F3試乗

アグスタのF3の試乗車が入ったと聞いたので、モトスクエアに行ってきました。昨日(日曜日)。

もう噂で皆さんご存知と思いますが、例によって例の「日本仕様」です。ええ、この取ってつけたようなマフラー。オリジナルの小型3本出しマフラーのスタイリッシュさが失われてしまいました。それだけでなく、どうやらECUもオリジナルから変わっているそうです。それが明らかな乗り味の違いになって現れている・・・かどうかは、オリジナルを乗ったことがないのでわかりませんが、お店の方によると、「わかるレベルで違う」とのこと。特に低速はもっとパワー感があるそうです。

てなわけで早速試乗レポ。

最初、まずエンジンをかけて・・・ガラガラうるさい?ゆーきさんのF4の音を久しく聞いていないので、比較しにくいですが、それでもそういえばF4は国産4発とは違った、エンジンからノイズっぽいガラガラ音が聞こえる、荒々しいイメージの音だったような気がします。F3もDaytona675に比べてエンジンからの音が大きい印象。Daytona675は吸気音と排気音メインですもんね。エンジンそのものは「シューン」って感じ。そのへんからして全然違います。

そしてまたがって、ブリッピング。って、軽っ!アクセル軽すぎ!なにこれ?なんでもF3はフライバイワイヤ式なんだそうで(最近、ニューモデルのメカニズムすらきっちり調べなくなってるので、フライバイワイヤであることを知りませんでした)、「アクセルを開ける=燃料供給装置のワイヤを引く」ではなく、「アクセルを開ける=コンピュータにアクセル開度を知らせる」になってるわけなんですね。だから、言ってみればアクセルはスイッチというか、ボリュームつまみみたいなものなわけです。だからワイヤを引く感触というか、重さみたいなものは全く必要ないといえばそれまでなんですが、それでも今までのバイクに慣れた身にはこのアクセルの軽さは違和感バリバリです。ちなみにあとで書きますが、パニガーレSにも試乗しました。パニガーレもフライバイワイヤなんだそうですが、こっちは自然なアクセルの重さでした。要するに、F3はアクセルの戻し方向のバネが単に弱すぎるのではないかと・・・。

また、ポジションは写真の通り、結構自然な感じ。私のDaytona675(なぜストリップなのかは後日書きます)とくらべて・・・・・・あんまり変わらない?もちろん、撮影ポジションが同一でないので違いがわかりにくいのもありますが。ただ、乗った印象では、F3の方がちょっとだけ垂れ角が少なめかな。Daytona675は垂れすぎだと前から思っているので、F3のポジションは自然に見えました。また、ゆーきさんのF4はなんだかんだでやっぱり4気筒らしい横幅を感じましたが、F3はジャストバランス。Ducati系の無理矢理な感じの細さもなく、4気筒のボリュームもなく。Daytona675の方が細いくらいですが、ニーグリップのしやすさはF3の方が自然に思いました。

さて、ようやく走り出します。(走り出す前、ブレーキレバーが手前過ぎたので調整しました。ニッシンのラジポンで、Daytona675と同じです。試乗車のブレーキレバーを"6"の位置にするのはどうかと思いますよ、モトスクエアさん)アクセルが軽いのは仕方ないとして、それとは別問題として低速がスッカスカです。5000回転まで回してようやくトルク感が出てきます。それ以下はストールしそうでクラッチレバーから指が話せませんね。954イシカワくんに乗せてもらった'07(だっけ?)のR1も、リッターのくせに低速がないな~、って感じでしたが、ある意味似ているかも。この低速の無さは街乗りでは結構辛いと思います。モトスクエアの試乗コースは何度も走っていますが、0発進以外でローギア使ったのは初めての経験でした。田舎道で40km/hで車について走るときはローギア使うことになるかも。ただ、シフトダウンのショックは少なくて、気がついたらローギアに入れていた、って感じだったので(私が今まで所有したバイクはいずれもローギアに入れてクラッチを繋ぐと、明らかに他のギアとは違うエンブレが効いて「やべっ!」って気がつく)、「攻めるときもローギアを使える」とポジティブに考えることもできるかも。・・・(攻めてる時は)できないかも?w そのシフトダウンのショックに関しては、スリッパークラッチは入ってないはずなのにおかしいなと思ってお店の人に聞くと、フライバイワイヤの恩恵かも、というコメントでした。つまり、フライバイワイヤがあるおかげで、操作をしてもワンテンポずれた反応が返ってくるので、シフトダウンのショックもそれで緩和されるのかも、と。ただ、例えばアクセルを戻すだけの操作の時もワンテンポずれてエンブレが効き始めるので、違和感があります。Daytona675だとアクセルを戻し始めたと同時に(アクセルを戻し切らない状態でも)エンブレが効き始めて、アクセルを戻す量に応じてエンブレの効きも強くなっていく・・・って感じですが、F3だとアクセルを戻しきってから「あれ?まだエンブレ効かないの?(この間0.5秒)」と思った次の瞬間に効き始めるといった感じ。アクセルそのものが軽いこともあって、この感覚の差は結構強い違和感を覚えました。

悪いふうに書きましたが、逆に言えば、高回転向けの設定とも言えます。現にDaytona675は最高出力が12500rpmですが、F3の本国仕様は14400rpmだとか。明らかにキャラクターが違います。高回転キープの走り方が似合う、ある意味強制されると言っても過言ではない、そういうエンジンに感じました。確かに高回転まで回すとすっごい加速なんですよね、当たり前ですがw ただ、4気筒の加速ともちょっと違って、Daytona675の加速ともちょっと違う。二段ロケット的な感じ?8000rpm前後までが街乗り域で、フラットなんだけどパワフルじゃない感じ。10000rpm以上が暴力的なパワフルさなんだけど、そこから回転数が増えてもフラットに増えていく感じ。そこが4気筒とは違うところ。Daytona675は下から上まで単調なくらいフラット。街乗りが多かったらDaytona675、街乗りを犠牲にしてでも峠やサーキットでぶん回したいならF3ってとこかな、と。アクセル戻し側のバネは、調整キットがそのうち出るんじゃないかなー、とは思ってますw 多分バネの入れ替えで行けるんじゃないの?

その他は・・・逆回転クランク、ってのが注目されてますが、正直低速域ではわかりません。「コーナリングに安定感を出す」とか何とか言われているのを見た記憶がありますが、コーナリングって車体を不安定にして向きを変えるもんだと思ってるんですが、そのへんどうなんだろ?向き変えとか意識しない、Rの大きいコーナーだと有効な気もしますが。もしかして、昔の2stみたいな乗り方が有効ってことになるのかも?高回転キープしっぱなしで、ラインはできるだけRが大きく取れるラインで・・・って。ピッタリハマればすごく速いかもしれませんね。少なくとも、今回の試乗コースではメリットもデメリットも感じないレベル。っていうか、逆回転かどうかすら感じないレベル、でした。

あとは、車体か。車体は良かったですね。素晴らしいと言ってもいいレベル。もちろん街乗り域の話ですが、外車で街乗り域でサスが適切に良く動いて乗りやすいと思ったのはストリートトリプル以来。フロントがマルゾッキでリアがザックスですが、バネレート的にも適切なセッティングに思いました。ギャップで跳ねないしハンドル取られないし、交差点曲がるレベルでも前後のピッチングが感じられるし。ただ、それじゃエンジンが求めている高速度域ではどうなのかは・・・なんとも言えません。アジャスターがあるから調整してね、ってことなんでしょうね。

結論として、詰めの甘さもあるが、スポーツバイクとして割り切るなら一つの選択肢かも。ただ、Daytona675から乗り換えは、ないですね。別物のキャラクターなので、違いを楽しむ向きもあるかもしれませんが、私が3気筒ミドルクラスに求める性格はDaytona675の方が近いです(エンジン的な理想はストリートトリプル・・・が高回転まで回ればw)。ただ、車体はこっちのほうがイイな。重心が低く感じて、Daytona675の高いところから倒れていく不安感みたいなのが少なそう。エンジンをDaytona675で、車体をF3にしたら、かなりアリかもw

かなり長くなっちゃいましたね。
パニガーレSも試乗して、その比較も書こうかと思ったんですが、それは次のエントリーに回します。
以下は、気になった部分の拡大写真。





みんな気になるマフラーですが、3本出し用のカバーの裏はこんな感じ。カバー裏に箱があるのは本国仕様でも同じですが、そこから出ているパイプの数が1本だけになっている、って感じ。逆に本国仕様って、サイレンサーらしいサイレンサーがないのね。この箱は触媒らしいし、触媒を通りながら消音する設計みたい?で、1本出しマフラーを支えているのはタンデムステップ・・・かと思ったら、タンデムステップ裏に金属の板を這わせて、それで固定している様子。左のタンデムステップ裏は肉抜きの様子が見えるのにねw






その他は・・・まずクラッチレリーズが、Daytona675と同様に下向き。またBabyFaceあたりがスライダーを作るんだろうなぁ。シフトペダルはクイックシフター付き。初めてクイックシフターを使ってみましたが、違和感バリバリw っていうか、シフト操作がすごく硬くて壊しそうな怖さがありますw 手動シフトでいいやとも思ったけど、あのアクセルの感触だとノークラシフトは難しいかも。アンダーカウルは中途半端な形状。何で前半分はサイドカウルと一体にしたんだろ?オイル受けタイプの「舟」にしたければ、この前半分部分はぶった切らないとダメかも?そんなことするくらいならサイドカウルも社外品ですよね。そうやってお金がかかるんですね。ちなみに、カウルの下から見えてるホースですが、実はアンダーカウルにホースを通す穴が開けられてます。ホースを固定するためなんでしょうが、こんなやり方初めて見た。ラジエターは上下二段。下はオイルクーラーかもしれませんが。とりあえずDaytona675は、この上のラジエターよりも一回り小さいラジエター一つのみ。あれでよく冷却で来てるな・・・逆にF3はゆーきさんのF4みたいなオーバーヒートの恐怖と戦わなくて済みそう?






左はステアリングステムを下から見たところ。なぜそんなことをするかは・・・数日後の、私のDaytona675がストリップになった理由にて。しかし、ここまで覆う意味あるのかな?メンテが不便なような・・・。残り3つはブルターレ675。見た目的にはカウルを剥いだF3ですね。ただ、やはりサスはコストダウンの結果でしょう、フロントもリアも減衰の調整機構が無いようです(良く調べてないので、あったらごめんなさい)。他はほとんど同じで、クイックシフターもついてました。でも、カムとかエンジンキャラクターは変えてるでしょうね。F4とブルターレも別物でしたし。Daytona675とストリートトリプルも違いますし。こっちがどういう味付けなのかも興味津々。
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