ホームズがトーマス・カーライル(スコットランドの評論家)を知らなかったことからワトソンは「文学についての知識が乏しい」と思い込んでしまいました。知り合って間もない頃のことです。親しくつき合っていくうちにホームズがシェイクスピア、エドガー・アラン・ポー、ゲーテと幅広く精通していることを知り考えを改めます。 ホームズは文芸作品からしばしば引用しますし、寝室にはゲーテの胸像が飾ってあるんです。読書量の多 . . . 本文を読む
実はモリアーティ教授が登場するのは「最後の事件」1作だけ。「恐怖の谷」ではちらっと触れる程度です。ベーカー通りとライヘンバッハの滝でしか会ったことがないのです。 ホームズに飽きて他の話が書きたくなったドイルが、ホームズを亡き者にするためにモリアーティ教授を創り出したというのが真相です。しかし結局は抗議が殺到してホームズを生き返らせることになりました。モリアーティの前にも後にも敵は存在します。(シャ . . . 本文を読む
ホームズだって人間ですから失敗することだってあります。「オレンジの種五つ」によると失敗したのは全部で4回、そのうちの1回が女性によるものだったとか。 ボヘミア王家の結婚にまつわる推理で「ボヘミアの醜聞」という短編小説があります。スカンディナヴィア皇女と婚約した国王がホームズの下に依頼人として現れました。かつての恋人から脅迫を受けているというのです。国王が交際していた女性の名前はアイリーン・アドラー . . . 本文を読む
2人が出会った時、ホームズは既に探偵として名声を得ていましたし、ワトソンは軍医としてアフガニスタンを経験していました。そのため中年だと思っている人が多いのかもしれないですね。 2人は同年輩、ホームズは1854年に生まれワトソンに出会ったのは1881年27才の時のこと。彼らがいかに若くして成功を収めたかが分かりますね。ホームズのせいで影が薄くみえますがワトソンはインテリな上に戦場で経験を積んだ腕のい . . . 本文を読む
このイメージはガイ・リッチー監督の映画によって植え付けられたものでしょう。ロバート・ダウニー・jr.演じるホームズは髪に櫛も当てず、サイズの合わない服をだらしなく着崩していますが、原作では伝統に即した装いでおしゃれでスマートなホームズでした。 凶悪な犬の事件を調べるために荒野のボロ小屋に住むことになった時ですら、洗濯したての洋服を準備しようとしたくらいなんです。ベーカー通りの自宅にはガウンまである . . . 本文を読む
ガイ・リッチー監督の映画の中で、ホームズが警察に内緒で犯行現場から証拠の品を持ち去る場面が度々見られます。このやり方で警察を出し抜き事件を解決するのです。ちょっといいとこ取りな感じですよね。 ところがこれは原作とは全然違うんです。証拠を持ち去ったりしませんし(『悪魔の足』)、警察の読みが間違っている時は知り得た情報を共有し軌道修正することもあります(『ウィスタリア荘』)。推理力が凄いことが警察より . . . 本文を読む
女嫌いとして知られるホームズですがかつて女性と婚約したことがあります。短編小説「犯人は2人」の中でのことです。ホームズは恐喝を受けている依頼人の代わりに恐喝王ミルバートンと金額交渉を試みますが、金に汚いミルバートンは聞く耳をもたず話し合いは平行線のまま。このままでは埒が明かないと思ったホームズは実力行使に出ることを決めます。 ミルバートン邸に侵入し恐喝のネタを取り返そうというのです。ホームズは屋敷 . . . 本文を読む
ホームズは実験中または退屈している時にクスリを使っていました。クスリを使うと仕事に没頭している時のような気分になるとか。つまり退屈しのぎに薬物を使っていただけなので薬物常用者、薬物中毒とはいえません。現に仕事がある時には長期間コカインがなくても平気でした。(シャーロック・ホームズ)(USJさんとコラボレーションした作品)
. . . 本文を読む
ホームズの人生の中で特別な役割を果たした女性がいました。それは美しく聡明なアイリーン・アドラー。ただし恋と呼べるようなものではなく、ホームズの裏をかく頭の良さに敬意を払っているのです。 アドラーに出会うまで女性について辛辣な意見をいうことが多かったのですが、出会ってからは少々考えを改めたようです。(シャーロック・ホームズ)(USJさんとコラボレーションした作品)
. . . 本文を読む
「事件を解決するために要した期間は最大でも数ヶ月」、そして「比較的若いうちに引退した」というのは部分的に事実です。事件のほとんどは驚くほど短期間で解決しましたし若いうちに引退する計画を立てていました。 しかし引退して養蜂業を営んでいたホームズのところにイギリス政府から依頼がありました。何者かに海軍の暗号簿を盗まれ、背後にどんな組織があるのか分からないというのです。イギリス当局が打った手は全て失敗に . . . 本文を読む
ホームズのこのフレーズ、有名ですよね。ところが原作には使われていないフレーズなのです。ではどのようにして誕生したのでしょう? 短編小説「背中の曲がった男」の中に“初歩的だよ”というホームズの言葉があります。また彼は相棒のことを“親愛なるワトソン君”と常々呼んでいます。独立して存在した二つの言葉がくっついて一つの文章になったという訳です。 「初歩的なことだよ、ワトソン君」という決めセリフは伝説のホー . . . 本文を読む
ワトソンはホームズにとって最良にして唯一の友人です。伝記作者として相棒として生涯ホームズの側にありました。短編小説「ボヘミアの醜聞の中で」でホームズはこう言っています。「ボズウェルがいないと途方に暮れてしまう!」。これは自分とワトソンの関係を、サミュエル・ジョンソンと伝記作者のボズウェルの関係に置き換えているのです。 サミュエル・ジョンソンとは18世紀に「文壇の大御所」と呼ばれたイギリスの有名な詩 . . . 本文を読む
ホームズといえば鹿撃ち帽を被りインパネスコートを身につけ、口にはいつもくわえパイプというのが定番のスタイルですよね。 ところが鹿撃ち帽をかぶるのは田舎に行く時くらいでロンドン市内にいる時は帽子かシルクハットを被っているのです。鹿討ち帽は名前の通り狩猟用なんですよ。 またパイプを使ってアヘンを吸う中毒患者であったとも言われていますがこれも誤解です。(シャーロック・ホームズ)(USJさんとコラボレーシ . . . 本文を読む
世界一の名探偵と呼ばれることが多いシャーロック・ホームズ。しかし作中には、ホームズ以上の推理力をもつ人物が登場している。それは、ホームズの兄であるマイクロフト・ホームズである。マイクロフトは探偵ではなく、イギリスの官庁で会計監査をしている役人だ。ただし、推理力や観察力は弟以上であり、ホームズは彼に助けを求めることもある。マイクロフトは活動的ではなく、推理は道楽としか考えていないため、探偵には何の興 . . . 本文を読む
あまり知られていないが、ホームズは変装の名人でもある。作中では浮浪者や聖職者に変装しており、なんと女装するシーンまで存在する。明智小五郎やアルセーヌ・ルパンはマスクをつけて顔自体を変えているが、ホームズはメイクや服装で別人のように雰囲気を変えるという、現実的な変装術を使っている。変装すればワトソンでも気づかないことが多く、その演技力は非常に高いとわかる。ワトソンからは、「探偵になったせいで名俳優が . . . 本文を読む