フジ/ノダフジ
フジ/ノダフジ (マメ科 フジ属 蔓性落葉木本 日本固有種
花期4月下~5月) 野田は大阪市福島区のフジの名所野田を指し、牧野富太郎博士がその地のフジをノダフジと命名したことによる。牧野博士は1927年65歳の時に学位論文「日本植物考察」により東京帝国大学から理学博士号を受けた。
ノダフジの蔓は地面から上方に左巻き上げ、視点から遠ざかる方向に左巻きである。(ヤマフジは右巻き上げ・手前から向こうに右巻き)。葉は奇数羽状複葉、小葉は5対~9対。幼葉(若葉)には毛が密生しているが成葉になると脱落する。
花は薄紫色の蝶形花で長い総状花序に多数つき垂れる。5月中半頃には山の中腹に紫色の花が一面に咲き藤色に染まる。公園や庭木では棚仕立てが多く見られるが、狭い庭を高度利用した立木仕立ても見られる。
果実は長大な豆果/莢果で褐色の扁平な種子が入っている。花数の割に結実数は少ない。熟して乾燥すると莢は捩れて裂け種子を弾き飛ばす。晩秋に莢果を採取しテーブルの上に置いておく。すると秋の夜長、静まり返った夜半にパチッと音を発して種子が弾け飛ぶ音を聞くことができる。相当な威力である。
種子は昔女児が遊んだオハジキの代用になる。
学名Wisteria floribunda
属名Wisteria 米国フィラデルフィアの医師・解剖学者・自然学者
Caspar Wister (1761-1818)に因む。
種小名floribunda flore+bundus 花咲く+豊富
園芸種Wisteria floribunda f. alba f. forma園芸種 alba白花
ヤマフジ&シラフジ
シラフジ 西日本に分布するヤマフジの白花変種で、花期は4月下~5月。葉は奇数羽状複葉、小葉は4対~6対で葉裏に毛がある。
ノダフジより短い総状花序をつけ白色の蝶形花を咲かせる。ノダフジは花序の基部から順次咲き上がるが、シラフジは基部から先までほぼ一斉に開花する。蔓は地面から上方に右巻き上げ、視点から遠ざかる方向に右巻きである。枝および冬芽に毛が多い。
学名Wisteria brachybotrys var.alba
種小名brachybotrys var.alba brachy+botrys 短い+ブドウ(短い花序)var.変種 alba白花
ヤマフジ
学名Wisteria brachybotrys Siebold et Zucc.
命名者Siebold et Zucc.シーボルト&ツッカリーニ
属名Wisteria 米国 Caspar Wistar(or Wister 1761-1818)に因む。
フィラデルフィアの医師・解剖学者・自然学者
種小名brachybotrys brachy+botrys 短い+ブドウ(短花序)
蔓は地面から見て上方に右巻き上げ。
ナツフジ (白花 花期夏)
学名Wisteria japonica 蔓は地面から見て上方に左巻き上げ、ノダフジとは別種。
藤の花の返り咲き(不時開花)
花後の7月頃に花芽分化するが、翌春を待たずに開花してしまう現象。春の開花時に結実した果実が生っていれば“返り咲き”でありナツフジではない。

























