Aonsiwate Blog

フライロッド・漆器製作と岩手のくらし覚書

栃材

2016-04-28 15:20:00 | 漆と漆器

 

私は随分前から栃を釣具の部品に使っていました。

栃は比較的柔らかく、軽い素材です。

そして木目がきれい。

 

ただ、ウレタンで仕上げていた当時は

加工に気を遣う(削り出すときに刃物をよく研いでおかないとささくれる)、

ウレタン塗料を多く吸い込み、経年によって塗料を含んだ木自体が黄色く変色する。

ウレタン塗装しても木自体が柔らかいので打ち傷を付けた際、

木がへこみ塗装との間に空間ができ白濁化する(硬化したウレレタン塗料の硬度と

木の硬度に差がある)。

などの理由で少し苦手な素材でした。

 

 

漆を使うようになって、随分栃への評価は変わりました。

 

 

まず、木自体漆をかなり吸い込むので、強度がぐっと上がります。

しっかり木固め(希釈した漆を含浸させる)すれば木の強度が漆の強度に近づく感じです。

 

厚めの素材を使えば、木の内側に空気の層を閉じ込めることが出来るので、

魔法瓶的な保温効果も期待できます。

 

 

打ち傷を付けた際も、表面の漆塗装が木と一緒に動くので白濁・剥がれも起こりにくい(拭漆仕上げの場合)。

拭漆で表面に現れる杢目も濃淡がきれいだと思います。

 

 

現在では椀・釣具部品(リールシート)ともに栃を中心に製作していますが、

素材の入手が困難になってきている(木の流通が少ないようです)のが悩みです。

 

 

 


内塗椀の工程

2016-04-26 21:20:28 | 漆と漆器

 

私の製作している内塗椀。

椀の内側が黒漆の塗仕上げ。

外側が黒く染めた拭漆仕上げです。

 

 

製作工程が少し長くて、

まず木固めを二回、

外側の拭漆を四回、

ここで内側を5回塗り、

外側に戻って二回拭漆をして外側を仕上げ、

内側を上塗りして仕上げます。

 

 

それぞれの工程で、漆の種類も変わりますし、

拭漆の拭き方も変わります。

 

 

漆器を作り始めたころは、工程が細かくなる分、

リスクが拡散するので少し気が楽でした。

 

工程は普通の拭漆や総塗の1.5~1.8倍くらいかかりますが、

内側の強度を持たせつつ、外側の木の表情を見たいです。

 

 

 

 

 


イチゲとカタクリ

2016-04-14 21:48:29 | 日記・日常

 

珍しく気温の高い日だった。

盛岡の最高気温は21.5度。

仕事の帰りに少し川に寄る。

 

 

岩手山は曇天に隠れ、

 

 

青空は小さいけれど、暖かくて風のない日だ。

 

 

川は、少し増水。

 

 

一時間ほど釣りあがったのですが、

魚は、釣れませんでした。

残念。

 

 

カタクリと、

うちの近所では見られない、紫色のイチゲがきれいだったな。