ブランク(釣竿のカーボン素材)に漆を塗り、硬化したら
炭で研ぎ、三種類の研磨剤で磨く。
この研磨の作業が力仕事で、今の時期はたっぷり汗をかく。
研磨が終わったら、呂色磨き(鏡面仕上げ)の工程に入る。
完成までは長い道のりで、
はたして漆で塗る必要があるのか
はじめて漆で塗った竿で釣ったとき
震災の前の年2010年の8月、
どうにか呂色(黒漆の鏡面仕上)で塗りあがった、
はじめてのフライロッドを渓流で使った。
渓流の湿度で結露し、結露が晴れた黒い竿は
森の化生に近い気がした。
森の中の流れを少し釣りあがると、
ドライフライに大きなヤマメが出た。
どんな引きだったか忘れてしまったが、
魚と竿と私が森の中にいたことを強くおぼえている。