後半の60人です。
星桔梗さん いつまでも煮え切らないのは悪い癖賞味期限を定めましょうか
お気楽堂さん なぜ首位がマイナスなのと言う声の足元見れば赤いピンヒール
yuntaさん ぴかぴかの目玉の魚買うのだと秋刀魚見るたび母の声して
流水さん 背もたれて陽を浴びた壁の温もりが互いに伝わるやうな係わり
茶葉四葉さん 秋が去り冬を迎えるこのときに 答えなんかを出さなくていいのに
五十嵐きよみさん 天使への昇級試験を待つような肩甲骨が浜辺にならぶ
松原なぎさん 災いという字をひとつずつほどくいまは静かなあらゆる指が
emiさん 牛酪を焦がして今日の始まりがまったりとゆく外は雨です
たざわよしなおさん 脊椎の畝を幾つと数えおりパンフルートのための唇
湯山昌樹さん 豚まんからふわふわ昇る湯気を追いヨコハマを泳ぐ雲を見つけた
ぷよよんさん ゆるやかな進行形である空にひこうき雲は長く尾を引く
桶田 沙美さん 撫でつなぎ愛を確かめあたしには世界の果ては君のゆびさき
田中ましろさん 河川敷沿いのベンチに残ってる夏の僕らが混ざった液体
花夢さん ひっそりと職場のなかに湧いている気泡のことをあなたに話す
近藤かすみさん 職業欄に専業主婦と記すときふいに笑ひがこみあげて来つ
一夜さん 七輪で焼いてごらんと皺寄せて 港朝市秋刀魚売りし婆
ほたるさん 痩せていく猫の背中の鍵盤をなぞれば生命(いのち)のか細さ響く
岡本雅哉さん 市街地で育ったんだねやわらかくひとのあいだをすり抜けるきみ
はづき生さん 川川に戻りきたる鮭鮭の群れ背に背をあらひ瀬を上りゆく
O.F.さん わたくしは人間の屑 鳩たちに食べられちゃいたいパン屑みたいに
ワンコ山田さん 隣室の満艦飾のベランダと同じ風受けわたしが渇く
穂ノ木芽央さん クリックの果ての世界を知らざりき少年けふも鹿の肉裂く
田中彼方さん 洗礼者ヨハネの首を持つ
サロメみたいに、
シフォンケーキを君が。
bubbles-gotoさん みんなみんな既婚者になっていく夜だ 電気毛布の取説を読む
遠藤しなもんさん 春暖の候、わたくしはすれ違う人の好意に甘えています
かりやすさん 聖職者の瞳をもちて野良猫が仕事で凹むわれを迎へむ
やすまるさん ああ世界にのはらはあって春ごとの朱色の花は伝播してゆけ
紫月雲さん ひとひらの枯葉を連れて帰りくる貧しき人に電気は灯る
村木美月さん 調和してたまるかって言うように街のポストは今日も酔ってる
内田かおりさん 尾を振りて牛はただ立つ山際に落日の朱沁みて秋行く
今泉洋子さん 帰省せし子のまた去りゆくシャツの背に白きはやかに晩夏のひかり
TIARAさん 新雪を歩調合わせて歩く朝ひかる一つの楽器になれる
佐山みはるさん 佳きひとの住みたまへるかカーテンに風さわりゆく新しき家
HY さん 満開の藤棚仰ぎ観て思う仙女の天蓋この如くかと
ひぐらしひなつさん 花街に花なくかつて花たりしひとの曲がった影ゆくばかり
村本希理子さん みみたぶをぬらす雨粒ふたつみつ逢ひたいひとのゐないしあはせ
千坂麻緒さん いいやつを演じることに疲れたら藤井くんもう銃は捨てろよ
小林ちいさん マイナスを持ち寄り二人寄り添えばゆっくりゼロになってく不思議
はせがわゆづさん 欠片からこぼれた命を受け止めて夜毎繰り返す獏の妊娠
keiさん 路線図は複雑すぎる夏痩せの人差し指に負担がかかる
みぎわさん 解毒剤もたずに恋は堕ちるべし泥濘ふかく身は汚すべし
ろくもじさん 警報をかき鳴らせギター、これからもやっぱりひとりで生きるのだから
月原真幸さん 既視感が押し寄せてくる夜だからイヤホンをする 点滴がわり
ME1さん 夕焼ける水の鏡に映る陽は満たされていた春の残像
星川郁乃さん くちばしのない生きものであることの愉悦 わたしはやわらかな水
柚木 良さん 笑わせちゃいけないのだと怒られるとくに悲しくない人たちに
水風抱月さん 艶かなる黒髪編める母の指 耳朶を擽るかさつき愛し
香-キョウ-さん 艶やかな黒髪映える藤色の花びら連なる 簪揺れる
わらじ虫さん 言い訳とキスが上手になっていた赤の他人じゃないだけのひと
ぱんさん ペットボトル入りでもいいや あたしたちソムリエナイフなしでも笑える
にいざき なんさん 職安の長椅子に座る君の手を握れば今すぐ連れ出すぜ僕
みち。さん この街の壊死した場所になんとなくなんとなく埋めていくどんぐり
志井一さん 私にも居場所ができた ありがとう「格差社会」と名付けてくれて
帯一鐘信さん ぽつぽつと穴のあいてる傘をさし悲しい歌が水玉になる
笹本奈緒さん 来なきゃいい夜中のバスを冬型の気圧配置の隅で待ってる
鯨井五香さん 片道でロンドンへ発つ秋晴れのそのジャケットはあなたに似合う
ほきいぬさん あとはもう足首からめ眠るだけ ベッドの下には脱いだ役柄
里坂季夜さん 悩みなどないのでしょうと笑われて明日もこんなかんじでいこう
青山みのりさん 親殺しのニュースに息を詰めたあと子の焦点のゆらり揺れおり
久野はすみさん そのときの一日前とはつゆ知らず朝をはじめる蓮でありたし
星桔梗さん いつまでも煮え切らないのは悪い癖賞味期限を定めましょうか
お気楽堂さん なぜ首位がマイナスなのと言う声の足元見れば赤いピンヒール
yuntaさん ぴかぴかの目玉の魚買うのだと秋刀魚見るたび母の声して
流水さん 背もたれて陽を浴びた壁の温もりが互いに伝わるやうな係わり
茶葉四葉さん 秋が去り冬を迎えるこのときに 答えなんかを出さなくていいのに
五十嵐きよみさん 天使への昇級試験を待つような肩甲骨が浜辺にならぶ
松原なぎさん 災いという字をひとつずつほどくいまは静かなあらゆる指が
emiさん 牛酪を焦がして今日の始まりがまったりとゆく外は雨です
たざわよしなおさん 脊椎の畝を幾つと数えおりパンフルートのための唇
湯山昌樹さん 豚まんからふわふわ昇る湯気を追いヨコハマを泳ぐ雲を見つけた
ぷよよんさん ゆるやかな進行形である空にひこうき雲は長く尾を引く
桶田 沙美さん 撫でつなぎ愛を確かめあたしには世界の果ては君のゆびさき
田中ましろさん 河川敷沿いのベンチに残ってる夏の僕らが混ざった液体
花夢さん ひっそりと職場のなかに湧いている気泡のことをあなたに話す
近藤かすみさん 職業欄に専業主婦と記すときふいに笑ひがこみあげて来つ
一夜さん 七輪で焼いてごらんと皺寄せて 港朝市秋刀魚売りし婆
ほたるさん 痩せていく猫の背中の鍵盤をなぞれば生命(いのち)のか細さ響く
岡本雅哉さん 市街地で育ったんだねやわらかくひとのあいだをすり抜けるきみ
はづき生さん 川川に戻りきたる鮭鮭の群れ背に背をあらひ瀬を上りゆく
O.F.さん わたくしは人間の屑 鳩たちに食べられちゃいたいパン屑みたいに
ワンコ山田さん 隣室の満艦飾のベランダと同じ風受けわたしが渇く
穂ノ木芽央さん クリックの果ての世界を知らざりき少年けふも鹿の肉裂く
田中彼方さん 洗礼者ヨハネの首を持つ
サロメみたいに、
シフォンケーキを君が。
bubbles-gotoさん みんなみんな既婚者になっていく夜だ 電気毛布の取説を読む
遠藤しなもんさん 春暖の候、わたくしはすれ違う人の好意に甘えています
かりやすさん 聖職者の瞳をもちて野良猫が仕事で凹むわれを迎へむ
やすまるさん ああ世界にのはらはあって春ごとの朱色の花は伝播してゆけ
紫月雲さん ひとひらの枯葉を連れて帰りくる貧しき人に電気は灯る
村木美月さん 調和してたまるかって言うように街のポストは今日も酔ってる
内田かおりさん 尾を振りて牛はただ立つ山際に落日の朱沁みて秋行く
今泉洋子さん 帰省せし子のまた去りゆくシャツの背に白きはやかに晩夏のひかり
TIARAさん 新雪を歩調合わせて歩く朝ひかる一つの楽器になれる
佐山みはるさん 佳きひとの住みたまへるかカーテンに風さわりゆく新しき家
HY さん 満開の藤棚仰ぎ観て思う仙女の天蓋この如くかと
ひぐらしひなつさん 花街に花なくかつて花たりしひとの曲がった影ゆくばかり
村本希理子さん みみたぶをぬらす雨粒ふたつみつ逢ひたいひとのゐないしあはせ
千坂麻緒さん いいやつを演じることに疲れたら藤井くんもう銃は捨てろよ
小林ちいさん マイナスを持ち寄り二人寄り添えばゆっくりゼロになってく不思議
はせがわゆづさん 欠片からこぼれた命を受け止めて夜毎繰り返す獏の妊娠
keiさん 路線図は複雑すぎる夏痩せの人差し指に負担がかかる
みぎわさん 解毒剤もたずに恋は堕ちるべし泥濘ふかく身は汚すべし
ろくもじさん 警報をかき鳴らせギター、これからもやっぱりひとりで生きるのだから
月原真幸さん 既視感が押し寄せてくる夜だからイヤホンをする 点滴がわり
ME1さん 夕焼ける水の鏡に映る陽は満たされていた春の残像
星川郁乃さん くちばしのない生きものであることの愉悦 わたしはやわらかな水
柚木 良さん 笑わせちゃいけないのだと怒られるとくに悲しくない人たちに
水風抱月さん 艶かなる黒髪編める母の指 耳朶を擽るかさつき愛し
香-キョウ-さん 艶やかな黒髪映える藤色の花びら連なる 簪揺れる
わらじ虫さん 言い訳とキスが上手になっていた赤の他人じゃないだけのひと
ぱんさん ペットボトル入りでもいいや あたしたちソムリエナイフなしでも笑える
にいざき なんさん 職安の長椅子に座る君の手を握れば今すぐ連れ出すぜ僕
みち。さん この街の壊死した場所になんとなくなんとなく埋めていくどんぐり
志井一さん 私にも居場所ができた ありがとう「格差社会」と名付けてくれて
帯一鐘信さん ぽつぽつと穴のあいてる傘をさし悲しい歌が水玉になる
笹本奈緒さん 来なきゃいい夜中のバスを冬型の気圧配置の隅で待ってる
鯨井五香さん 片道でロンドンへ発つ秋晴れのそのジャケットはあなたに似合う
ほきいぬさん あとはもう足首からめ眠るだけ ベッドの下には脱いだ役柄
里坂季夜さん 悩みなどないのでしょうと笑われて明日もこんなかんじでいこう
青山みのりさん 親殺しのニュースに息を詰めたあと子の焦点のゆらり揺れおり
久野はすみさん そのときの一日前とはつゆ知らず朝をはじめる蓮でありたし