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多摩街歩き

GPSの付いたカメラを持って多摩の街を歩いています。

立川崖線(谷保天満宮~西府駅)

2012年05月12日 | 立川崖線/青柳崖線

女房がハケ上の道を歩きたいと言う。「ハケ」とは、河岸段丘の段丘崖の古い呼び名だ。以前紹介した和田崖線もハケだが、もっと大規模な、はっきりしたハケを探して歩いてみることにした。

多摩川は武蔵野台地に大規模な河岸段丘(かがんだんきゅう)を作っている。この河岸段丘はおおまかに言うと三つの面からなる。一番低いのが多摩川の周囲に広がる沖積低地(ちゅうせきていち)で、次の面は立川面という段丘面、そして一番高い面が武蔵野台地だ。

これら三つの面の境目にあるのが段丘崖(だんきゅうがい)だ。同じくらいの高さの崖がうねうねと続くので、崖線(がいせん)と呼ばれる。河岸段丘の面が三つあるのだから、多摩地区には、おおまかに言って二つの系統の崖線がある。一つは沖積低地と立川面の境目をなす立川崖線で、もう一つは立川面と武蔵野台地の境目にある国分寺崖線だ。

崖線の位置は地形図と空中写真から見当を付けることができる。段丘崖は現在でも林になっていることが多いのだ。今回はこのあたりを歩くことにした。

地図の左上にある谷保天満宮から、右下にある西府駅の西側(左側)にかけて水の流れが描かれているが、これが段丘崖の下の縁に対応しているらしい。

今回の地図はこちら。(新しいウインドウが開きます)
(kmlファイルはこちら。ダウンロードしてGoogle Earthで開いてください)
青の線は歩いて確認した崖線の位置だ。例によって黄色のマーカの足元がカメラの位置で、赤の扇形がカメラの向きだ。
今回は航空写真を表示させているので、地図の左のペインで「立川崖線」のチェックを外せば、崖線が林になっていることが確認できるだろう。 右上のマークをクリックすればいつものような地図表示に切り替えることもできる。

谷保天満宮から歩き始めた。

写真1

境内に崖がある。位置からすると、これが段丘崖らしい。

写真2

本殿は崖線の下にある。牛の像の右が段丘崖だ。段丘崖の上に戻って、ハケ上の道を南西に進む。

写真3

国道20号線(甲州街道)日野バイパスから。右の林が段丘崖だ。高低差はこの付近では6メートルぐらいのようだが、大きな木の密集する林になっている。崖下には水の流れがあり、遊歩道もある。

写真4

同じく国道20号線から見た段丘崖の遠景。段丘崖の林はもっと小さな木がまばらに生えているのを想像していたのだが、全然違った。すごいボリュームの林だ。

写真5

ハケ上の道からの眺め。ハケ下の家(二階建て)の屋根よりも、ハケ上の道の方が高い。送電線の鉄塔の脇に見覚えのある建物がある。あのあたりが聖蹟桜ヶ丘駅だろう。

写真6

ハケ上の道から林の隙間にハケ下の家が見える。崖は想像よりも急だ。こんな急な崖が自然のままで形を保ってきているのはちょっとした驚きだ。植物の根のおかげなのだろう。

写真7

ハケ上の道。

写真8

ハケ上からの眺め。

写真9

ハケ上とハケ下を結ぶ階段がある。急な崖なので、階段は斜めに下っていく。
国立市から府中市に入ったが、この崖線(立川崖線)をここでは「府中崖線」と呼ぶらしい。

写真10

ハケ上が遊歩道になっている。府中市ではこの段丘崖の環境の保護に力を入れているようで、喜ばしい。

写真11

ハケ下に大きな建物が見える。NEC府中工場だろう。まもなく西府の駅だ。

歩き始めたころは暑いほどだったが、急に天気が崩れて、雨がぱらついて急に気温が下がった。帰りの電車では近くに落雷も。
歩いたのは5月6日。夕方につくば市の竜巻のニュースを見て胸を撫で下ろしたような次第。

ともあれ、二人でハケの景観をゆっくり楽しむことができた。
 



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