◆店(みせ)を畳・む
商売をやめる。また、その日の営業を終える。店じまいをする。「―・んで国へ帰る」「八時に―・む」
※談義本・根無草(1763‐69)後「張華も博物の看板をおろし、東坡も相感志の店をたたむ」
◆ルーツでなるほど慣用句辞典
店を畳む みせをたたむ
https://imidas.jp/idiom/detail/X-05-X-32-3-0014.html
商売をやめる。店じまいをする。「都市再開発で辺りはオフィスビルばかりになったので、八百屋の店を畳もうと思う」
〔語源〕「畳む」は、ここでは、片づける意で、「身代を畳む」「所帯を畳む」などと使う。
◆たた・む【畳む】の意味
[動マ五(四)]
1 広げてある物を折り返して重ねる。折って小さくまとめる。「布団を―・む」「ハンカチを―・む」
2 広げたものを折るようにして閉じたり、すぼめたりする。「扇を―・む」「傘を―・む」
3 その場所で続けてきた商売や生活をやめてしまう。片付けて、よそへ移る。引き払う。「所帯を―・む」「店を―・む」
4 心の中に秘めておく。「胸に―・んで話さない」
5 構築のために石などを敷き詰めたり、積み重ねたりする。
「温泉ごのみに石で―・みました風呂は」〈鏡花・眉かくしの霊〉
6 幾重にも重ねる。積み重ねる。
「翠りを―・む春の峰」〈漱石・草枕〉
7 俗に、暴力でいためつける。やっつける。「ひと思いに―・んでしまえ」
8 積み重なる。
「用ガ―・ンデキタ」〈和英語林集成〉
[可能]たためる
類語
折り畳む(おりたたむ)
◆たた・む【畳む】例文一覧 10件
https://dictionary.goo.ne.jp/jn/136842/example/m0u/
●・・・ それを取って、すらりと扱いて、綺麗に畳む。「これは憚り、いいえ、それには。」「まあ、好きにおさせなさいまし。」 と壁の隅へ、自分の傍へ、小膝を浮かして、さらりと遣って、片手で手巾を捌きながら、「ほんとうにちと暖か過ぎま・・・<泉鏡花「妖術」青空文庫>
●・・・と蝙蝠傘を畳む。「え、そりゃお天気ですからね」と為さんこのところ少てれの気味。 お光は店を揚って、脱いだ両刳りの駒下駄と傘とを、次の茶の間を通り抜けた縁側の隅の下駄箱へ蔵うと、着ていた秩父銘撰の半纏を袖畳みにして、今一間茶の間と並ん・・・<小栗風葉「深川女房」青空文庫>
●・・・またときには露店が店を畳む時刻まで街角のレストランに腰をかけていた。ストーヴに暖められ、ピアノトリオに浮き立って、グラスが鳴り、流眄が光り、笑顔が湧き立っているレストランの天井には、物憂い冬の蠅が幾匹も舞っていた。所在なくそんなものまで見て・・・<梶井基次郎「冬の日」青空文庫>
●・・・袖を畳むとこう思う。この袂の中に、十七八の藤さんと二十ばかりの自分とが、いつまでも老いずに封じてあるのだと思う。藤さんは現在どこでどうしていてもかまわぬ。自分の藤さんは袂の中の藤さんである。藤さんはいつでもありありとこの中に見ることができる・・・<鈴木三重吉「千鳥」青空文庫>
●・・・十時頃、私は私の蒲団だけさきに畳む事にした。大隅君は、私のどたばた働く姿を寝ながら横目で見て、「君は、めっきり尻の軽い男になったな。」と言って、また蒲団を頭からかぶった。 その日は、私が大隅君を小坂氏のお宅へ案内する事になってい・・・<太宰治「佳日」青空文庫>
●・・・若い親方はプログラムを畳む。見物は思い思いに散って行った。散った跡の河岸に誰かが焚きすてた焚火の灰がわずかに燻って、ゆるやかな南の風に靡いていた。 いちばん大きな筒から打上げる花火は、いちばん面白いものでなければならない、という理窟はど・・・<寺田寅彦「雑記(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」青空文庫>
●・・・うな原のうねりの中に、雪と散る浪の花を浮かすときは、底知れぬ深さを一枚の薄きに畳む。あるときは黒き地に、燃ゆる焔の色にて十字架を描く。濁世にはびこる罪障の風は、すきまなく天下を吹いて、十字を織れる経緯の目にも入ると覚しく、焔のみははたを離れ・・・<夏目漱石「薤露行」青空文庫>
●・・・――傘は、畳むがいい。どうせ風に逆らうぎりだ。そうして杖につくさ。杖が出来ると、少しは歩行けるだろう」「少しは歩行きよくなった。――雨も風もだんだん強くなるようだね」「そうさ、さっきは少し晴れそうだったがな。雨や風は大丈夫だが、足は・・・<夏目漱石「二百十日」青空文庫>
●・・・こうなると家を畳むより仕方がない。そこでこれから南の方にあたる倫敦の町外れ――町外れと云っても倫敦は広い、どこまで広がるか分らない――その町外れだからよほど辺鄙な処だ。そこに恰好な小奇麗な新宅があるので、そこへ引越そうという相談だ。或日亭主・・・<夏目漱石「倫敦消息」青空文庫>
●・・・布団を畳む時、女給が、「あのしと、ひどいけがしてんのよ」といやらしそうにこっそり云って、せっせと臭い布団を抱え出した。蒼ざめた細面で立っている全体の物ごしで、すぐ左翼の運動に関係ある人と感じられる。「けが?」「…………」・・・<宮本百合子「刻々」青空文庫>
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総合インデックス
作家名、作品名の50音別に、公開作品と入力・校正作業中の作品を一覧できるインデックスです。公開中の作品を探すときは、下の近道もご利用ください。
公開中 作家別:
あ行 か行 さ行 た行 な行 は行
ま行 や行 ら行 わ行 他
公開中 作品別:
あ か さ た な は ま や ら わ
い き し ち に ひ み り を
う く す つ ぬ ふ む ゆ る ん
え け せ て ね へ め れ
お こ そ と の ほ も よ ろ 他
青空文庫 分野別リスト
http://yozora.main.jp/
分野別に公開作品を一覧できる、インデックスです。
◆そらもよう 著作権の保護期間を作者の死後50年から70年に延長
https://www.aozora.gr.jp/soramoyou/soramoyou2018.html
2018年12月31日 私たちの一年 明日へ
昨年青空文庫の20周年を祝い、つぎの20年に向けて船出をしたとたん、そらもようがかげりをみせ、見上げる青空の景色が変わってしまった。
12月30日をもって、環太平洋連携協定(TPP)が発効した。これにより著作権の保護期間を作者の死後50年から70年に延長する改正著作権法が効力を得たのだ。青空文庫では、著作権保護期間延長の可能性が示唆されるやいち早くこの問題を取り上げ、2005年元日の「そらもよう」を皮切りに、あらゆる機会をとらえ一貫して反対の立場を表明してきた。二度にわたる署名活動を行い「著作権保護期間の延長問題を考える国民会議」メンバーとして幅広い反対活動に参加し声を届けた。
著作権法はその目的に、保護と利用のバランスをとりつつ文化の発展に貢献するという主旨が唱われている。この文化に関わる問題が、TPPという経済協定の枠組みと抱き合わせで十分な議論もなく決められてしまった。
◆【店を畳む】の意味と使い方の例文(慣用句) | ことわざ・慣用句の百科事典
https://proverb-encyclopedia.com/misewotatamu/
2018/06/06
「店を畳む」の例文.
経営が悪化して、借金が重なり、ついに店を畳むことになってしまいました。
母が高齢のため、体の自由が利かなくなってきたので、店を畳んで故郷に帰ることにしました。
もう一度、パリに行って修行をしなおすために、店を ...
◆飲食店を閉店する際の作業・手続きは? 閉店費用を抑えて再スタートに繋げる方法
https://www.inshokuten.com/foodist/article/3660/
2016/09/20
苦労して立ち上げた店を自ら畳むことはなかなか出来ない。
しかし、必死になっても採算が取れない場合、閉店を余儀なくされるのもまた現実である。
進むか退くか悩むときには、“閉店するにも金と時間がかかる”ことを考慮しなくてはならない。
そこでここでは、「体力」を残して再スタートを切るためにはどのタイミングで閉店を決断すべきか、そしてどのような手続きが必要なのかを詳しく紹介していきたい。
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