キヅタ(木蔦 ウコギ科 キヅタ属 常緑蔓性木本 雌雄同株 花期10,11月 果期翌年5,6月)
落葉性のツタ(ブドウ科 ナツヅタ)に対し常緑性で冬でも葉が見られるので冬蔦とも呼ばれる。枝から髭状の付着根(気根)を出して樹木を攀じ登る(登攀する)。葉は互生、葉身は若い蔓では3浅裂、花をつける蔓では無裂葉が見られる。縁は全縁(無鋸歯)、厚い革質で光沢がある。
花軸(花序柄)が散房状に分岐しその先に散形花序を形成。花柄、萼筒および蕾に鱗状毛が密生している。
花は黄緑色で、花弁5、雄蕊5、雌蕊1。観察では上部花序から先に開花している。雄性先熟で雄花が散った後に雌性期(花盤から短い花柱が出て柱頭がつく)に入る。
果実は萼壷に包まれて成長、表面に萼壷由来の鱗状毛が密生、先端に萼窪 or花盤痕と花柱/柱頭痕が残る。
果実は萼壷由来の偽果皮に子房が包まれて成熟した液果と言える。5、6月に暗紫褐色に熟す。
似た蔓性植物にツタ/ナツヅタ(落葉)、ツタウルシ(落葉)がある。
ツタ は葉(3裂葉)と対生に出る吸盤根で幹や壁を登攀する。
ツタウルシ(ウルシ科) は三出複葉で、付着根(気根)を出して樹木に伝い登る(強漆毒)。
学名 Hedera rhombea
属名Hedera Hedera 欧州キヅタの古代ラテン語
種小名 rhombea rhombea 菱形の(葉)









TOP (目次) 画像・文 塩城 忠