いつでも物見遊山

ここ数年で撮り貯めたミリタリ系写真をぽつぽつと。

陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校 (9)

2007年02月15日 21時23分39秒 | 陸上自衛隊
武器学校も今回で終了。
最後は、展示物の中から特殊車両を。


普通化部隊ではメジャーな陸上自衛隊82式指揮通信車
運転席には防弾板が下ろされており、試作車両という話も。


89式装甲戦闘車や96式装輪装甲車を後継として退役が進んでいる陸上自衛隊73式装甲車
この車体には良く見ると上部のキューポラ上に機関砲の基部らしいモノがついている。
この73式装甲車は開発当時、20mm機関砲を装備して「歩兵戦闘車」とする計画もあったそうだが、この車体はその計画の試作車なんだろうか?


戦車や車両を牽引する目的で作られた支援作業車陸上自衛隊73式牽引車
この車体をベースにして弾薬補給用に改造した87式・99式砲側弾薬庫車など、色々なバリエーションがあるそうだ。


陸上自衛隊90式戦車回収車は破損して動けなくなった90式戦車の回収やエンジン交換を行う目的で開発された。
90式戦車の車体を流用し、防弾能力も高い。
クレーンの吊上げ重量は25t以上で、牽引重量は50tだそうな。
高価な90式を捨てる訳にもいかないが、この車両もかなり高価とのこと。

以上、武器学校の陸戦兵器の数々でした。

陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校(8)

2007年02月12日 21時06分18秒 | 陸上自衛隊
今回は自走砲の類を。


戦後日本で始めて開発された戦闘車両で、1980年まで生産が続けられた陸上自衛隊60式自走無反動砲
M40 106mm無反動砲を2門装備しているが、装填手は戦闘中、屋根に乗っかったまま装填を行うそうな。


戦後2番目の完全国産火砲を搭載するこの自走砲陸上自衛隊75式自走榴弾砲
毎分6発という発射速度で、射撃したあと砲身をもとの体勢にすぐに戻す自動復帰装置も装備しているとのこと。
乗員は6名。大きな車体だが、砲塔内に4人入ると結構きつそう。


怪獣映画では誰もが一度見たことのある国産の自走式多連装ロケット・ランチャー
陸上自衛隊75式130mm自走多連装ロケット弾発射機
30発の130mmロケット弾を一連射すると、再装填は一発一発手で行うとのこと。


裏庭にひっそりと放置されていた陸上自衛隊99式155mm自走榴弾砲
1987年度から研究試作が開始され、1999年に正式化された。
愛称:「ロングノーズ」
最大射程距離30kmと75式自走榴弾砲の1.5倍以上も長いとのこと。
砲弾と装薬の装填が全て自動化しれているので、この図体にも関わらず乗員はたった4名だそうな。

最後に展示されていた特殊車両も紹介しよう。

陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校(7)

2007年02月11日 19時23分20秒 | 陸上自衛隊
展示品の紹介、今回は火砲類を。


裏庭の片隅にひっそりとカバーをかけられて放置されていたが、この形状は紛れも無く陸上自衛隊155mm加農砲M2(米国製)
通称「ロングトム」。
陸上自衛隊には1954年から1996年まで供与され、現在は既に完全に退役。


こちらも同じく裏庭に放置状態だった陸上自衛隊105mm榴弾砲M2A1(米国製)
陸上自衛隊に供与されたのは1952年からで、2000年末には退役して120mm迫撃砲RTに装備変更されている。


こちらは戦車と同列で堂々と展示されていた陸上自衛隊203mm榴弾砲M2
米国製の榴弾砲で、8インチ榴弾砲M1の改良版。
陸上自衛隊には、1954年から供与が始まったが、自走榴弾砲の配備によって1994年までに全て退役されたそうな。


こちらは現役の陸上自衛隊35mm二連装高射機関砲(L90)
各地の高射大隊等に配備されている牽引式の高射機関砲。
スイスのエリコン社製の35mm機関砲で、1分間に1100発の発射能力がある。

次回は自走砲とか。

陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校(6)

2007年02月10日 22時14分48秒 | 陸上自衛隊
武器研究としては、やはりこの国が一番の教材らしい。


第二次世界大戦最大の生産量を誇るアメリカの傑作中戦車米軍M4A3戦車「シャーマン」
M4A3型最終生産型(M4A3E8)は第二次大戦後も各国で使用されているそうだ。


第二次大戦中、ドイツ軍の重戦車に対抗する為に開発された駆逐戦車米軍M36自走砲車「ジャクソン」
当時90mm砲は遠距離からドイツ軍重戦車に対抗できる米軍唯一の戦車砲だったとのこと。


大戦末期のヨーロッパ戦線に投入された米軍M24軽戦車「チャーフィー」
陸上自衛隊にも1952年にM24軽戦車が供与されており、1970年代末まで現役にとどまっていたとのこと。


第二次大戦中に太平洋諸島への上陸戦に使用された米軍LVT-5上陸用水陸両用戦車
通称「アリゲーター」。水上ではスクリューではなく、キャタピラに付いている「水かき」で進むらしい。


40mm機関砲M2A1を装備した対空自走砲米軍M42自走40mm高射機関砲
通称「ダスター」。
M42A1は、アメリカ陸軍をはじめ西ドイツ、オーストリア、日本にも配備され、ベトナム戦争でも活躍している。
因みに87式自走高射機関砲が開発されるまで、陸上自衛隊に自走高射機関砲はこれしかなかったそうな。

次回は更に火砲なども。

陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校(5)

2007年02月09日 23時33分09秒 | 陸上自衛隊
武器学校にはグランド側に自衛隊と米軍の装備品車両が展示されている。
保存状態も最高(だけど野ざらし)で見ごたえがある。


戦後、初めて日本で開発されたMBT61式戦車
主砲には国産の52口径90mmライフル砲を装備したが、当時量産が始まったソ連のT-62戦車は既に115mm滑腔砲を装備しており、既に一世代古い仕様だったそうな。
怪獣映画ではお馴染みの戦車。


61式戦車の後継車両として開発された、陸上自衛隊の第2世代MBT74式戦車
油圧サスペンションで車高を上下左右に調整し、複雑な地形上での射撃も可能な世界でも珍しい特徴を備えているとのこと。
74式は実に日本の戦車らしくて個人的に大好き。


そして現代のMBT90式戦車
今までの戦車よりも一回りも大きいが、乗員は一人減って3人。
ココに展示してある戦車はどれも防錆処理をしているようだ。

次回はこれまた資料的価値の高そうな米軍の歴代戦車をば。

陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校(4)

2007年02月06日 22時49分54秒 | 陸上自衛隊
その他無造作に展示されている兵器類。
どれも年代モノで貴重な品ばかり...だと思うけど。


(右)ソ連軍120mm迫撃砲(左)米軍M27型105mm無反動砲
何故かソ連製火砲が多い。冷戦時代の遺物だろうか。


米軍4.5in多弾装ロケット発射装置
これについては情報があまりない。WWⅡでドイツ軍が使った物に似ている。


旧ソ連軍45mm対戦車砲(短砲身)
1932年に45mm対戦車砲M1932として制式化されたものだそうな。
どこから手に入れたんだろう?


旧ソ連軍M1942型76mm野砲
第二次大戦中、世界で最も優秀とされた砲だそうな。
対戦車威力が優れていたので、当時のドイツ戦車にとっては非常に大きな脅威だったとのこと。
参考になったのかなあ。

次回は自衛隊歴代戦車を。

陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校(3)

2007年02月05日 23時11分32秒 | 陸上自衛隊
引き続き武器学校の展示品を。


帝国陸軍の本土決戦兵器「三式中戦車」
米軍M4戦車に対抗すべく、末期に60両ほどが製作されたが本土のみ配備されたので実戦経験は無いとのこと。


日本にもこんな戦車があったんだと子供の頃感動した覚えがある。
国内では隣の八九式と供に唯一残された本物。


米軍戦車M4の装甲を撃ち抜ける(らしい?)90式野砲を対戦車砲化した75mm戦車砲。


八九式との比較。設計思想がかなり変わっていることがわかる。
装甲もリベットから電気溶接になっている。
保存状態はかなり良いが、もうちょっと大事にされてもいいのに・・・。

「武器学校」にはまだまだ武器が。

陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校(2)

2007年02月04日 15時07分44秒 | 陸上自衛隊
武器学校の本領発揮と言える展示物を。


貴重な旧軍の戦車他、内外の歩兵用兵器が屋外に展示されている。
グラウンド前には米軍のものと共に歴代の自衛隊車両が「華やかに」展示されているのだが、こちらは裏手に「ひっそりと」。
個人的にはこちらの戦車の方が歴史的価値が高いと思うのだけど。


昭和4年に開発された初の国産戦車で、皇紀2589年に制式化された帝国陸軍八九式中戦車
もう70年近い年月を経たものにしては、保存状態が凄く良い。


第一次世界大戦で活躍したフランスのルノーFT戦車を陸軍が輸入、研究して国産化したとのこと。
当時としては世界レベルの車両であったらしい。
小さいとばかり思っていたが、こうしてみると予想以上に大きい。


90式57ミリ戦車砲を搭載していたが、ココに付けられているのはダミーという話。
リベットといい、年代的な設計思想を感じてしまう。

次回はその隣にある帝国陸軍決戦兵器を。

陸上自衛隊土浦駐屯地武器学校(1)

2007年02月02日 22時11分04秒 | 陸上自衛隊
旧陸軍や米軍、自衛隊歴代の装備品が見たかったらここがお薦め。
陸上自衛隊土浦駐屯地「武器学校」(茨城県稲敷郡阿見町青宿)。


正門。駐車場があるので車でも行る。


正門を入ると警衛所があるので、「見学です」と言って胸に付けるバッチを貰う。
その後、受付の人が案内板の前まで来て見学許可エリアの説明をしてくれる。


見学者用施設内案内板。立ち入りと写真撮影許可エリアが示されている。


旧帝国海軍土浦航空隊の名残りらしい古い建物がまだ残っている。
歴史を感じるね。
ここは予科練(海軍飛行予科練習施設)があったので、その記念館も併設されている。

続きは(2)で。

朝霞駐屯地装備品展示(3)

2007年02月01日 21時42分17秒 | 陸上自衛隊
朝霞駐屯地の装備品特別展示には、こんな車両もあった。


衛生隊の救急車中隊のほか、各部隊に広く配備されている救急車。


救急車の内部。73式中型トラックの車体を利用し、担架4床または座席に8名を収容できるとのこと。


部隊の移動の障害になる河川や穴ぼこに橋梁を架設するための「81式自走架柱橋(VLTB)」。
荷台に積んだ折り畳み式のパーツを連結すると、最大60mの橋を掛けることが出来るとのこと。
74式戦車は何とか乗せられるが、90式は・・・。

以上、陸上自衛隊広報センターと朝霞駐屯地装備品特別展示でした。