登り

森羅万象を司る

大きな手を持つ彼に訊いてみて・・




そもそも　花がこの世に生い立ちたる

瞬間から　

花のいのちは　決められているように




惑い　苦しむ心の置き所は

私を　この世に生かせている

おおきな手に　委ねられている




現実の時間が　ゆくりなく流れる合間に

著名人の訃報を　立て続けに知らされて

あっ　そう・・　ですむ人もいるだろうが




ただの　路傍の人でしかないのだけれど

目の奥に　溢れんばかりの涙をためて

心の奥に　哀愁の思いが沸々と湧き




耐えがたき痛みが　

時を止めてしまうほどに

親身の感情を持つ

ただの路傍の人もいることを

覚えていてほしい




私が　その路傍の一人であることを

知ってほしい

エゾマツ
花言葉　不老長寿、永遠の若さ、勇敢、向上心

時の色が変わる

心を澄ませていると　時間が

色を変える瞬間に　気づくことが多い

色を変えて　迫ってくる時間を

受け入れられない心は

哀しみ色をして

竦（すく）んでしまう




哀しみ色になった心が

山奥の湖の水面のように

周りのたたずまいをすべて受け入れて

波紋すら浮かべない姿で

立ち直るには

何かの　手助けが要る




手助けを求める心を

気遣ってくれる優しさがほしい

揺れる心を　読み取って

なんの説明も必要のないおおらかな

感受性豊かな・・





望んではいけないものを

欲しがっているのだろうか　




人よりは　多くのものを感じ取って　

受け止めてしまう姿は

不必要な　悩みを持ちたがっているように見えるのだろうか




手にしたと思った次の瞬間に

指の間から　こぼれていく砂の様に

形を持たない　幸せを哀しむ

アリウム
花言葉　深い悲しみ、正しい主張