クリスマスイブの夜に枕元に大きな靴下をくくりつけておくと、眠っている間にこっそり靴下の中におもちゃなどのプレゼントを入れてくれるサンタクロース。サンタクロースとは何者なのか。実はサンタクロースにはモデルがいるのである。サンタクロースのモデルは3世紀〜4世紀に実在した司教「聖ニコラウス」という人物。西暦280年ごろ、現在のトルコに生まれた聖ニコラウスは、多くの奇跡を起こして人々を救い多くの人から慕われたと言われている。特に子どもを愛した聖ニコラスは、子どもたちにたくさんの贈り物をしたことで知られ、亡くなった後も子どもたちの守護聖人として慕われ続けたのである。彼が亡くなった12月6日は、その後「聖ニコラスの日」と呼ばれるようになり、そのイブには、長いコートを着て、杖を片手に持ってロバに乗った聖ニコラスが、良い子にごほうびを届けるという言い伝えが生まれたそうだ。この伝説がサンタクロースがプレゼントを持ってきてくれるという現在の風習につながるというわけだ。サンタクロースという名前は、英語の「セント・ニコラウス」をオランダ語読みしたものがそのものずばり「サンタ・クロース」であり、これはクリスマスの習慣が、主にオランダ系プロテスタントによってアメリカに伝えられたことに関係しているようだ。ちなみに、クリスマスプレゼントを靴下に入れる習慣も起源は聖ニコラウスの伝説にあるようだ。ある父娘を助けるために聖ニコラウスがこっそり投げ込んだ黄金の袋が、暖炉に干してあった靴下の中に偶然入ったというエピソードから、子どもたちはクリスマスに靴下をベッドや暖炉にぶら下げるようになったそうだ(諸説あり)。