吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

腕時計

2014年12月06日 | 道具

携帯電話が懐中時計になったあたりからしなくなりました。

腕時計です。
最後の頃はデジタルの多機能のプラスチックボディのヤツを使っていました。

この時計を使っていたのは高校の頃でしたか。
母方の祖父の遺品です。
この金属のバンドが結構邪魔に感じたものです。
大事なものなのでなくしたり傷つけたくもなかったし。
それで、いつの頃からか安いデジタル腕時計になったのです。
まあ、あれはあれで軽くて柔らかくてしかも便利な機能付きで良かったけれどね。

それにしてもスイス製ゼンマイ腕時計すごすぎ。
もう50年くらいはメンテしていないはずなんだけれど、数日経っても1分狂わない。

僕の仕事なんて基本数百年前のテクノロジーで、しかもそれを凌駕出来ないというとんでもないものです。
そんな時代錯誤とも言える仕事をしていながら、日常生活は現代のモノに満たされてきています。
そして、かつて身近にあった様々な道具も手元から消えていっています。

ちょっとその辺を取り戻してみようかと思っています。
人の生活や心に深く入り込む道具を作る者として。
僕らは手間を省いたのではなくて、豊かな時間を失ったのかも知れない。

まだ、時間を見る時、つい携帯を取り出してしまうんだけどね。
来年あたりオーバーホールしてもらおうかな。まだ、時計職人さんたちが健在なうちに。


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