かつて火山は、活火山、休火山、死火山に分けられてきたが、最近ではそのような分類そのものが根本的に間違いであるとされている。
千年単位に及ぶ長い休止期間があっても、いつ再活発化するか、全く分らないからだ。
火山観測には、地震計、傾斜計、空振計、GPS、磁力計、重力計、歪計という計測装置で周辺環境をモニターしているが、大したことはわからない。
最近、火山の内部をX線のように透視する方法が登場した。
それが素粒子ミューオンを使う方法だ。
陽子線(水素の原子核)が、宇宙のいたるところを、四六時中飛び回っている。 それが地球に飛び込んで大気の原子核と反応して最終的にミューオンという素粒子になる。
これはスーパーカミオカンデでいつでも観測されている。 人体でも毎秒二百発のミューオンが貫いている。 透過力が非常に強く人畜無害だ。
これが火山に飛び込めば、山体を貫いてX線で撮ったように火山の内部を見せてくれる。
マグマとか、火道とかがあればリアルタイムで観測できる。 データを蓄積・研究していけば、火山噴火予知は夢ではない。
現在、このようなミューオン利用の透視技術が最も進んでいるのが日本だ。
これは、医療技術、化学等にも無限の応用が期待できる。
低温核融合にも応用できると言うから驚きだ。 これが実現できれば日本の最大のウィークポイントたるエネルギー問題を克服できるのだ。
素粒子研究は、何か別世界のことを、一生懸命に理論を組み立てたり、推理したりして研究してきたのかと思っていたが、このように実際に役立つところまで来たのかという驚きと感動と期待がある。
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