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吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

救出作業中

2008年07月31日 | オルガン
月曜から、都内で廃棄されるパイプオルガンの回収作業をしておりました。
あと一回最後の便を搬出して終了の予定です。
本当はすべてを救いたかったのですが、時間的にも置き場の点でもそれは不可能だったので、主要部品、主にパイプだけしか回収出来ませんでした。

大抵この種の作業は、時間の制約がきつく、とんでもないスケジュールになってしまいます。
今回は、無理なく出来る範囲のことだけをするつもりだったのですが、結局、いつものハードコースになってしまいました。

まず、月曜日。
すでに先週から一部の作業は始めているのですが、最大の難関であるところの「16フィート木製開管」の搬出が山でした。
約4.8メートルで一抱えもある太さの木の柱状の管が最大のパイプです。
これを手下ろしで二階から下ろしてトラックに積むのです。
こちらは、僕と家内、それからパイプオルガンに関心があるとおっしゃる一般人のクミコさん(働かせてしまってごめんなさい!本当に助かりました)。

解体時は、あまりの暑さと埃だらけでしかも狭い環境ゆえ、シャツがドロドロのボロボロになってしまうので上半身裸で作業することとなってしまいました。
でも、狭いところなので、体が擦れて痛いんですけど…。
シャツは破れたら直さなくてはいけないけれど、人間は傷ついても勝手に治るということで…。

奇跡ともいえるチームワークで初日を終え、二日目。
前日の大物搬出の成功に気を良くしてしまったか、予定に無かった古い送風機(スペンサーってメーカーのオルガン用、クソ大きくて重い)を回収することに。
ええ、大変でしたが何とかこなしました。
ただ、この日はレンタカーの手配の関係で、開始時刻が遅れたことが最後まで堪えました。
クミコさんのご活躍のおかげで、運ぶべきものは良くまとまってはいたのですが、なにしろ数が多く、搬出ルートの長さもあって、僕はついに危険状態に入ってしまったのです。
熱中症の初期と思われる酷いめまいと、全身の筋肉の痙攣、引きつりは水分、ミネラルの不足によるものか、動けなくなりそうになってしまったのです。
その時はすでにひとり。
何とか建物の外に出て、自販機で飲み物を買って、ひと息ついていたら、夕立が来て、ものすごい雷と雨と風。
あわててトラックの箱の扉を閉めました、全身ズブ濡れになってしまったのですが、体調回復、冷却されたのか?
もしかして激しい風雨と雷は僕に力を与えるのか?

それにしてもこんな体力頼みのやり方はそろそろマズいよね、判ってはいるんだけどね。

さっ、あと少しだ!がんばろう!

繊細かつデリケートな仕事を得意とする職人のつもりなんですけど、そうは見えないようです。

ほぉぉぉぉ

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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見えなくもない (伊那の大工)
2008-07-31 07:26:34
中学時代に憧れていたブルース・リーに見えなくもない(若干弛んでいるのは致し方ないとして)。
当時、彼はすでに亡くなっていたわけだが、その年も我々は越えてしまった・・・。

無茶な生活は後々、確実にきいてくる年齢。高テンションの揺れ戻しでガクッとくることのないことを祈るのみです。
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そろそろ限界か (ひろなん@風琴屋)
2008-08-01 22:27:35
伊那の大工さん、ようこそ!(さんがついたぞ)

オルガンから出てきた姿が「カンフー映画の人みたい」ということで、ちょっとポーズをとってしまった。

ブルース・リー…懐かしいよなあ。彼の流れを継ぐ者は今も現れていないな。
歴史上の人物の享年を知ると改めて驚くことが多いね。
じじいかと思ったら結構若かったりして。

今度のことで、さすがにひとりの限界を感じた。
ともに働く者、後を託す者、本気で捜さないといかんね。
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