驚愕の言葉

僕が大阪に車を受け取りに行っていた時のこと。

その日は金曜日で車の前所有者からの書類一式が宅配便で届くことになっていました。
運送会社の支店が甲府だったので、事前に連絡して書類を店舗止めにしてもらいました。
最近は荷がどこにあるのかがトレース出来て便利です。

軽自動車検査協会は石和にあって、僕の住む北杜市とは甲府を挟んで反対側にあります。なので、自宅に書類を届けてもらうよりも僕がその支店で受け取ってそのまま石和に行った方が時間のロスが省けるわけです。
金曜ですから、その日に手続き出来なければ週明けの月曜日になってしまいます。

家からカブで発進して甲府に寄って、石和へ。どうにか午前中で事務手続きが終わりました。
ええい！この勢いで行ってしまえ。ということで、鉄道で大阪へ行くことにしました。
そして無事車両を受け取って翌未明に帰還したのです。
＿＿＿

家内から聞いた話です。

その晩、家内がクッキーを焼いたのですが、娘が
「それ、パパにもとっておこうよ」
と言ったそうです。
「パパはみんなのためにがんばって大阪に行ってるんだから、パパの分もとっておいてあげよう」
と。

この子の言動はいつも皆を驚かせます。
その日の朝だって、不機嫌で家族みんなにケンカを売りまくっていたのです。

「そういうのを家族愛っていうんだよ」

その場に居合わせた家内と息子、唖然。あとで電話で話しを聞いた僕も唖然。

妹の武闘派ぶりに常に悩まされている兄はここでひとこと言いたかったようですが、家内がそれを押しとどめたそうです。
言葉はそれ自体で存在するものでもありますが、話者の日ごろのあり方もまた重要です。
あまりに本人の日常の生活態度からかけ離れた言動に対してはツッコミのひとつも入れたくなるのは無理からぬところです。

翌朝会った時には、やはり不機嫌でまわりに当り散らす娘だったんですけどね。
家族愛とかいう言葉を吐いたのはどの口だい？という感じでした。

ま、そんなもんです（笑）。
驚くような大人びたことを言ったかと思うとまたクソガキに戻る、こんなことを繰り返して行くんですね。