第5節の敗戦で前半戦7位以下が確定し、全社関西大会出場という目標を失った状況で迎えた前節のレイジェンド滋賀FC戦は、敗れながらも辛うじて立ち直りの兆しが感じられる一戦となった。GK2人を故障で欠くアルテリーヴォは西岡が今季初出場。ハイボールと前線からのプレスを意識して角南をFWに据え、高田と前山をCBに配した開幕戦以来の4バックで試合に臨む。守備の修正が大きいだけに慎重に試合に入りたかったが前半4分、カウンターで右サイドを駆け上がった滋賀MF梅村からの低い弾道のクロスにFW岩田が合わせ、あっさり先制を許してしまう。早い時間帯の失点に前2節の大敗がよぎるも、ここから守備陣が奮起して滋賀の分厚い攻めを跳ね返す。今季初出場のDH大北と両CBがピンチを何度も防ぎ、クロスバーに救われる幸運もあって前半0-1で凌ぐと、後半アルテリーヴォが反撃に転じる。右サイドで攻撃を牽引した赤木が自ら角度の無いところから強烈なシュートを放つも滋賀GK内野のファインセーブに阻まれ、対する滋賀の速攻をGK西岡が横っ飛びで弾く等、まさに一進一退の攻防。樋口、宮本ら得点力がある選手を投入して勝利への執念を見せたアルテリーヴォだったが、最後は滋賀のしたたかなボールキープに翻弄されてタイムアップ、惜しくも連敗ストップはならなかった。
今節はアルテリーヴォにとって上富田スポーツセンターでの初のホームゲーム。紀南での貴重な公式戦だが、良い試合を見せたいといった余裕は今のチームには全く無い。前節アルテリーヴォは3位・滋賀に1点差で惜敗。だが、7位のアイン食品が首位相手にこちらも0-1と善戦したため最下位脱出はならず、さらに中位の奈良と加古川が勝ち点を積み上げたため、前半戦を終えた時点で6位に勝ち点差5と関西1部残留にいよいよ待ったなしの崖っぷちである。
今節の対戦相手 バンディオンセ加古川 は現在4位。挌上の強敵だが、アルテリーヴォは前半戦で勝利、昨季も1勝1分と勝ち越していて、苦手意識を持たずに戦える相手と言えなくもない。ただし、GK#1日野、FW#13堂柿ら名だたる新戦力がフィットし、前半戦首位のFC大阪から唯一の勝ち点を奪ってみせた今の加古川は開幕当時とは別チームと考えるべきだろう。
翻ってアルテリーヴォは故障者が多く、チームの熟成度で今なお遅れを取っている。前節ようやく大量失点に歯止めがかかり、先週末のヴィッセル神戸とのTMを0-1で終える等、少しずつ調子が上向いてきたが、守りで貢献してきたMF高田が今節は出場停止。守備のキーパーソンが不在だけに、まずはチーム全体で集中して絶対に不用意な失点をしないこと、その上で前節何度も繰り出した速攻を武器に、数少ないだろう得点機を如何に決めるか、粒揃いの快足アタッカーに期待がかかる。いずれにせよ、得失点差を考慮すれば2連勝しても降格圏脱出は難しいほどの差を既につけられている。ここから先、勝ち越し以上のハイペースで勝ち点を積み上げるより他にアルテリーヴォが関西1部に生き残る術は無い。
試合会場の上富田スポーツセンター球技場は南紀田辺ICから30分もかからず、球場やフットボールセンター近くを含めて駐車場が結構あるため、自家用車での来場に不便はありません。もっとも、和歌山以遠の方には南紀田辺ICまで来ること自体が小旅行かもしれませんが。
山腹の工業団地の一角という立地からコンビニ等は近くに一切無いため、事前の買い出しは必須です。また、公共交通機関での来場は事実上不可能です。JR「朝来」駅からタクシー(3Km以上)が唯一のアクセス手段です(くちくまのコミュニティバスは現在休日運休のため役に立ちません)。
桃源郷どころかアスパ五色に匹敵する関西きっての難アクセスの会場ですが、それと引き換えに競技環境だけならアスパをも凌ぐ素晴らしい施設でもあります。和歌山のみならず関西の社会人サッカーファンなら観ておいて損は無い上富田スポーツセンター、万障お繰り合わせの上、是非お越しいただきたく思います。
6/23(日) 14:00~ 関西1部リーグ 第8節
アルテリーヴォ和歌山-バンディオンセ加古川 ( 上富田スポーツセンター球技場 )
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