ユニット構成を変更したメインスピーカーのエージングも進み、セッティングも進めていきました。
メインスピーカーの諸元は以下のとおりです。
高域ユニット:JBL 2445J
高域ホーン:JBL H93
高域スピーカーケーブル:VSF 0.75sq
低域ユニット:ALTEC 515-16G
低域ホーン:ALTEC 816B
低域スピーカーケーブル:VFF 0.5sq
クロスオーバー周波数:530Hz(-6dB/oct)
以上の構成は既製品のJBLオリンパスやJBLハーツフィールドに近いと思います。
JBL H93はJBLオリンパスに純正装着されていたホーンでして、500Hz(-12dB/oct)クロスで使用されていました。
ショートカットホーンなので、見た目小さいホーンでもカットオフは400Hz辺りです。ただ、ホーンロードが掛かるのが3kHzからなので、周波数特性はフラットにならず、3kHzから盛り上がります。しかし、JBL 2445Jはフェイズプラグが改善されており、3kHzからハイエンドまでフラットに伸びます。実際の印象では、JBL 2403と比べると細身で弱いハイエンドですが、ローエンドの伸びと上手くバランスしているように感じます。
高域がJBLで低域はALTECという組み合わせなので、音色の違いが懸念されました。
以前、借り物のJBL 2445JとJBL 2380Aを上記諸元にあるALTECの低域と組み合わせたことがあり、その時の印象では高域のJBLのエネルギーに低域のALTECが負ける格好になりましたし、音色もJBLがソリッドで高解像度、一方のALTECはソフトで解像度が劣る印象でした。
しかし、今回はホーンがJBL 2380AからJBL H93へと小型になるので、エネルギーバランスは取れる方向になると思われました。加えて、スピーカーケーブルによって音の太さを調整した上で、パワーアンプも高域側だけに柔らかい音のリケノームRMAを使うことでバランスを取ってみました。
結果的にはエネルギーバランスも良いですし、音色的にも上手く融合できていると感じます。
エネルギーバランスにおいて、JBLオリンパスやJBLハーツフィールドは高域が勝ち気味のシステムであると聞きますが、今回の構成では低域がフロントロードバスレフなので、JBLオリンパスで不足すると思われる低域のエネルギー、つまりは張りや押しといった部分の不足感がありません。また、JBLハーツフィールドで不足すると思われるローエンドの伸びも、バスレフ動作で補えています。
音色的には、スピーカーケーブルとパワーアンプの調整が狙い通りにJBLのソリッドな印象をソフトに変化させつつ、ALTECのソフトな印象を締め上げることが出来ました。
音色が揃ったのには、電源も貢献できているように感じます。市販のリチウムイオンバッテリーセルは、製品によるのかも知れませんが、音が硬く細いです。これには生セルそのものが持つ音色もあると思いますが、生セルに直列に接続される保護回路のスイッチングFETと、並列に接続されるコンデンサの音色に与える影響が少なくないと思われます。
今回製作した自作リチウムイオンバッテリーセルはスイッチングFETに2SK2554、コンデンサにニッセイAPSを使用したので、市販リチウムイオンバッテリーセルと比較して自然で歪が無く、機器を強力にドライブしている印象です。強力にドライブすることで、JBLの硬さが高解像度へ昇華され、ALTECの煮え切らない芋な印象がシャキッとした様に感じますw。
っと、自画自賛を書き連ねまして、大変お見苦しい内容で恐縮です。
以上のように、今回の構成変更で上手く言った部分の他に、上手くいかなかった部分もあります。
高解像度を得た代わり、実在感を失ったように感じます。
特に良くないのがバイオリンです。弦の艶やかさや表情の豊かさは、以前のALTEC 311-60とALTEC 288Hの組み合わせと比べると失ってしまった部分です。
しかし、初期エージングが終わったとはいえ、これからエージングが進むことで徐々に改善すると思われます。
でも、ALTECが恋しくなって、スロートアダプターを作ってJBL H93にALTEC 288Hを接続することになるかも?知れませんね。
※追記
現在の周波数特性です。
カタログデータから予想された、3kHzからのホーンブーストは僅かです。
測定に使用したiPhoneのマイクは、100Hz辺りから低域がカットオフするようですから、それを考慮すると相当に低域が伸びているようです!
低域は非常にタイトですが、バスレフ動作の帯域はホーンロードが掛かった部分に比べてルーズですから、その部分の改善をしなければなりません。
エクスポネンシャル・ホーン好きとしては是非挑戦して欲しいです。
もしも2403と2445Jを組むならば2445Jに2441の振動板を組むか、ノーマルのまま2403を足さずに8~10kHz辺りからブーストする設定がお奨めです。
先程、周波数特性を計ったらカタログスペックとは違う結果でした。やっぱり、耳で聴いたことが全てですね!
ノーマルとハイブーストを比較検討してみます。