ウワミズザクラ & イヌザクラ
ウワミズザクラ(上溝桜 バラ科 ウワミズザクラ属 <or サクラ属> 落葉高木 花期4,5月 果期7,8月頃)
東日本以北に自生。樹皮は紫褐色で桜に似る。葉は卵状楕円形で葉先は尾状鋭尖頭、縁に芒状の鋸歯。
混芽から新梢あるいは花軸(花序柄)を伸ばし葉をつけ、先端に総状花序をつける。花は白花で萼5裂片、花弁5、多数の雄蕊が突出する。花後に萼は脱落する。
果実は核果で緑色から黄色、赤色を経て黒紫色に熟す。熟果は甘く杏仁の香がし、果実酒(杏仁子酒)に最適。桜葉の芳香成分のクマリンの香りがして美味である。
新潟地方では花蕾を花序ごと摘みとり塩漬けにして食すと聞く。
学名Padus grayana
属名Padus Padus イタリアpo 河(ラテン語 Padus河)に由来
種小名 grayana 米植物学者 Asa Gray
上溝桜の名の由来
古代、亀卜を行う際、甲羅或いは鹿の肩甲骨に穴を孔け、その孔に熱した波波迦の木(ははかのき 上溝桜の古名)を押し当ててひび割れを占ったという。溝を占う桜という意味の占溝桜が上溝桜に転訛(説)。
今日、宮中の大嘗祭(11月)において亀卜が行われ斎田(御供田)が定められる。
イヌザクラ(バラ科 サクラ属)
花も葉も果実も上溝桜と酷似しているが、本種は葉芽から新梢と葉が出て落枝しない。ウワミズザクラは花軸(花序柄)に葉をつけるが、イヌザクラは葉をつけない。
果実は核果で秋に成熟するが苦みがあり不味い。
学名Prunus buergeriana
属名Prunus サクラ属
種小名 buergeriana 独Heinrich Bürger シーボルト助手















トップ 目次 画像・文 塩城忠