White and Black Wing

『ツバサ』の吸血鬼双子と猫LOVE
最近はマイペースに更新中

『X』18.5巻続き6

2017年10月27日 | SS
『スキップ・ビート!』41巻が
出てたのでお買い上げしてきました
感想は今度書きますね
以下ss続き





議事堂の丁の部屋へ到着した神威たちが見たものは、空汰と嵐が戦っている姿だった。

「空汰っ……嵐、一体何があったんだ?」

空汰が神威の声に気付いたものの視線は嵐に向いたまま名を呼ぶ。
一方、嵐の方は何の反応もなく空汰へと斬りかかっていく。

「神威、鬼咒さんの様子がおかしい」

昴流は懐から呪符を複数枚取り出すと空汰と嵐の方へ投げる。
呪符は白い鳥型の式神になって空汰を守るように飛び、嵐の剣先を狂わせていく。
「陰陽術!? 昴流さんもおるんか?」と驚きの声を上げる空汰のもとへ駆け寄る。
見ると空汰は両腕に数ヶ所、そして右の脇腹に切り傷を負っていた。

「神威、昴流さんも、何でここへ? あぁ、勝ったんやな」

「丁に聞きたい事があって来た」

「今のお姫さんは別人や。それより嵐を戻せんやろうか」

「どうやら伊勢の巫女は『天の龍』の夢見に操られているようだな」

嵐が繰り出してくる切っ先を神剣でなぎ払いながら封真が唐突に話し出す。

「何で『地の龍』の『神威』がここにおるねん。最終決戦終わってないんか?」

「詳しい事は後で話す。それより嵐の事が最優先だ」

「鬼咒さんの意識を目覚めさせればいいんだよね」

それまで嵐の方を見ながら何か思案していた昴流が口を開く。
神威と空汰に名前を呼ばれた昴流は2人の方へ顔を向ける。

「僕が鬼咒さんの中に入ってみます。ただ、動きを止めてもらう必要があるんだけど」

昴流の言葉を受けた封真が手を動かすと几帳が飛んできて嵐を床に押さえつけた。

「これでいいか?」

「ありがとう『神威』」

呪文を唱えながら昴流は嵐の額に手をやり、彼女の意識へと入っていく――が、
普通ならあるはずの拒否反応が一切ない。
不思議に思いながらも奥まで進んでいくと嵐の意識は檻の中に閉じ込められていた。
もう何も見たくないと言わんばかりに蹲り顔を伏せている嵐へと近づいた昴流が名を呼ぶと弾かれたように顔を上げ立ち上がった。

「昴流さん。私、空汰さんを……。私を止めてください」

檻に手をかけ必死に言いつのる嵐の姿に昴流は落ち着かせるように笑顔を見せる。

「有珠川くんは大丈夫。僕は鬼咒さんの意識を戻す為に来ました」

そう言いながら印を結んで檻を破ると左手で嵐の右手を取った。
後は戻るだけ。

「一緒に戻りましょう――え?」

「どうしたんですか?」

昴流は見えない壁に右手で触れた。

「『道』が閉ざされている……いや、これは結界」

拒否反応が全くなかったのは最初からここに閉じ込めるためか。

『X』18.5巻続き5

2017年10月20日 | SS
タイミングが合ったので
珍しく2日続けて更新です
以下ss続き






「神威さ~ん。終わったんですか~?」

戦闘が中断している時間が長かったせいだろう、護刃達が神威のいる所へ向かってきた。
しかし、まだ終わってない事に驚き、昴流がいることで再度驚いていた。
火煉は昴流に簡単に説明をしてもらうと「先ほどの庚が殺されるビジョンも偽りかもしれないわね」と言い出した。
もう『天の龍』ではない昴流が護刃にビジョンの説明をしてもらっているのを目の端に捉えつつ、
何故そう思うのか尋ねた神威に「タイムラグがあるからですよ」と蒼軌が答える。

「あの場にはすでに『神威』がいました。なのに『神威』に殺されたビジョンを見せたのが不思議でした」

蒼軌の言葉に神威は冷静になった頭で考えてみる。
確かに丁は『夢見』だから、もっと前からこの事を知っているはずだ、敵ではあるが『天の龍』たちに警護を頼んだとしてもおかしくない。
それなのに封真がいるあの状況であの『夢』を見せる意味はなんだ?
しかし神威に答えは出せないままだった。

「私、まだ間に合うなら庚さんって人を助けに行きたいです」

護刃がそう言いだし、蒼軌と火煉も一緒に行くと申し出た。
神威たちは二手に分かれて行動を開始した

『青の祓魔師』20巻感想

2017年10月19日 | 青の祓魔師関連
ここ最近、気温の変化が激しいですね
今日は寒かった
何やら台風も来るようで……
早くお天気も気温も安定して欲しい所
さて『青エク』20巻の感想です
以下ネタばれあり☆







最初の方は
ハッピーメリークリスマスとか
柔造と蝮の結婚式やら
それなりに平和な感じだったのに

いや、でも雪男が……
知りたい欲求で暴走してたっけ

勝呂に銃を突きつけた時は
私もビビりましたよ
心配の度合いも一気に跳ね上がりました

しえみの所で安心しかけたのに
燐の名前が出た途端
雪男の感情が爆発して
更に不安を煽る事になるとは……

雪男といえば
この巻の最後のあれって
サタンに憑依されたって事でしょうか?

……でも獅郎の時と違って
雪男自身、正気は保ってますよね?
じゃあ違うのかな
潜んできたのが出てきたって事なのか?
これは続き読まないと分からないですね

今日の所はこのくらいでしょうか
また何か気付いた事があれば書き込みますね

『X』18.5巻続き4

2017年10月13日 | SS
本屋さんに行ったら
『青エク』の20巻が売ってあったので
お買い上げしてきました
そのうち感想書きますね

以下ss続き









「仕組まれた? 誰に?」

選択は自分に任されていたはずだ。そう思う心と得心がいく思考が神威の中でせめぎ合う。

「答えは既にお前の中にあるんじゃないのか? 神威」

封真は――もう一人の『神威』は――そんな神威の心情を理解したうえで答えを見つける事を促した。

破壊される結界の夢見が不明瞭だった事
大人しい犬鬼が吠えたときの事
自分が東京に来た時襲ってきた同じ式神たちに時鼓さんがさらわれた事
その式神の呪符が丁の放った呪符と同じだった事

神威が出した答えは……『丁』。と、同時にある事を思い出した

「しまった。俺、空汰に丁の呪符を使った護法で見張ってくれるように頼んでたんだ」

「それで有洙川くんは」

昴流は心配そうな表情で空汰を探そうと辺りを見渡す。

「姿を消した嵐を捜しに行ったまま帰ってこない」

「伊勢の巫女は地の龍についた」

やはり唐突に会話に加わって来た封真は核心だけを突いてきた。

「何で?」

「さあ? こちらの夢見が見たのは地の龍についたという事だけだ」

「とにかく確かめてみた方が良さそうだね」

「ああ。議事堂へ行く」

3人は頷きあい議事堂に向けていこうとした時――、

『X』18.5巻続き3

2017年10月06日 | SS
今日は寒かったですね
このまま秋が進んでいくのかと思いきや
来週、また暑くなるんだとか……
お互いに体調に気をつけましょう

それでは以下ss続き




「神威。それは神威が天か地を選択するのが前提の話だよね?」

「……前提?」

「僕が地の龍になった時、『神威』は何もする必要はないと言ったんだ」

唐突とも思える昴流の言葉に神威は戸惑いの表情を見せ名を呼ぶ。
昴流は辛そうな表情で話を続けた。

「それなら天と地に分かれている必要があったのか考えてた」

「答えは出たか?」

それまで無言だった封真が興味深そうに昴流に問いかける。

「……そもそも分かれる必要はないんじゃないかと思ってる」

神威が自分の答えでどれほど傷つくか分かった上での言葉は
しばらく逡巡したのち涙が流れないのが不思議なほど悲しげな顔で紡がれた。
瞬間、昴流の肩を掴んでいた神威の手から力が抜け腕を伝って下に落ちる。

「俺のせいだ」

「違う」

絶望を宿した神威の声を昴流が即座に否定をするが、

「俺のせいで」

「違う。神威聞いて」

届かない。今度はもっと強く。神威の両手首を掴みながら。

「こんなことに」

「君のせいじゃない。そうなるように仕組まれていたと思うんだ」

昴流の思いがけない言葉に神威も虚を衝かれた形になる。