every word is just a cliche

聴いた音とか観た映画についての雑文です。
全部決まりきった常套句。

Mark Bell(マーク・ベル)が如何に偉大かが分かるたった10曲プラス2曲のセレクション

2014-10-15 | TECHNO
なんといっても「Tied Up」なんですよ。オレに言わせりゃ。
世界を席巻したブリープ・ハウスは流行り過ぎて「ちょっと、もうないよねぇ」となっていたところに「We Are Back」とばかりにこのシングルで帰還。
線の細いピュア・テクノやチージーな音色のプア・ハウスを薙ぎ倒さんばかりの勢いでベテラン(といってもまだった23歳とかその辺のはず)の貫禄を見せつけてくれました。



「Tied Up」はテクノ史上もっとも完成度の高いシングルだと思うのです。
なので今回3曲も選んでます(10曲プラス2曲っていうのはそういう意味です)。
音色、リズム、グルーヴ、リリース・タイミング、アート・ワーク。全てが最高!


いま聴くとオリジナルやAcid、Electroの方を選ぶけれど当時は圧倒的にコレだった。


リーズから世界中に轟き震えさせた重低音ベース。


初期の段階から「We Are Back」と掲げていたのは、それだけ一気に売れて消費されそうになったということなのでしょうね。
このリズム! アフリカ系ともまた違う独特のスイング感、グルーヴ。



<Warp>生え抜きである彼が競合である名門<R&S>からもリリースするという…。
94年という時代を反映してゴリゴリのミニマル。しかしコレがけ強靭なグルーヴはなかなか無い(さっきからコレばっかだな…)。


F.U.S.E.ことRichie Hawtin(リッチー・ホーティン)との共作。彼の運営する<Plus 8>から。これぞテクノ・クラシック!!!!!!
LFO Ver.が収められた<Quick>盤はめったに見かけません。こちらはよりディープにリスニング向きですが、負けず劣らずの名トラック。


エレクトロニック・ミュージックの名門<Mute>(の傘下レーベル<Nova Mute>)からもリリース!
音フェチな部分が如実に現れたシングル。


そしてデトロイト・テクノの中核<Planet E>からも!! マーク・ベルのデトロイトやシカゴからの影響が一番色濃く出た"ハウス"な一枚。素晴らし。



ビョークの「Hyper Ballad」もこんなに凶暴な音に! このLFOが共振した発信音が正にマーク・ベルの仕事という感じですね。



デペッシュ・モードのマーティン・ゴアとイレイジャー(デペッシュ初期メンバー)ヴィンス・クラークのユニットVCMGをマーク・ベルがリミックス。エレクトロニック・ミュージックのレジェンドによる貫禄の仕事。


鬼才リチャード・D・ジェームスともコラボ。これはどちらかというとAFXに胸を貸している感ありますが、共演相手の名前を上げるだけでもマーク・ベルが以下にリスペクトされているか窺えるでしょう。


最後にまたまた「Tied Up」からの曲になってしまいますが、LFOを他の誰かがリミックスしているというレアなケースなので。
しかも手がけているのはSpiritualized!!
当時も今でも驚きの起用ですが、ここにプロデューサーとしての度量の深さが如実に現われていますね。

LFO、マーク・ベルはグルーヴィなダンス・ミュージックだけではなくディープでリスニング向きなエレクトロニック・ミュージックも沢山手がけていますが、このVer.はそういった曲が多く収録された2nd『Advance』の先行シングルという意味でも、ジャンルを超えたロック層へのアプローチという意味でも見事というほかありません。感服です。



という訳で如何にマーク・ベルが優れたアーティストかお分かり頂けたでしょうか。
エレクトロニック・ミュージックの歴史を築いた偉大なるプロデューサーとの早すぎる死に心からの哀悼の意を表すとともに個人のご冥福を篤くお祈り申し上げます。

rest in peace,mark bell.


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