はじめてのうずら日記

うずらを飼うのは初めて。試行錯誤の飼育日記です。

沖縄の短歌   1073

2015-03-02 21:47:40 | 日記

 風は強かったが春らしい日だった(東京は)、道東は吹雪らしくて飛行機が飛ばず息子が来られないという。

多摩川の殺人事件はつらいなあ、多摩川はフィールドだったしあの辺の河原も歩いたことがある。明日は桃の節句だというのに。

歌友の伊勢谷伍朗さんがまた新しい歌集を出された。今度は沖縄を題材にしたもののみで編集されている。伊勢谷さんは元外国航路輸送船の船長さんだった方。初期の乗組員さんが沖縄関係でその方に関心が高まり熱心に通ったようだ。沖縄の、特に戦争の悲惨さ、に題材を絞っていているが多彩な歌が並んでいる。こういう作りも良いな。ベテランで第三歌集である。題名は南米就航時にラジオで聞いた放送、RADIO-PANAMBI、パラグアイ国の原語(グアラニー語)で蝶、に由来するそうだ。

『PANAMBI=蝶』 伊勢谷伍朗 本阿弥書店 2015年2月刊

・肩振りに追い込み漁のグルクンは視えぬ魚道を逃げてゆくらし  

      肩振り=気楽に話し合うこと、海上用語

・ウチナーの響きはわれに哀しくて〈糸満売り(イチュマンウイ)〉を初めて聴けり

・罰掃除・立たされ坊主の想い出は方言禁止とスパイ疑惑と

・こんなにも金網の種類あるのかと積載すれば船は傾く

・青武鯛・赤羽太・矢柄の刺身食む藍色の海はいつでも淡白

・学童の影に隠れて見えざりし幼児・母親も犠牲者なりし

・戦争の勝者が残す資料なり、されど敗者に言葉もなくて

・泡盛の強き酒精が漂えば緊張感がぐしゃぐしゃになる

・「戦世(いくさゆ)は日本兵居れば危険だ」と読谷村史に老人のこえ

・黄金の蛹が羽化して飛翔する毒もつゆえに生きのびしとぞ

・阿嘉島にアリラン峠在るを知り道標見つつ峠を下る

・真昼間の船の汽笛に誘われ六十五年目のながき黙祷

・五種類の叫びをムンクは描いている島の叫びと似ている歪み

・争いはいつも子供が犠牲なり沖縄の子も ガザ地区の児も