二本足の學者を目指して

賢を見ては齊しからん事を思ふ

【映畫「百花」を觀る】

2022-09-13 18:22:01 | 映畫
【映畫「百花」を觀る】

私には珍しくメンズデー以外の日に觀劇しました。目當は長澤まさみさんですが、本作の主演は、菅田将暉さんと原田美枝子さんです。それも私が見た感じですと、原田さんのはうが場面が多いやうに見えました。

同作とは別の作品に就いてですが、山崎紘菜さんが、理解しようとするのではなく、感情を感じて下さい、と云ふやうな事を仰有つてゐました。「百花」に關しても、理解するのではなく、感情を感ずるべき作品であるかも知れません。

が、私淑してゐる文學者達の眞似をしてゐる私にとつて、感情を感ずると云ふ在り方は、最も不得手かも知れません。書籍をとほして、詰りは言葉をとほして、理解して來た私にとつて、純粹に感ずると云ふ事が、少くなつて來たやうに思へます。

それは何も映畫や文學に限りません。つけ麺一杯食べるにせよ、私は純粹に感ずるのではなく、分析しようとしてゐます。年齡を重ねる毎に、經驗と知識とは増して行きますが、その分、みづから感ずると云ふ要素は減少して行くやうに思へます。四十代五十代の男とは、最も煩くて、最も俗な存在なのかも知れません。主人公の親子は、そんな私達より、一方は若く、一方は年寄であるやうです。

同作に就いて、何かを論ずるのは、不粹でせうかね。作風としては、芥川龍之介が晩年著した私小説(風小説)やカフカの小説に似てゐませうか? いや/\、其處迄はぶつ飛んでゐなく、この御話を書いた作者は、飽く迄、常識人だなと云ふ印象を受けました。

原田さんは流石大女優と云ふ演戲力ですね。

#映画 #百花 #菅田将暉 #原田美枝子 #長澤まさみ

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