鉄筋コンクリートの寿命は、凡そ50年~60年だ。 堅くて丈夫に見えるコンクリートだが、その耐久性は、石、木、土に比べれば、著しく劣る。
木で出来た法隆寺、石でできたピラミッド、ギリシャ、ローマの遺跡、土でできた古墳等も千年以上の時を経て、健在だ。
コンクリートは長い間に、水に浸食される。 鉄は水で錆びる。 錆びる膨張しとコンクリートを押し広げ破壊する。
1960年代の高度成長期に、大量の橋、水門、堤防などが作られ、今日本中のインフラが一斉に寿命を迎え老朽化しつつある。
笹子トンネルの天井崩落、福岡トンネル、北九州トンネルでのコンクリート塊の落下等がある。 いずれも老朽化によるものだ。
長野県の新菅橋、岐阜県の島田橋、沖縄県の辺野喜橋、等、いずれも二十数年後に落下している。
落下しないまでも、老朽化により通行止めになっている橋は、2012年現在、日本全国で217橋となっている
米国では、我が国より凡そ、30年ほど早い1930年代に、様々なインフラをコンクリートで作り始めたが、50年後の1980年代に、相次いで、大きな橋梁落下事故が発生している。
問題は、保守にかけるコストだ。 作って暫くは、保守にかけるコストはほとんど不要だが、それをそのまま継続してしまう。
どんどん作るのはいいが、最初から、50年後を見越して、保守点検費用を計上しておかなけらばいけないのだ。
これは、トンネル、橋、のみでなく、道路、箱物、等々全てに当てはまる。 建物の維持管理に、苦慮している自治体も多い。
それを考えれば、あまりメリットのないインフラはやたらと作るべきではない。 地元利益誘導の議員たちも、この辺を考えてもらいたいものだ。
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