討論の広場

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スピヴァク講演会13

2007-10-01 23:10:34 | Weblog
 専門家を自称する彼がその論文が剽窃ではないと,その判断もできない参加者に述べるより,その事実の経過を丁寧に説明したコメンテーターの方が,誠実な対応をしていると思いました.なぜなら,体調不良の一言で講演会を中止し,多くの人が納得できたにもかかわらず,もしくは本橋さんのいうように専門家のことは専門家が決め,自らが検討して剽窃ではないと今まで決定されてきたですし,それが今でも可能であるにもかかわらずそれをしなかったからです.その権力性をいわゆるカルチュラル・スタディーズは問うてきたと思うのですが・・.事実を公開し,少なくともこの経過で脊髄を叩かれた衝撃を正直に語ったコメンテーター陣の方が,間違いなくカルチュラル・スタディーズの思想を受け継ぎ実践されていると思いました.
 また結果的に本橋さんの発言は、新城さんのその衝撃を消し去りました.もし、新城さんの衝撃を無視するのだとすれば、これは、植民地主義の実践といわれてもしょうがないと思います.日本人研究者によって沖縄人研究者の紡ぎだした声が消さたからです.現在の沖縄を映し出す言葉はウチナーグチにはないです.自らの言語が日本語に変わった瞬間と,苦しみの経験が同時に始まったからです.そんななか,言葉を紡ぎ,代弁するという吐き気をもよおす作業を実践されているから,新城さんには衝撃が走ったのだと思います.

打越
http://www.geocities.jp/istdjapan/
istdjapan[アットマーク]yahoo.co.jp