メガネの和諧堂(わかいどう)のブログ

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ノエル・コレ(サロン・ドトーヌ会長)による瀬野清・入選絵画・批評文その1

2015年02月23日 | 日記

 

 

SENO Kiyoshi   Chagrin  (technique  mixte,   74,2X52,8cm)

 

心を揺るがす哀歌、SENO Kiyoshiの”Chagrin"は、光と清澄さを記帳とした作品である。

まるでステンドグラスのように、画面全体には光が染みわたっている。そしてそこを統一する

絶妙な緑が、この画家の類まれな技術によって、「光の余剰」を吸収し、観る者は思わず

その心地よさに陶酔する。

 

目前で繰り広げられるあまりにドラマチックな構成というものが、しばしば観る者の興味を

誘うのに失敗してしまうのに対し、SENO Kiyoshiは我々の前に光のヴェールをかけてしまった。

そして我々はその光にすっかり包み込まれるーこの光に輝く子供の横顔のように。沈黙や

敬虔さ、内省を必要とする出来事の、さらに奥深くをみつめるために。

感動をよびさます作品とは、最大限の慎みを保ちつつ、人の痛みを表現する。

この作品が、高らかに宣言するよりもむしろ暗示しようとしている事を、私達は見過ごすべき

ではない。

また人間の慈愛と連帯の精神をもって、この「痛み」を分け合おうとしている事を。

ノエル・コレ氏(サロン・ドトーヌ会長)                         転載文責 塩見昭