スギ と ヒノキ (2) ヒノキ 檜/桧
画像 ヒノキ & サワラ 2013-02-06 1 | 樹木 花と葉と果実
ヒノキ (ヒノキ科 ヒノキ属 常緑高木 雌雄同株 花期3,4月)
和名は火起しに使われた「火・陽(ひ)・霊(れい/ひ)」の木に由来し、文字通り「火の木」である。
ヒノキの樹皮は檜皮(ひわだ)と呼ばれスギより幅広に剥がれ、社の屋根等の檜皮葺(ひわだぶき)に利用された。葉は鱗片葉で平面状に広がった枝を交互に十字対生に包む。平面に広がった枝・葉の下側面から見ると枝を包んだ鱗片葉の合わせ目の白い気孔帯がY字形に見える。
平面上に広がった枝の先端に小さな雄花が1個づつ多数つく。雌花は主枝最頂部辺りにつくが小さな白緑色をして発見し難い。球果はサッカーボール状で果麟が対生している。球果が成熟すると果麟が開き隙間から平べったい翼を付けた種子を散布する。
ヒノキの気孔帯は「Y字」、同属のサワラの気孔帯は「X字」、アスナロ属アスナロの気孔帯は「小の字」状に見える。
スギ・ヒノキは花粉を飛ばし過敏症の人には厄介であるが、森林浴効果も提供してくれる。スギやヒノキは芳香物質を発散するが、これはロシア語でフィトン・チッド(樹木・殺菌)と呼ばれ、微生物の侵入・寄生から自己防衛する成分の香りである。(森林と共生してきた人類に対しては)身体と精神に良い影響を与えると言われている。通学路の半ば辺りには山腹が開け12戸程の集落があり、そこから更に山を越える登り口に鬱蒼(うっそう)とした檜林の道が続いた。狐・お化けの類(たぐい)が出て来そうで、部活で遅くなると真昏(まっくら)な檜林道を大声で歌って通った。ここを過ぎると直ぐに峠で、四方を稜線に囲まれた自分家の集落が星明りに浮かんだ。向こうから灯りが近づく。母が迎えに来たようだ。