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憲法9条 戦争と平和

自分が生きている間に、戦争や紛争をなくしたい。理想郷ということではなくて・・・

コスタリカ「有志連合」リスト削除要請(和訳)

2004-12-08 | コスタリカ
コスタリカは「有志連合」諸国リストからの削除をアメリカに対して要請しています。イラク戦争に対する明確な意思表示であると考えます。コスタリカ政府の公式文書を和訳しました。スペイン語がお得意な方で、より良い和訳があるようでしたらこのブログのコメント欄に書き込みをお願いいたします。コピー自由、無断転載を歓迎します。

--------------------和訳ここから
外務・宗務省
機関通信局
電話(00 506)256 65 61 ファックス 256 67 37
ウェブページ www.rree.go.cr

コスタリカのロベルト・トバル・ファハ外相、対イラク同盟「有志連合」諸国リストからの自国名の削除を米国に要請

コスタリカのロベルト・トバル・ファハ外相は、昨日の最高裁憲法法廷の判決に従い、今日、対イラク同盟「有志連合」諸国リストより同国名を削除するよう正式にアメリカ合衆国に要請した。

ロベルト・トバル外務大臣は、コリン・パウエル米国務長官に宛てた外交文書にて、同国は法治国家を重んじると共に、民主主義体制を律する権限の独立性を尊重し、最高裁憲法法廷の判決を遵守する責任を負うことを明らかにした。

この外交文書にて、「従って、コスタリカ政府は、アメリカ合衆国政府に対し、ホワイトハウスのホームページに掲載されている『対イラク同盟または連合』の『有志連合』諸国リストよりコスタリカ共和国の国名を削除することを要請する」と表明。同文書は在サンホセ米国大使館に提出された。

機関通信
(イラク削除リスト-492)
2004年9月9日(木)

--------------------ここまで


--------------------原文はここから

Ministerio de Relaciones Exteriores y Culto
Dirección de Comunicación Institucional
TELEFONO (00 506) 256 65 61 FAX 256 67 37
Portal electrónico: www.rree.go.cr


El Ministro de Relaciones Exteriores de Costa Rica, Roberto Tovar Faja, solicita a Estados Unidos retirar nombre de lista de naciones que apoyaron la coalición en Irak.


El Ministro de Relaciones Exteriores de Costa Rica, Roberto Tovar Faja, en cumplimiento de una resolución de la Sala Constitucional de la Corte Suprema de Justicia, emitida ayer, solicitó oficialmente hoy a Estados Unidos retirar el nombre de su país de la lista de naciones que apoyaron la coalición en Irak.

En una nota diplomática dirigida al Secretario de Estado de los Estados Unidos, Colin Powell, el Jefe de la diplomacia costarricense expresa que Costa Rica, respetuosa del Estado de Derecho y de la independencia de Poderes que rige su sistema democrático, acata con responsabilidad la decisión del alto tribunal constitucional.

“Consecuente con lo anterior, mi Gobierno se permite solicitar al Ilustrado Gobierno de los Estados Unidos de América, se sirva excluir el nombre de la Republica de Costa Rica de la lista de países “aliados” de la “Coalición” o “Alianza”, que consta en la página web de la Casa Blanca”, señala la nota diplomática, que ha sido trasladada a la Embajada de los Estados Unidos en San José.



Comunicación Institucional
(Irak retiro lista-492)
Jueves 9 de setiembre 2004.

--------------------ここまで

原文:コスタリカ政府 http://www.rree.go.cr
画面左上Sobre el Ministerio
→画面右Comunicacion Institucional
→画面中央上
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→09/09のIrakretirolista.doc

小泉首相の表明とコスタリカの実践

2004-10-13 | コスタリカ
「米国の武力行使開始を理解し、支持いたします」

私はこれほど明確な戦争支持の表明を、
日本の首相が行ったことに衝撃を受けました。
憲法の理念を真正面から、ここまでやすやすと踏みにじる
最高権力者がいまだかつていただろうか? と。

これより、暗澹たる思いが続くわけですが、
理由としては、私が報道ディレクターの端くれであったこともあり、
まずは当時の記者会見の中身(ジャーナリズムの死が見てとれます)、
そしてその後も連綿と続く報道の中身です。
本質的な批判を加えない報道が繰り返され、
結果として政治に加担し、世論をミスリードした側面が
強かったのではないかと考えています。
※記者会見の中身は出典からご覧下さい

あらためて、記者会見の中身を読むと、イラク戦争における
「理解、支持」の根拠は、概ね次の3点に集約されます。
1,イラクが国連決議を「愚弄」したこと
  (大量破壊兵器を所有している可能性が高いこと)
2,大量破壊兵器の脅威を取り除く必要があること
3,9.11後の、テロの脅威を取り除くこと
  (テロ支援国家である可能性が高いこと)
当時、国連決議をめぐり、開戦の正当性が語られ、
本質的には「脅威」を排除し、「自由」をもたらす
正義の戦争であることが語られました。

そして現在、開戦の正当性は大きく変わり、揺らぎました。
正確には今なお大量破壊兵器及びテロとの関連を
認めることのできる証拠は提示されていないということです。
そして最終報告がなされています。
出典:「イラクに大量破壊兵器の備蓄なし」米調査団が最終報告
http://www2.asahi.com/special/iraqrecovery/TKY200410070148.html

私はここで、コスタリカの事例を引き合いにしたいと思います。
それはコスタリカの最近の動向から多くのことを学べる、と考えるからです。
「政治における意思決定プロセス」の重要性がよくわかります。

イラク戦争が勃発して、コスタリカはアメリカの開戦を支持しました。
イラク戦争を支持する「有志連合」のリストに加わります。
ところが、コスタリカの大学生がこの政府の行為を「違憲」であると
訴え、最高裁判所が違憲判決を下しました。
違憲判決を受けて「有志連合」のリストからの削除を米政府に外交文書で
要請するに至っています。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20040910AT2M1000T10092004.html

私は、常備軍を持たないコスタリカに最近注目していたのですが、
イラク戦争支持表明に関しては、残念なことであると考えていたのです。
実は、残念だと思っていたのはコスタリカ国民自身であり、
しっかりと「復元」しているではないですか。
これは学ぶべきです。政治的な意思決定に対して、
チェックができるプロセスがあり、それを機能させる、ということをです。
そこには本当の意味での民主主義があり、完璧な「平和」ではないが、
平和への状態を回復する重要な機能であると考えることができます。
間違いを修正する勇気や間違いを修正する機能を持つということを、
私たちの意思決定のプロセスの中に入れていかなくてはならないと考えます。

小泉首相の表明は、憲法の前文及び9条に記されている
根源的なる理念に対する違反であり、
99条の憲法尊重擁護の義務違反にあたります。
この発言から以降の政府の諸決定を改めて検証し、
間違いは修正し「復元」すべきである、と考えます。


出典:小泉総理大臣記者会見
   [イラク問題に関する対応について]
   2003年3月20日
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2003/03/20kaiken.html