アメリカザイフリボク/ジューンベリー (バラ科 ザイフリボク属 落葉小高木 花期4,5月)
葉は長い葉柄を持ち互生、幼葉には白毛が密生、成葉は無毛で縁に細鋸歯。花期は4,5月。
長枝、短枝の先についた冬芽(花芽と葉芽の混芽)がカラフルに展開して新梢を伸ばし、新梢下部に葉、先に総状花序をつけ白花を咲かせる。ザイフリボク(采振木)の名は細長い花弁が多数ついた花序を武将が使用する軍配(采配)に見立てたことに由来。
花は萼5、花弁5、雄蕊は多数(約18~20)、雌蕊の柱頭5裂。
果実は長い果柄につき、ブルーベリーより一回り小さな球形の液果。果頂部に萼窪(がくあ)、萼痕。子房は萼筒(花托筒)の中にあり(子房下位)、花托筒が子房を包んで成熟して偽果皮となる。偽果皮に包まれた液果と言える。
果実は最初緑色をしているが次第に赤紫色を帯び、6月中旬頃に黒紫色に熟す。中に微細な種子が含まれるが種ごと噛み砕いて食べられる。ほんのり甘味が感じられるが、酸味が無いので物足りない。毎年2,3粒頬張って季節を感じる。
学名 Amelanchier canadensis
属名Amelanchier 欧州ザイフリボクに対するフランス南東部の呼称
種小名canadensis 北米カナダ産の
*日本在来の采振木は秋に紫色に熟す。
*采配と軍配 どちらも軍を指揮するための団扇状の道具。軍配は総大将クラスが使用し、采配はそれ以下の武将が使ったという。
トップ 目次 画像・文 塩城忠