思いつくままに

ゆく河の流れの淀みに浮かぶ「うたかた」としての生命体、
その1つに映り込んだ世界の断片を思いつくままに書きたい。

デーヴィッド・グレーバーの『負債論』 第9章 枢軸時代(前800年――後600年)

2020-04-23 23:49:17 | 本の紹介
 「枢軸時代」という呼称は、ドイツの実存主義哲学者カール・ヤスパースが唱えたものである。グレーバーは、これら二つを組み合わせた方が有益であるように思うとして、前800年から後600年と定義する。すると枢軸時代は、ピタゴラス、ブッダ、孔子といった世界の主要な哲学的潮流が誕生したのみならず、ゾロアスター教、預言者的ユダヤ教、仏教、ジャイナ教、ヒンドゥー教、儒教、道教、キリスト教、そしてイスラーム教という、今日の主要な宗教すべての誕生を目の当たりにした時代となる。地域を隔てて互いの存在すら知らなかったのに、ギリシア、インド、中国において、競合しあう知的学派どうしの議論が突如開花をみた時代である。ここから、なぜこのようなことが起きたのか?という疑問が生まれる。 . . . 本文を読む