ホタルブクロ 蛍袋/火垂袋
画像 ホタルブクロ/ヤマホタルブクロ 2013-06-18 | 樹木 花と葉と果実
ホタルブクロ (キキョウ科 ホタルブクロ属 多年草 花期6月)
和名は花の形が提灯(火垂 ほたる)に似ることに由来する。童子女(わらべ)がこの花に蛍(ほたる)を入れたという逸話もある。茎下部の葉には葉柄があるが上部の葉に葉柄はない。花は鐘形状で花色は白又は淡赤紫色、内面に紫色の斑点がある。
雄性先熟である。花冠の中を覗くと雌蕊の柱頭が綿棒状(未成熟)の時に雄蕊5が立ち上がって花粉を放出、葯が萎れると雌蕊が成熟して柱頭が3裂して受粉可能な状態になる。
萼を観察すると2種類ある。ホタルブクロは萼裂片(5片)が長く、裂片の谷間に小さな副萼片がめくれ上がる。
ヤマホタルブクロは萼片が短く、谷間部分が山高に盛り上がる。
属名Campanula カンパニュラは小さな釣鐘(英bell)の意
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に二人の少年ジョヴァンニとカンパネルラが登場する。カンパネルラの名前が属名カンパニュラと似ること、又釣鐘草が登場することから、釣鐘=カンパニュラに由来するという説がある。これだとジョバンニの名前の出所が不明となる。
ジョヴァンニとカンパネルラの名前はイタリアの哲学者・道士のトンマーソン・カンパネッラ (1568~1639) の洗礼名(幼名)から引用したという説がある。洗礼名はGiovanni Domenico Campanella) 。
彼はスペイン圧制下にあったナポリの独立運動に加わり27年間投獄されたが、その間に一種のユートピア物語「太陽の都」を書いた。賢治は一時キリスト教会に出入りしており説得力がある。