毛利甚八 写真日記 旅する天体

作家・毛利甚八が、ニコンD600とオリンパスペンを手に、あの町この村、あの川この海をパチリと撮って、ぽつりとつぶやく。

毛利甚八 写真日記 オリンパスペンと旅する 第12回 丸谷才一とぐいのみの話

2011年11月08日 01時10分34秒 | グルメ
ひさしぶりでした。

今日(正確には昨日)の午後から丸谷才一さんの『持ち重りのする薔薇の花』を読みだしたら、面白くて一気に読んでしまった。

すごいな、人生のあれやこれやが、お祭りのように軽快に語られて、うーん、本居宣長の「もののあわれ」という奴がこれでしょうか?


レンズ/Aiマイクロニッコール105mm F2.8 絞りF8 絞り優先AE

今回はマイクロレンズのテストのために撮ったぐいのみの写真を紹介してみよう。
上は中里太郎衛門窯の古伊万里写しのぐいのみ。
もらいものだが、ぴかぴか新品ぽくてお気に入りとは言えなかった。
ところが、私の不手際で落としてしまい、こんな向う傷つきの姿になってしまった。


レンズ/Aiマイクロニッコール105mm F2.8 絞りF8 絞り優先AE

上は去年の春、岡山駅で買った備前のぐいのみ。どうってことない不細工な奴だと思って買ったけど、酒を入れたら一変。焼け焦げた肌がつやつやと光って、黒い無骨な器が、注ぎ入れた酒をいっそう輝かせる。すごく気に入って、旅行に持ち歩き、列車のなかで水を飲んだりした。

名前は「ゴジラ」。


レンズ/Aiマイクロニッコール105mm F2.8 絞りF8 絞り優先AE

上はやはり備前、五年ほど前、講演で岡山に行き、備前を案内してもらった時に買ったもの。なんでも人間国宝の弟子の作品とかで、けっこう高かった。「ゴジラ」の三倍くらいの値段だった。

この頃、楽焼に興味を持っていたので、これを選んだのだと思う。

ぐいのみは小さくて運びやすいし、値段もそこそこだから、旅行の記念に買うことが多い。
でも酒を飲み過ぎて、失敗することもありますね。

人生の苦い味を、丸谷才一先生はおもしろい料理にしています。
ぜひ御一読を。

では本日はこのあたりで。