ゆったりと、流れのままに、拾いもしない、捨てもしない・・・。 おもむくままに・・・そして私がいる。
庭の
土の中から
いつも そこに居たことを
忘れて いるのに
気温の 約束に促されて
顔を 必ず 出してくれる
何もなかった 土の中から
あらわれて
春の 息吹を さがすように
すくすくと 育っている
芍薬の 芽
去年の 麗しい 姿を
おもいだして
優しい気持ちになる
容姿は牡丹に似て
牡丹ほど 華やかではなく
すがすがしい 思いを
呼び起こしてくれる
いつからか その存在を
愛している
花のその時
ふくらみをおびた
花弁に
眺めるめも 優しい目になる
花のその日を
ひたすらに
待つ
他のことは
気にならなくなってしまった
恋のはじめのように