every word is just a cliche

聴いた音とか観た映画についての雑文です。
全部決まりきった常套句。

アンビエントの夏に向けて

2009-11-20 | TECHNO

HARMONIA & ENO '76
Harmonia & Eno '76 Remixes(Amazing Sounds)


元REMIX発行人=小泉雅史氏が熱のこもった文章を書きそうな一枚。
それこそCarl Craigが「E2-E4」のリメイクを発表した時のような。
ジャズの人になったみたいだから、"Cosmic Soul"のような音には興味ないのかな?

Neu!のミヒャエル・ロッターとClusterがタッグを組んだHarmonia + アンビエント御大Braian Eno。

デ・ニーロとパチーノが競演してスコセッシが撮ったかのうようなというか、石森章太郎と藤子不二雄が共作したのに手塚治虫が加筆するというか、松坂牛のステーキに年代モノのワイン空けて高級ホテルの部屋とって居るからそこで乾杯とかいうようなこれでもかという組み合わせです。
ある意味くどいので小堺一樹と関根努にルー大柴という喩えも思いつきました。


spotlightの松竹さんが指摘されている通り、アンビエント前夜のENOの動きを伝えてくれるセッションであり、イギリスとドイツのロックを繋いだ記念碑としてもロック史的に興味深いセッションなのではありますが、
12年前にリリースされた『Tracks & Traces』がリマスターされ、3曲追加されたタイミングでリミックス盤が発売になったようです。


リミキサーに選ばれたのは元Skull DiscoのShackletonとAppleblim(AppleblimはKomonazmukとの共作)。

この1~2年のダブステップの動きを94年のテクノの動きに準えたのは他ならぬREMIX誌だ。
なるほど、Martynや2562のようにデトロイトからの強い影響をダブステップに抽出したり、BurialやHeadhunterなどミニマルダブと共振する響きやRSD(Smith & Mighty)やShut Up And Danceなどオリジナル・レイヴ世代までが顔を並べる今のシーンはスリリングだ。
さて本題の「Harmonia & Eno '76 Remixes」なのですが、無理にリミキサーの色を出さずにオリジナルの色を補強するかのような語義どおりのREMIXに近い仕上がりになっている。
たおやかに組まれるリズムはサード・サマー・オブ・ラブというより、セカンド・アンビエント・サマーを促すように響く。

正直、企画のインパクトほどの強さはこの音には無いと思う。
けれども、この背景や文脈が次に何に繋がっていくのかということには耳を傾けていたい。

Underground Gallery

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