上:雄株の雄花 下:雌株の雌花
花被片は花弁5のように見えるが、よく観察すると仮雄蕊の花糸と重なるように三角状の萼状片が見える
これらは次の写真のとおり花後も長く残るので、花弁と呼ばずに花被片10(大5+小5)と呼んだ方が無難か
ニガキ (苦木 ニガキ科 ニガキ属 学名 Picrasma quassioides 落葉高木 雌雄異株 花期5月) 和名は樹皮や葉を舐めると苦いことに由来。葉は奇数羽状複葉で互生、小葉は5,6対つき、葉身は長楕円形で先が長く尖り、縁に細鋸歯。本年枝の葉腋から集散状の花序を出し薄緑色の小花をつける。雄株の雄花は雄蕊4,5個。雌株の雌花は花被片10~8(小萼5、花弁5又は萼大5+小4)、仮雄蕊4,5、花柱が花冠から長く突出し柱頭が4,5裂、花柱の基部に4,5室に分かれた子房がある。小萼および花弁状片は花後~成熟する頃まで長く残っているので萼・花弁と呼ばずに花被片と呼んだ方が無難かもしれない。果実は球形~楕円形の分果で、花盤に1~5個つく。青い果実は碧色から黒色に熟す。樹皮は滑らかで暗褐色、この樹皮を乾燥させたものは生薬となり、ニガキ末は太田胃散にも含まれている。
属名Picrasma <picrasma> 苦味
種小名quassioides ニガキ科Quassia属に似た